チリ・サンティアゴを舞台に、10月22日~26日に実施していた『2025世界選手権トラック』。
最終日に行われた女子ケイリン、2年連続2回目の頂点を得た佐藤水菜のレース模様を中心にお伝えする。
総勢32人がエントリーしたこの種目は、1回戦→(敗者復活戦)→準々決勝→準決勝→決勝までを1日で行うスケジュール。
アルカンシェルホルダーであり今大会スプリント銀メダリストの佐藤水菜を筆頭に、酒井亜樹、仲澤春香が出場した日本勢のほか、前日の1kmタイムトライアルで2度にわたって世界記録を打ち立てたヘッティ・ファンデヴォウ(オランダ)らが顔を揃えての激戦となった。
1回戦 日本勢は2人が突破
2着までが勝ち上がりの1回戦。佐藤と仲澤はお互い2着で勝ち上がりを決めたが、酒井は1回戦で6着となり敗者復活戦周りとなった。
敗者復活戦。酒井は残り2周を前に一気に前に出ると、先頭で先行体制へ。しかし残り1周で集団に追いつかれてしまうと、徐々に失速して最後尾でフィニッシュ。準々決勝には進めなかった。
準々決勝 仲澤は降格で敗退
4着までが勝ち上がりを決めることができる準々決勝。佐藤は第2組で3着となり勝ち上がりを決めた。
続いて第3組の仲澤。
ヘッティ・ファンデヴォウ(オランダ)、アリナ・リシェンコ(AIN/個人中立選手)、ローリン・ジェネスト(カナダ)など。
3番手でスタートした仲澤はペーサー退避の前に位置を上げて、残り3周で先頭へ。
仲澤の動きに反応して前に出てきたのはファンデヴォウ。
残り2周でファンデヴォウが先頭、仲澤が2番手、しかしオーストラリアの選手が仲澤に並走して蓋をされるような形となる。
残り1周半で後続の選手たちが位置を上げてくると、仲澤はずるずると5番手まで下がってしまう。
最終周回では内に詰まる形で前に3人の壁ができてしまった仲澤。最終コーナーを立ち上がると勝ち上がりを掛けて内側からフィニッシュラインへと突っ込んでいく。
仲澤はなんとか4着でフィニッシュするが、その際にブルーバンド(内側の青い部分)を走ったとしてレース後に降格。準々決勝で6着が正式な判定となり、準決勝に進出することはできなかった。
準決勝 佐藤、決勝への覚悟を見せる
先着の3人が決勝へと上がる準決勝。佐藤と走るメンバーは以下の通りとなった
| 名前 | 国 |
| エマ・フィヌカン | イギリス |
| 佐藤水菜 | 日本 |
| ヘッティ・ファンデヴォウ | オランダ |
| ミリアム・ヴェチェ | イタリア |
| ヤナ・ブルラコヴァ | AIN |
| ローリン・ジェネスト | カナダ |
最後尾からのスタートになった佐藤。ペーサーの退避前に前へと上がっていくが、4番手にいたブルラコヴァが佐藤の動きに合わせて飛び出していく。
まずはブルラコヴァが先頭に出るが、すかさずその上から先頭に出たのは佐藤。残り2周となって先頭で佐藤が先行していく展開。
残り1周になり、フィヌカンが佐藤をかわしていく、更にヴェチェも佐藤をかわしていくと、佐藤は勝ち上がれる3着に残れるか残れないかという瀬戸際となる。
最終ストレートまで粘った佐藤、後ろから追い上げるファンデヴォウから逃げ切り、3着でフィニッシュ。3周ほど粘っての勝ち上がりを決めた。
決勝 再度世界のトップへ
2025の頂上決戦まで勝ち上がってきたスプリンターは以下の通り
| 名前 | 国 |
| エマ・フィヌカン | イギリス |
| 佐藤水菜 | 日本 |
| ミリアム・ヴェチェ | イタリア |
| ステファニー・クアドラード フロレス | コロンビア |
| アレシア・マケイグ | オーストラリア |
| リー ソフィー・フリードリッヒ | ドイツ |
6周回の戦いの末に、2025年のチャンピオンが決まる最後のレースとなった。
レースはフィヌカン→マケイグ→フリードリッヒ→ヴェチェ→佐藤→クアドラードの順となって周回を重ねていく。
残り3周では誰も動かず様子見となるが、最初に仕掛けたのはフリードリッヒ。外に持ち出して位置を上げていくと、その動きにヴェチェも続いていく。
残り2周でフリードリッヒが先頭、ヴェチェが2番手、フィヌカン、マケイグ、佐藤の順。
ヴェチェが2番手から仕掛けていくと、遂に佐藤が動き出す。
残り1周半で一気に加速していく佐藤。ぐんぐんと位置を上げていくと、最終周回に入る時点で先頭のベーチェに並び、2コーナーでは単独で先頭に出ていく。
あとは逃げ切れるかどうかといった形になったが、後ろからはフィヌカンも詰めてくる。
最終ストレートに入り自転車1つ先行する佐藤が内側、フィヌカンが外側で両者が後続を突き放してフィニッシュラインへと向かう。
栄光のフィニッシュラインに先に届いたのは佐藤。残り1周半からの絶妙なタイミングでスプリント勝負に出た佐藤が見事に逃げ切り、2年連続となる2回目の女子ケイリン世界チャンピオンの座を手に入れた。
| 選手名 | チーム | ||
| 1位 | 佐藤水菜 | 日本 | |
| 2位 | エマ・フィヌカン | FINUCANE Emma | イギリス |
| 3位 | ステファニー・クアドラード フロレス | CUADRADO FLOREZ Stefany Lorena | コロンビア |



























