3月14日からエジプト・カイロで開催される『2023ネーションズカップ第2戦』。「2024パリオリンピック」への出場をかけた重要な大会だ。
この記事ではUCI公式サイトより公開されたエントリーリストから、「短距離種目」の注目選手たちをピックアップし、第1戦の結果も交えながらご紹介していく。
観戦の助けにしていただければ幸いだ。
エントリーリスト（2023年3月1日公開）
※リザーブ選手を含む
※誰がどの種目に出場するかは、大会直前に公開予定
UCI公式サイト「2023 TISSOT UCI TRACK NATIONS CUP」
短距離実施種目
スプリント、ケイリン、チームスプリント
※1kmTT / 500mTTは実施されない
出場を見送っている強豪国
（左から）レイ・ホフマン、マシュー・リチャードソン、トーマス・コーニッシュ
『2023ネーションズカップ第2戦』ではオーストラリアが出場を見送り。特に短距離では、男子チームスプリントの現世界チャンピオンであり、第1戦でも同種目を制したオーストラリアが不在となる。
しかし世界選手権常連の選手や、第1戦で活躍した選手が依然多くエントリーしている。格式の高い「ネーションズカップ」に相応しい群雄割拠な大会となる。
男子短距離
日本
日本からは第1戦と同様、山﨑賢人、小原佑太、寺崎浩平、長迫吉拓、中野慎詞、太田海也のフルメンバーが日本ナショナルチーム、チーム楽天Kドリームスよりエントリー。
（左から）太田海也、ハリー・ラブレイセン、ミカイル・ヤコフレフ
第1戦ではスプリントにて太田が銀メダルを獲得。太田・長迫・小原で挑んだチームスプリントでは、4年ぶりの日本新記録を樹立し、表彰台に迫る走りを見せている（4位）。
第2戦でもメダル獲得に期待がかかる。
スター選手たちを擁する「強豪国」
オランダ
ハリー・ラブレイセン
世界トップに君臨するオランダ。
特に世界選手権のスプリント・ケイリンにて2連覇を達成中のハリー・ラブレイセンは、2月初旬に開催されたヨーロッパ選手権に続き、『ネーションズカップ第1戦』でも同2種目を優勝。
ジェフリー・ホーフラント
1kmTTで世界選手権2連覇中のジェフリー・ホーフラントは、スプリント5位・ケイリン11位で『ネーションズカップ第1戦』を終えている。悔しさをバネに挑む第2戦では、どんな走りを見せてくれるのか要注目だ。
この2人にロイ・バンデンバーグと若手選手のタイマン・ファンルーンが加わったチームスプリントでは、2022世界選手権トラックと同じく決勝にてオーストラリアに敗れ、銀メダル。オーストラリア不在の第2戦では優勝最有力候補となる。
イスラエル
（左）ミカイル・ヤコフレフ（右）チョウ・ユー
199cm・103kgという類稀な体格を持つ若手のミカイル・ヤコフレフ。ロシア籍の選手だったが、ウクライナ情勢に伴い2022年からはイスラエル籍で大会に参加している。慣れない環境下でもトレーニングを積み、第1戦ではスプリント・ケイリンの両種目で銅メダルを獲得した。
マレーシア
ハリー・ラブレイセン、アジズルハスニ・アワン、ミカイル・ヤコフレフ
東京2022オリンピックでのケイリンで銀メダルを獲得して以降、心臓の手術のために戦線を離脱していたアジズルハスニ・アワンは、2022年冬に開催された「トラックチャンピオンズリーグ」にて国際舞台へ復帰。
復帰から1年足らずで出場した第1戦では、ケイリンにてハリー・ラブレイセンとのデッドヒートを繰り広げ銀メダルを獲得。復活というよりも、さらに進化しているような走りを披露した。
ハリー・ラブレイセン、ムハマド・シャローム、ミカイル・ヤコフレフ
第1戦のケイリンではアワンだけでなく、ムハマド・シャロームもケイリンの決勝へ進出している。2022年のコモンウェルスゲームズでもケイリンにて銅メダルを獲得している実力者だ。
フランス
ライアン・エラル
第1戦にて個人種目ではメダルを逃したものの、チームスプリントで銅メダルを獲得したフランスのセバスチャン・ビジエ、フロリアン・グレンボ、ライアン・エラルの3選手。チームスプリントの3位決定戦では、優勝したオーストラリアを上回るタイムを記録している。
セバスチャン・ビジエ
特にセバスチャン・ビジエは、第1戦・スプリントにて予選タイム4位、最終6位という結果を残している。個人でも表彰台を狙う脚を十分に持っている選手だ。
その他の注目選手
コロンビア
ケビン・キンテロ
| 『2023ネーションズカップ第1戦』 | 2022年の主な成績 | |
| ケビン・キンテロ | スプリント16位 ケイリン8位 |
「世界選手権」ケイリン3位 「ネーションズカップ第1戦」ケイリン2位 「ネーションズカップ第2戦」ケイリン1位 |
| サンティアゴ・ラミレス モラレス | スプリント16位 ケイリン25位 |
「ネーションズカップ第2戦」1kmTT 3位 「ネーションズカップ第3戦」1kmTT 2位 |
ドイツ
| 『2023ネーションズカップ第1戦』 | その他主な成績 | |
| シュテファン・ボティシャー | スプリント13位 ケイリン13位 チームスプリント6位 |
「ネーションズカップ第2戦」ケイリン3位 「ネーションズカップ第2戦」チームスプリント3位 |
| マキシミリアン・ドルンバッハ | スプリント19位 チームスプリント6位 |
「ネーションズカップ第3戦」1kmTT 1位 |
ジャック・カーリン（イギリス）
ジャック・カーリン
| 『2023ネーションズカップ第1戦』 | 2022年の主な成績 |
| スプリント12位 ケイリン25位 チームスプリント5位 |
「世界選手権」チームスプリント 3位 「ネーションズカップ第2戦」スプリント3位 「コモンウェルスゲームズ」ケイリン2位 「コモンウェルスゲームズ」スプリント3位 |
ニコラス・ポール（トリニダード・トバゴ）
主な成績
| 大会 | 成績 |
| 2022ネーションズカップ第3戦 | スプリント・ケイリン優勝 |
| 2022コモンウェルスゲームズ | ケイリン優勝 スプリント2位 1kmTT3位 |
| 2021世界選手権 | 1kmTT2位 |
2019年より、男子200mFTTの世界記録（9秒100）を保持し続けるニコラス・ポールだが、2022年の怪我により同年の世界選手権や招待を受けたトラックチャンピオンズリーグなどへは悔しくも欠場。
『2023ネーションズカップ第2戦』が復帰戦となる。
