例年年末に行われるKEIRINグランプリ。その年をトップで駆け抜けた9選手のみが出場できる、競輪界最高峰のレース。2024年は古性優作が優勝となった。

【KEIRINグランプリ2024】 古性優作が2度目の優勝 驚異的な走りを見せた脇本は3位

2024年開催の熱も冷めやらぬ中ではあるが、本開催では優勝賞金が近年最高額であったことも注目すべき点であろう。

「優勝賞金1億円」の細かい話

KEIRINグランプリは一般的に「優勝賞金1億円」と喧伝される。ただしこれは「優勝賞金(副賞含む)」の額で、KEIRIN.jpで公開されている賞金表上では1億に届いていない年も過去にあった。

それでは近年のKEIRINグランプリ優勝賞金はどのように変化してきたのか、一挙に確認してみよう。

KEIRINグランプリ2024, 静岡競輪場

2017〜2024 KEIRINグランプリ優勝賞金

優勝賞金 開催総売上高
2024 1億3300万0000円 142億1483万2700円
2023 1億3000万0000円 140億9563万4200円
2022 1億1880万0000円 131億3355万7500円
2021 1億0330万0000円 129億5336万8200円
2020 9840万0000円 117億2516万4900円
2019 9840万0000円 119億0287万3200円
2018 9660万0000円 112億8579万6000円
2017 9660万0000円 113億9422万5200円

KEIRIN.jp上で賞金表を獲得できる範囲で、近年の優勝賞金を振り返ってみると、上記のようになる。

2017年の時は9660万円だった優勝賞金が、7年を経た2024年では1億3300万円に。およそ3600万円の賞金額アップとなった。「老後のために2000万円必要」なんてことが言われたこともあるが、それを踏まえるとこの額の大きさがよくわかるかもしれない。

KEIRINグランプリ2024, 静岡競輪場

参考として、KEIRINグランプリシリーズ3日間を通した「開催総売上」も併記した。途中新型コロナ禍という大きな困難を挟みつつも、おおよそ右肩上がりで売上増となっている。

努力の結晶としての「賞金」

また、次の表では1年を通した総車券売上も合わせて記載した。総車券売上は年度(4月始まりの1年間)での計算であることにご注意いただきたい。2024年度については、上半期の売上額を記載している。

優勝賞金 開催総売上高 総車券売上高(年度)
2024 1億3300万0000円 142億1483万2700円 6253億5970万700円/上半期
2023 1億3000万0000円 140億9563万4200円 1兆1892億4817万7600円
2022 1億1880万0000円 131億3355万7500円 1兆0907億7929万0200円
2021 1億0330万0000円 129億5336万8200円 9646億1344万7100円
2020 9840万0000円 117億2516万4900円 7499億9019万6400円
2019 9840万0000円 119億0287万3200円 6604億6055万5100円
2018 9660万0000円 112億8579万6000円 6541億1712万5300円
2017 9660万0000円 113億9422万5200円 6400億0620万9000円

※2021年度以降は250競走の売上を含む

KEIRINグランプリ期間中の売上高で見れば前年より低くなる年もあったが、年間の売上高は新型コロナ禍中も安定して増加している。制限のある中で開催を続けた選手や関係者の努力はもちろんのこと、webでの投票がより一般化したことなどもその一因である。

KEIRINグランプリの優勝賞金は、7年前と比べて約3600万円増加した。額だけを見るとその景気の良さを茶化したくなってしまうかもしれないが、これだけの賞金額を用意できるのは、競輪界の火を灯し続けようとしたすべての人々の努力の結果。

KEIRINグランプリ2024, 静岡競輪場

これまでやってきたことの結晶、ご褒美だと言えるだろう。そう思えば、この優勝賞金も妥当なものだと祝福を持って捉えられるのではないだろうか。

また、競輪の売上は地方財源や社会保障などに活用されることも付記しておく。競輪の売上は震災、高齢化など、さまざまな日本の問題を陰ながら支えている存在。それが「成長」し続けていることを、明るい気持ちで見守り、楽しんでいきたい。

2023年度の競輪車券売上高は1兆1892億円 対前年度比109%を達成