その年の競輪選手No.1を決定するレース『KEIRINグランプリ』。2025年は12月30日(火)、平塚競輪場で行われる。

この記事では今年グランプリスラムを達成した、脇本雄太選手を紹介する。

脇本雄太プロフィール

脇本雄太, 高松宮記念杯競輪(G1), 決勝, 岸和田競輪場

わきもと・ゆうた(福井/94期)

デビュー年 2008年
KEIRINグランプリ出場歴
*…優勝
2018、2019、2020、2022*、2023、2024
出場権獲得 G1優勝
(全日本選抜競輪、高松宮記念杯競輪)

友人に誘われたことをきっかけに高校の自転車部に入部し、自転車競技選手としてのキャリアをスタートした脇本。自転車トラック競技ナショナルチームメンバーとしても活動し、2016年のリオオリンピック、東京2020オリンピックに出場。東京オリンピックを機にナショナルチームを引退した。

オリンピックの翌年、2022年にはKEIRINグランプリでも優勝。ナショナルチーム仕込みのスピードで、“競輪を牽引する脇本”としての立ち位置を確立する。

グランプリチャンピオンとして過ごした2023年にはG1タイトル獲得がなかったが、2024年には1つ、2025年には2つのG1タイトルを獲得しており、その強さは別格と言えるだろう。

脇本雄太, 高松宮記念杯競輪(G1), 決勝, 岸和田競輪場

2025年最初のG1『全日本選抜競輪』で優勝し、全6つのG1とグランプリを制する「グランプリスラム」を達成。

続いて6月の『高松宮記念杯』でも優勝し、年間2つ目のG1タイトルを獲得と上々の調子を見せてきた。しかし10月の『寬仁親王牌』開催期間中、練習で怪我をし、左肘脱臼・複雑骨折と関節部分の骨(橈骨頭)が4つに割れるという重傷を負ってしまう。

11月11日のSNS投稿には左腕の痛々しい様子をアップし「まだ肘が動かせない」とコメント。年間最後のG1レースである『競輪祭』への出場も見送った。

脇本雄太, 寺崎浩平, オールスター競輪(G1), 決勝, 函館競輪場

厳しい状況ではあるものの、2025年は脇本が蒔いてきた種……「近畿の若手」が花開いた年でもある。

これまで脇本と、大阪の古性優作とが牽引してきた近畿勢だったが、2025年は新たに寺崎浩平がG1タイトル保持者に加わった。さらに、南修二という力強い仲間も得て、今年のグランプリには4人の近畿レーサーが参加する。

脇本雄太, 高松宮記念杯競輪(G1), 決勝, 岸和田競輪場

これまでだって、試練がなかったわけではない。

ナショナルチーム時代からの腰痛に加え、2023年8月のオールスター競輪で「痛いどころではなく、呼吸ができなかった」と振り返る「キャリア史上最大の怪我」を負っている。そこから「後輩に助けられた1年だった」と言うように、周りのサポートも受けながら調子を上げ、『KEIRINグランプリ2024』では自身は3着、ラインを組んだ古性優作が優勝した。

「怪我をしてもそこで終わりではない」ということは、すでに過去の脇本自身が証明している。年末の大舞台でどのような走りを見せるのか、その“格”に注目したい。

参考:KEIRIN.jp

他の選手のプロフィールを見る▼

脇本雄太
吉田拓矢
寺崎浩平
嘉永泰斗
阿部拓真
古性優作
眞杉匠
郡司浩平
南修二

【補欠選手】
松本貴治

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KEIRINグランプリとは?

毎年12月30日に開催される、競輪界の最高峰レース。ビッグレース(G1)での優勝者と、賞金獲得上位の合計9選手が1発勝負で「グランプリチャンピオン」を賭けて争う。2025年の優勝賞金は昨年より700万円上がり、1億4000万円

その年をトップで走り抜けた9選手は、2000人以上の競輪選手のトップの称号「S級S班」として翌年1年間を過ごす。さらに「グランプリチャンピオン」となった選手は翌年1年間をチャンピオンとして過ごし、全てのレースで1番車で走ることとなる。

KEIRINグランプリ2025選考基準

以下の選考基準から出場選手9人、補欠1人が選ばれる。

・G1レース優勝者
・ 世界選手権自転車競技大会ケイリンで1位となった者
・選考用賞金獲得額上位者(同額の場合は1月〜10月開催までの平均競走得点上位者)
・選考期間は2025年1月〜11月(競輪祭最終日)
・最低出走回数40回

KEIRIN.jp:検索/資料室>Gレース等選考基準一覧表>KEIRINグランプリ

昨年のレースレポート▼

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