2025年3月14日、トルコの古都コンヤにて開幕した『2025ネーションズカップ』。
大会初日に行われた男子チームスプリントは、イギリスが優勝。日本チームはパリオリンピックで出した日本記録を更新し、銀メダルを獲得。レースの模様をお届けする。
男子チームスプリント
男子チームスプリントには、全16チームが出場。
1日で予選→1回戦→順位決定戦を一気に行うスケジュール。
予選上位8チームが1回戦へと進み、その結果・タイムをもって、上位4チームが順位決定戦へと進出する流れとなる。
日本は、長迫吉拓、太田海也、小原佑太の布陣でエントリー。
アジア選手権優勝メンバーから3走(中野慎詞)を変更し、パリオリンピックと同じメンバーでレースに臨む。
予選 1本目から日本記録更新を期待させる走り
日本は16チーム中、13番目に出走。
レースは長迫がスタートと同時にスムーズに飛び出していくと、1周を17秒265と、予選全体のトップタイムで入り太田へ変わる。
しかしこの時に少し遅れてしまったのは小原。太田が快速を見せて暫定トップタイムを更新して小原へ交代。
理想的な交代とはならなかったものの、小原がスタミナと粘りを見せてフィニッシュすると、タイムは42秒229。日本記録にコンマ2秒と迫る好タイムで暫定トップを飾った。
しかしその後に出走したイギリスチームが41秒902で日本のタイムを更新し、予選の結果はイギリスがトップ、次いで日本、3位がオーストラリア(42秒330)という結果となった。
1回戦 パリ超えで見せた成長 日本記録を更新
1回戦はドイツチームとの対戦。
レースは長迫が17秒217と予選よりさらにタイムを上げて太田へ交代。
リードを得た日本チームは、太田がドイツを突き放して小原へ。
大きくリードを広げた日本。スピードに乗った小原がフィニッシュするとタイムは42秒007。
パリオリンピックの際に記録した42秒078を上回るタイムでフィニッシュし、日本新記録を樹立した。
1回戦での日本のタイムは全体の2位。トップタイムは予選1位だったイギリスで41秒788。エースのマシュー・リチャードソンが第2走で驚異のスピードを見せて日本との金メダル争いに勝ち上がりを決めた。
決勝戦 コンマ1秒の戦い
長迫、太田、小原と布陣を変えない日本。対してイギリスもハリー・レンディンガム ホーン、マシュー・リチャードソン、ハリー・ラドフォードと予選・1回戦と同じ陣容で臨む。
スタートの第1走の対決はほぼ互角となるが、長迫が僅差でリードして第2走の太田へ。
太田はイギリスのエース、マシュー・リチャードソンとの走りとなるが、コンマ2秒ほど相手を突き放して最終走者の小原へと代わる。
しかし太田から少し遅れての交代となった小原。
金メダル獲得に向けて最後まで走るが、両チームの差が少しつづ詰まっていってしまう。
そしてフィニッシュラインをほぼ同時に両チームが駆け抜けると、42秒060で電光掲示版に勝者と示されたのはイギリス。
日本は42秒194と最後に逆転を許し、銀メダル獲得となった。
3位決定戦はオーストラリア対フランス。
この勝負はオーストラリアが42秒352のタイムで勝利し、銅メダルを獲得した。
順位 | 所属 | 選手名 | 決勝タイム | |
1位 | イギリス | ハリー・レンディンガム ホーン マシュー・リチャードソン ハリー・ラドフォード |
Harry LEDINGHAM-HORN Harry RADFORD Matthew RICHARDSON |
42.060 |
2位 | 日本 | 長迫吉拓 小原佑太 太田海也 |
42.194 | |
3位 | オーストラリア | ダニエル・バーバー ライアン・エリオット レイ・ホフマン |
Daniel BARBER Ryan ELLIOTT Leigh HOFFMAN |
42.695 |