10月22日から26日にかけてチリ・サンティアゴで開催される『2025世界選手権トラック』。年に1度、トラック競技の「世界No.1」を決定する大会だ。
日本にとっては、2024年に手にしたアルカンシェルの防衛、そして更なるメダルの獲得が目標となる。

本記事では大会公式サイトより公開されたエントリーリストを基に、本大会「短距離種目」の注目選手を紹介していく。

エントリーリスト(2025年10月1日版)

短距離 実施種目
1kmTT、スプリント、ケイリン、チームスプリント

男子 注目選手

ハリー・ラブレイセン(オランダ)

エントリー種目:スプリント / ケイリン / 1kmTT / チームスプリント

最注目はやはりハリー・ラブレイセン。男子短距離の絶対王者として長年君臨しているスプリンターだ。
『パリ2024オリンピック』では全3種目完全制覇を成し遂げ、『2024世界選手権トラック』でも山﨑賢人が制したケイリンを除く、3種目での優勝を達成した。

サンティアゴでは前回大会で成し得なかった全4種目制覇を狙う。

(左から)ジェフリー・ホーフラント、ハリー・ラブレイセン、太田海也

チームスプリントの布陣はジェフリー・ホーフラントとロイ・バンデンバーグとの“銀河系トリオ”。
ジェフリー・ホーフラントは、ラブレイセンとともに全4種目へエントリーしている。

マシュー・リチャードソン(イギリス)

エントリー種目:スプリント / ケイリン / チームスプリント

2024年にオーストラリアからイギリスへ移籍したことで、『2024世界選手権トラック』へは出場できていなかった最速スプリンターの1人。

イギリス代表として出場可能になった2025年には、トルコ・コンヤで開催された『2025ネーションズカップ』スプリント・チームスプリントで2冠を達成。スプリントではパリ五輪でラブレイセンが記録した200mFTTの世界記録を更新

さらに8月には自身の世界記録を超えるべく、200mFTTの計測を同じくトルコ・コンヤで実施。見事「8秒.941」の世界新記録を叩き出し、“人類初”の8秒台に到達した。

ラブレイセンが『2025ネーションズカップ』への出場を見送ったことで、2年ぶりに2人が集結する世界選手権となる。ラブレイセンとともに表彰台争いへ確実に絡んでくる1人だ。

(左から)ハリー・レンディンガム ホーン、マシュー・リチャードソン、ライアン・エラル

その他、チームスプリントへはリチャードソンを含む『2025ネーションズカップ』優勝メンバーでエントリーしているイギリスチーム。チームスプリントメンバーであり、同大会でスプリント銀メダルに輝いたハリー・レンディンガム ホーンも、スプリント・ケイリンにエントリーしている。

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フランス、コロンビア…その他の注目選手

(左から)ミカイル・ヤコフレフ、山﨑賢人、ケビン・キンテロ

オランダ・イギリス勢に加え、男子短距離には表彰台を複数回獲得している強豪選手が数多くいる。

2023世界選手権トラック』男子ケイリンでリチャードソンや中野慎詞を破り、アルカンシェルを獲得したケビン・キンテロ(コロンビア)。『2024世界選手権トラック』でもケイリンで銅メダルを獲得し、コロンビアを牽引し続けている。

セバスチャン・ビジエやライアン・エラルを有するフランス勢も、スプリント、ケイリン、チームスプリントの3種目で日本の強敵になり得る相手だ。

その他、イスラエルのミカイル・ヤコフレフや、トリニダード・トバゴのニコラス・ポールなどの実力者もエントリーリストに名を連ねている。

女子注目選手

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