その年の競輪選手No.1を決定するレース『KEIRINグランプリ』。2025年は12月30日(火)、平塚競輪場で行われる。

この記事ではKEIRINグランプリ初出場となる、寺崎浩平選手を紹介する。

寺崎浩平プロフィール

寺崎浩平, オールスター競輪(G1), 決勝, 函館競輪場

てらさき・こうへい(福井/117期)

デビュー年 2020年
KEIRINグランプリ出場歴
*…優勝
出場権獲得 G1優勝
(オールスター競輪)

実家は競輪選手も来店する自転車のプロショップ。自転車が身近な環境で育った寺崎は、高校、大学と自転車競技に邁進。後年競輪選手となる新村穣とは法政大学時代の同期で、マディソンのペアでもあった(2015、16年の全日本選手権男子マディソンを2連覇)。中長距離種目で結果を出していたが、脚質自体は短距離寄りだったという。

大学卒業後、国体の強化コーチを2年間務めたのちに、満を持して競輪選手養成所に入所。在所中に類稀な成績をおさめ、菊池岳仁とともに史上初の「早期卒業」へ。「将来有望な大型新人」として2020年にデビューを遂げる。

デビュー後79日で史上最速でのS級優勝、同年7月の『サマーナイトフェスティバル(いわき平)』でデビュー最速での特別競輪出場と、その前評判を裏切らない結果を見せつけてきた。

寺崎浩平, TERASAKI Kohei(JPN) ,Men Elite Sprint, Qualification, 2023 Track World Championships, Glasgow, Great Britain

デビューと時期をほぼ同じくして、自転車トラック競技のナショナルチーム(日本代表チーム)にも参加。2021年に国際大会デビュー、2022年にはケイリンでアジア王者に輝くなど「パリオリンピック出場を目指す選手」として活動を続けてきた。

しかし、2023年に競技の世界からの引退を決断。

世界との実力差、どんどん力をつける後輩たち、子どもの誕生などさまざまな理由があったが、一番の理由として挙げていたのは「日本の競輪を楽しいと感じたこと」だった。

寺崎浩平, Team Rakuten K Dreams, 準決勝, 男子エリート, スプリント, 2023全日本選手権トラック, 伊豆ベロドローム

同県(福井)の先輩としては、元ナショナルチームメンバーでオリンピアン、そして競輪でも圧倒的な存在感をもつ脇本雄太がいる。

寺崎のナショナルチーム引退インタビュー(2023年末)の際、脇本は寺崎について「土台としては全然大丈夫。あとは走った本数ぶんだけ頑張ったら、自然に上に上がれるんじゃないかなと思うけどね」と評していた。

また『KEIRINグランプリ2024』直前インタビュー(2024年12月)の際には「寺崎が、(G1タイトルを)獲ってもいい器になった瞬間」になったら、自身が寺崎の前で走るだろうという旨の話をしていた。

そして「その時」が来たのが2025年8月の『オールスター競輪』だ。

寺崎浩平, オールスター競輪(G1), 決勝, 函館競輪場

近畿4車が連携する決勝戦、脇本がラインの先頭を担い、絶好の2番手から勝負に出た寺崎。

脇本の言う「獲ってもいい器になった瞬間」が到来した。ナショナルチームの後輩である太田海也もいるレースを制し、寺崎はデビューから5年半で悲願のG1タイトル獲得を成し遂げた。

脇本雄太, 寺崎浩平, オールスター競輪(G1), 決勝, 函館競輪場

近畿のS級S班選手がまた1人増えることとなった2025年。勢力図が変わった『KEIRINグランプリ2025』がどのような結果になるのか、寺崎の働きに注目したい。

参考:KEIRIN.jp
けいりんマルシェ「117期の寺崎浩平選手・菊池岳仁選手が早期卒業!」「117期の寺崎浩平選手に注目せよ!
web Sportiva「寺崎浩平のオールスター競輪でのGⅠ初優勝で見えた固い絆 2着・古性優作の「悔しいけどうれしい」の真意と競輪の深淵とは

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KEIRINグランプリとは?

毎年12月30日に開催される、競輪界の最高峰レース。ビッグレース(G1)での優勝者と、賞金獲得上位の合計9選手が1発勝負で「グランプリチャンピオン」を賭けて争う。2025年の優勝賞金は昨年より700万円上がり、1億4000万円

その年をトップで走り抜けた9選手は、2000人以上の競輪選手のトップの称号「S級S班」として翌年1年間を過ごす。さらに「グランプリチャンピオン」となった選手は翌年1年間をチャンピオンとして過ごし、全てのレースで1番車で走ることとなる。

KEIRINグランプリ2025選考基準

以下の選考基準から出場選手9人、補欠1人が選ばれる。

・G1レース優勝者
・ 世界選手権自転車競技大会ケイリンで1位となった者
・選考用賞金獲得額上位者(同額の場合は1月〜10月開催までの平均競走得点上位者)
・選考期間は2025年1月〜11月(競輪祭最終日)
・最低出走回数40回

KEIRIN.jp:検索/資料室>Gレース等選考基準一覧表>KEIRINグランプリ

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