その年の競輪選手No.1を決定するレース『KEIRINグランプリ』。2025年は12月30日(火)、平塚競輪場で行われる。
この記事では今年大躍進を遂げた、阿部拓真選手を紹介する。
阿部拓真プロフィール
あべ・たくま(宮城/107期)
| デビュー年 | 2015年 |
| KEIRINグランプリ出場歴 *…優勝 |
– |
| 出場権獲得 | G1優勝 (競輪祭) |
高校時代から自転車競技を始めた阿部。法政大学在学中に『全日本大学対抗大会(インカレ)』でケイリンとチームスプリントで2位になっているほか、国体のリハーサル大会でもある『全国都道府県対抗自転車競技大会(2012年)』ではケイリンで優勝している。
競輪学校(現:競輪選手養成所)の成績は4位と上々だったものの、苦しい時期も経験してきた。
2025年だけを見ても、6月の『高松宮記念杯(G1)』では落車で途中欠場、9月岐阜F1で失格・途中欠場、同月の奈良G3でも落車で途中欠場と、なかなか良い波をつかめていなかった。
デビューから10年の節目となる2025年最後のG1レース『競輪祭』で初めてG1決勝に進出。競走得点は105.30と、決勝メンバーの中でも最下位だった。
大舞台となるレースで連携を組んだのは、出走メンバー内で競走得点は118.57と最高位でもあった、同期の吉田拓也。

黄色の5番車が吉田、緑の6番車が阿部
各選手の思惑が絡み合い、ごったがえしの様相となった最終ストレートで、フィニッシュ直前に抜け出す形で勝利を得た。
競輪の3連単は、全部で504通りの選択肢がある。今回の競輪祭決勝戦の着順は、その504通りのうち、一番人気がない504番目の並びだった。
レース後のインタビューでは「誰しもがビックリしている」「いつがグランプリかもわかってない」などキラーフレーズを連発し記者たちを笑わせたが、その一方で「選手紹介の時の雰囲気がすごく楽しくて。(吉田)拓矢に『楽しみになってきた』と言ったら、『楽しみましょう』と言ってくれて、本当にリラックスして臨めました」と、楽しめる強さも窺わせた。
チャレンジャーが故に、怖いものなし。年末の晴れ舞台でどのような走りを見せてくれるのか、ぜひ注目したい。
参考:KEIRIN.jp
シクリスムエコー No.193 2012年9月号
netkeirin「【KEIRINグランプリ2025】令和最大の大金星! ラッキーボーイ阿部拓真が夢舞台で躍動/出場選手紹介」
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【補欠選手】
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KEIRINグランプリとは?
毎年12月30日に開催される、競輪界の最高峰レース。ビッグレース(G1)での優勝者と、賞金獲得上位の合計9選手が1発勝負で「グランプリチャンピオン」を賭けて争う。2025年の優勝賞金は昨年より700万円上がり、1億4000万円。
その年をトップで走り抜けた9選手は、2000人以上の競輪選手のトップの称号「S級S班」として翌年1年間を過ごす。さらに「グランプリチャンピオン」となった選手は翌年1年間をチャンピオンとして過ごし、全てのレースで1番車で走ることとなる。
KEIRINグランプリ2025選考基準
以下の選考基準から出場選手9人、補欠1人が選ばれる。
・G1レース優勝者
・ 世界選手権自転車競技大会ケイリンで1位となった者
・選考用賞金獲得額上位者(同額の場合は1月〜10月開催までの平均競走得点上位者)
・選考期間は2025年1月〜11月(競輪祭最終日)
・最低出走回数40回
KEIRIN.jp:検索/資料室>Gレース等選考基準一覧表>KEIRINグランプリ