その年の競輪選手No.1を決定するレース『KEIRINグランプリ』。2025年は12月30日(火)、平塚競輪場で行われる。
この記事では4年ぶり2回目のKEIRINグランプリ出場となる、吉田拓矢選手を紹介する。
吉田拓矢プロフィール
よしだ・たくや(茨城/107期)
| デビュー年 | 2015年 |
| KEIRINグランプリ出場歴 *…優勝 |
2021 |
| 出場権獲得 | G1優勝 (日本選手権競輪) |
父と叔父、そして弟2人が競輪選手という競輪一家育ち。幼少期から中学までは水泳を行なっており、小学6年生の時にジュニアオリンピックでメドレーリレー2位、フリーリレー2位の好成績を残している。その後取手第一高校に進学し、自転車競技をスタート。高校選抜ではポイントレースで優勝しているように、もともと中長距離で成績を残していた。
高校時代にはジュニアのナショナルチームにも入っていたが「そこではずっと補欠でした。短距離も中距離も走れるけど、メンバーには入れないっていう中途半端な感じで」と本人は語る(けいりんマルシェより引用)。逆にいえば大きな苦手分野がなく、オールマイティに走れるタイプであったとも評することができるだろう。
高校卒業後、日本競輪選手養成所に入学。記録会で秀でた成績を残した場合に与えられる「ゴールデンキャップ」を獲得し、在校順位6位で卒業。2015年に107期でデビューしたのちは同期で一番最初にS級への昇級を遂げ、「注目の若手」の地位を確立する。
そして2021年の競輪祭にて、初のG1タイトルを獲得。26歳にして初のKEIRINグランプリ出場を成し遂げたが、結果は9着だった。
2022年はS級S班の肩書に気圧される部分もあったのか、ビッグレースの決勝になかなか上がることができず、S班の称号は1年で返還。その翌年2023年のオールスター競輪では失格という痛い判定を受け、年の後半戦はレースに出場もできない厳しい時期も経験する。
そんな中、兆しが見え始めたのは2024年の日本選手権競輪(競輪ダービー)。
吉田拓矢-平原康多-武藤龍生の3車で連携した決勝戦にて、怪我などによる苦しい時期を乗り越えた平原康多が優勝。吉田自身は4着でレースを終えたが、「この上ない舞台で優勝してもらえて良かったです」、そして自身についても「応援してくれる方がたくさんいて、また戻ってこられた」と語る、印象的な開催となった。
2025年に電撃引退した平原だったが、まるで吉田が跡を引き継ぐように、2025年の同開催(日本選手権競輪)で優勝。レース後には「良いことの方が少なかったと思います。それでも、腐らずにやってきたことが報われました」と語った。
4年ぶりのKEIRINグランプリ出場権をつかんだ吉田。盟友・眞杉匠と挑む2度目のグランプリがどのようなものになるのか、その行く末を見守りたい。
参考:KEIRIN.jp
けいりんマルシェ「平原さんがしてくれたことを今度は僕が後輩に 吉田拓矢選手(茨城・107期)」「吉田拓矢選手が2度目のGⅠ制覇!『第79回日本選手権競輪』結果」「吉田拓矢選手」
第79回日本選手権競輪「優勝者の横顔」
月刊競輪WEB「ヤング・スター・プレス」「吉田が初GIを制す!!」
web Sportiva「競輪・吉田拓矢が自分の優勝よりうれしかったレース、失格で落ち込んだ夜に励まされた過去を明かす」
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「腐らずにやってきたことが報われた」競輪ダービーを制したのは吉田拓矢 2着に眞杉 『第79回日本選手権競輪』決勝/名古屋競輪場・5月4日
KEIRINグランプリとは?
毎年12月30日に開催される、競輪界の最高峰レース。ビッグレース(G1)での優勝者と、賞金獲得上位の合計9選手が1発勝負で「グランプリチャンピオン」を賭けて争う。2025年の優勝賞金は昨年より700万円上がり、1億4000万円。
その年をトップで走り抜けた9選手は、2000人以上の競輪選手のトップの称号「S級S班」として翌年1年間を過ごす。さらに「グランプリチャンピオン」となった選手は翌年1年間をチャンピオンとして過ごし、全てのレースで1番車で走ることとなる。
KEIRINグランプリ2025選考基準
以下の選考基準から出場選手9人、補欠1人が選ばれる。
・G1レース優勝者
・ 世界選手権自転車競技大会ケイリンで1位となった者
・選考用賞金獲得額上位者(同額の場合は1月〜10月開催までの平均競走得点上位者)
・選考期間は2025年1月〜11月(競輪祭最終日)
・最低出走回数40回
KEIRIN.jp:検索/資料室>Gレース等選考基準一覧表>KEIRINグランプリ