女子短距離
日本
第1戦同様、佐藤水菜、梅川風子、太田りゆのフルメンバーが出場する日本女子短距離。
ケイリンでは佐藤が念願の金メダルに輝き、梅川も銅メダルを獲得。日本から表彰台に2選手が登り、世界に存在感を示した。
しかし同じくオリンピックの出場枠獲得を目指すチームスプリントでは、3人が保持する日本記録の更新とはならず、「48秒442」のタイムで予選9位敗退となった。
予選敗退とはいえ、「48秒442」は日本チームが記録した過去2番目に速いタイム。コンスタントに48秒台前半を記録できるチームに成長していると言える。
梅川がインタビューで語っていたように、徐々にタイムを上げ「まずは5位あたりに食い込む」ことを目指す。
メダルの有無だけが結果ではない。こういった「オリンピックに向けた戦略」の点にもぜひご注目を。
スター選手たちを擁する「強豪国」
フランス
女子短距離にて、現世界チャンピオンを2人擁するフランス。第1戦ではスプリントのアルカンシェルを持つマチルド・グロが、同種目の予選で1位のタイムを記録しそのまま優勝。世界チャンピオンの威厳を見せつけた。
ケイリンでは佐藤に続く銀メダルを獲得。短期登録選手として日本の競輪でも活躍したグロ。第1戦のケイリンの表彰台には”競輪経験者”が並ぶ結果となった。
1kmTTのアルカンシェルを持つタキ マリー ディヴィン・クアメは、第1戦スプリントにて6位。ジュリー・ミシャウを加えたチームスプリントでは6位でフィニッシュ。オリンピック出場枠獲得圏内に位置している。
ドイツ
世界選手権・チームスプリントを2連覇しており、世界記録も保持するドイツ。
スプリント世界選手権銀メダルのリー ソフィー・フリードリッヒは、第1戦のスプリントでも銀メダルを獲得。
一方、もう1人のスター選手であるエマ・ヒンツェは個人種目での表彰台を逃している。
チームスプリントにはフリードリッヒ、ヒンツェ、ポーリン・グラボッシュのトリオに若手のアレッサ カトリオナ・プロップスターが加わった4人体制で出場。予選・準決勝・決勝でメンバーを交代し、見事金メダルを手にした。
中国
東京2020オリンピックまで実施されていた2人制のチームスプリントでは世界記録を保持していた中国。オランダの元スター選手であるテオ・ボスがコーチに加わり、3人制への変更後も『2022世界選手権トラック』で銀メダルを獲得し強さを維持している。
第1戦のチームスプリントでもドイツ同様、バオ・シャンジュー(鲍珊菊)、グオ・ユーファン(郭裕芳)、ユアン・リインの世界選手権メンバーにチャン・ウェイを加えた4人体制で出場し銀メダルを獲得している。
特にグオ・ユーファンは、『2022世界選手権トラック』にて500mTTの銅メダルを獲得している選手。個人種目でも表彰台獲得を狙う。
イギリス
『2022世界選手権トラック』でもチームスプリントの銅メダルを獲得したイギリスのローレン・ベル、ソフィー・ケープウェル、エマ・フィヌカンが、第1戦でも3位入賞。女子チームスプリントの上位4位は『2022世界選手権トラック』とまったく同じ並びとなった(4位はオランダ)。
ただし第2戦ではローレン・ベルがエントリーしていないため、イギリスがチームスプリントにどのように挑むかは不明。
スプリントに話を移すと、第1戦の3位決定戦はイギリスの同国勝負。ソフィー・ケープウェルを制したエマ・フィヌカンが大会2枚目の銅メダルを獲得と、国全体としてのハイレベルさを見せている。
その他の注目選手
オランダ
『2023ネーションズカップ第1戦』 | 2022年の主な成績 | |
ステフィー・ファンデルピート | スプリント15位 ケイリン13位 チームスプリント4位 |
「世界選手権」ケイリン3位 「ネーションズカップ第1戦」チームスプリント1位 「ネーションズカップ第2戦」チームスプリント2位 「ヨーロッパ選手権」チームスプリント2位 |
ヘッティ・ファンデヴォウ | スプリント5位 ケイリン6位 チームスプリント4位 |
「ネーションズカップ第1戦」チームスプリント1位 「ネーションズカップ第2戦」チームスプリント2位 「ネーションズカップ第3戦」チームスプリント2位 「ヨーロッパ選手権」チームスプリント3位 |
マーサ・バヨナ(コロンビア)
『2023ネーションズカップ第1戦』 | 2022年の主な成績 |
スプリント9位 ケイリン8位 |
「ネーションズカップ第1戦」500mTT優勝 「ネーションズカップ第1戦」ケイリン2位 「ネーションズカップ第1戦」スプリント3位 「ネーションズカップ第2戦」スプリント3位 「ネーションズカップ第3戦」500mTT・ケイリン優勝 「ネーションズカップ第3戦」スプリント2位 |
ミリアム・ヴェチェ(イタリア)
『2023ネーションズカップ第1戦』 | 2022年の主な成績 |
スプリント14位 ケイリン31位 |
「ネーションズカップ第1戦」500mTT 2位 「ネーションズカップ第2戦」500mTT 3位 |
エルレス・アンドリュース(ニュージーランド)
『2023ネーションズカップ第1戦』 | 2022年の主な成績 |
スプリント16位 ケイリン4位 チームスプリント8位 |
「ネーションズカップ第3戦」ケイリン2位 「ネーションズカップ第3戦」スプリント3位 「コモンウェルスゲームズ」ケイリン・スプリント・チームスプリント優勝 |
ウルスラ・ロス(ポーランド)
『2023ネーションズカップ第1戦』 | 2022年の主な成績 |
スプリント14位 チームスプリント5位 |
「UECヨーロッパ選手権」ケイリン2位 「UECヨーロッパ選手権」チームスプリント3位 |
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2022年に開催された主要大会のメダリストは以下記事をチェック
『2022世界選手権トラック』
『2022ネーションズカップ第1戦』, 『2022ネーションズカップ第2戦』, 『2022ネーションズカップ第3戦』
『2022コモンウェルスゲームズ』
『2022 UECヨーロッパ選手権トラック』
『2023 UECヨーロッパ選手権トラック』
『2022トラックチャンピオンズリーグ』