2022年春、UCIネーションズカップの第1・2戦がイギリス・グラスゴーカナダ・ミルトンにて実施された。絶対王者の実力や若手選手の台頭、そして地元選手の活躍などが目立った。

そして2022年7月7日〜10日、シリーズ最終の第3戦がコロンビア・カリにて開催予定となっている。コロンビアは今シーズンのネーションズカップで活躍している国の1つ。特に短距離では、2大会で男女合計8枚のメダルを獲得している。

本記事では、ネーションズカップ第1・2戦で活躍したコロンビア人選手をピックアップしてご紹介。そしてなぜ、コロンビアがトラック競技で好成績を残しているのか、その要因にも迫っていく。

コロンビア・カリにて開催されるネーションズカップに向け、ぜひ注目していただきたい。

ネーションズカップ第2戦 メダリスト一覧/カナダ・ミルトン

ケビン・キンテロ

ケビン・キンテロ QUINTERO CHAVARRO Kevin Santiago, COL, マシュー・リチャードソン RICHARDSON Matthew, AUS, シュテファン・ボティシャー BOTTICHER Stefan, GER, Men's Keirin, 2022 Track Nations Cup, Milton, Canada

(左から)マシュー・リチャードソン、ケビン・キンテロ、シュテファン・ボティシャー

1998年10月生まれ、23歳の選手。コロンビア中西部のパルミラ出身。ネーションズカップ第3戦が開催されるカリ周辺の都市だ。

ジュニア時代からトラック短距離種目の選手として活動しており、パン・アメリカ大陸選手権などで活躍。

エリートカテゴリーへと移行した後も、国内選手権、パン・アメリカ大陸選手権、そしてトラックワールドカップに出場しメダルを獲得している。

東京2020オリンピックではケイリンにて、脇本雄太らと同じ7-12位の順位決定戦に進出した。

その活躍と実力が評価され、初開催となった「トラックチャンピオンズリーグ」にも招待されたケビン・キンテロ。第2戦のスプリントでは3位に入るなど、世界最高峰の選手のみが集まる舞台でも結果を残している。

そして迎えた2022年ネーションズカップ。第1戦ではケイリンにてハリー・ラブレイセンに次ぐ銀メダル第2戦では金メダルを獲得しリベンジを果たした。

直近の成績

2021年 ネーションズカップ(サンクトペテルブルク) スプリント 優勝
ネーションズカップ(カリ) スプリント 2位
ケイリン 2位
チームスプリント 2位
パン・アメリカ大陸選手権 スプリント 優勝
ケイリン 優勝
1kmTT 優勝
チームスプリント 優勝
トラックチャンピオンズリーグ(パネヴェジース) スプリント 3位
2022 ネーションズカップ(グラスゴー) ケイリン 2位
ネーションズカップ(ミルトン) ケイリン 優勝

参照:UCI Ranking

サンティアゴ・ラミレス モラレス

1994年7月生まれ、27歳の中堅選手。東京2020オリンピックへの出場はならなかったものの、リオオリンピック(2016)ではトラック短距離男子のコロンビア代表を務めている。

20歳ごろから既にパン・アメリカ大陸選手権などで表彰台を獲得しており、約10年もの間、コロンビアのトラック競技を牽引してきた。

4歳差であるケビン・キンテロがエリートカテゴリーで走るようになって以来、国内選手権、パン・アメリカ大陸選手権ではこの2人によって金メダルが争われることもしばしば。

2022年ネーションズカップ第2戦では、1kmTTで銅メダル獲得を果たしている。

直近の成績

2021年 パン・アメリカ大陸選手権 スプリント 2位
ケイリン 2位
1kmTT 2位
チームスプリント 優勝
ネーションズカップ(カリ) ケイリン 3位
1kmTT 3位
国内選手権 スプリント 2位
ケイリン 優勝
1kmTT 優勝
2022年 ネーションズカップ(ミルトン) 1kmTT 3位

参照:UCI Ranking

クリスティアン・オルテガ

クリスティアン・オルテガ ORTEGA FONTALVO Cristian David, COL, メルビン・ランデルニュー LANDERNEAU Melvin, FRA, アレハンドロ・マルティネス チョロ MARTINEZ CHORRO Alejandro, ESP, Men's 1kmTT, 2022 Track Nations Cup, Glasgow, Great Britain

(左から)メルビン・ランデルニュー、クリスティアン・オルテガ、アレハンドロ・マルティネス チョロ

2000年9月生まれ、21歳の若手選手。U23カテゴリーで出場した2021年パン・アメリカ大陸選手権では、スプリント・ケイリンの2冠を達成。

国内選手権ではエリートカテゴリーに出場し、ケビン・キンテロやサンティアゴ・ラミレスに次ぐ結果を残している。

2022年のネーションズカップでは第1戦・1kmTTに出場し、金メダルを獲得。さらなる活躍へ期待を集める存在だ。

直近の成績

2021年 国内選手権 スプリント 3位
ケイリン 2位
1kmTT 3位
パン・アメリカ大陸選手権U23 スプリント 優勝
ケイリン 優勝
2022年 ネーションズカップ(グラスゴー) 1kmTT 優勝

参照:UCI Ranking , Pan-American Games公式サイト

マーサ・バヨナ

エマ・ヒンツェ HINZE Emma, GER, ケルシー・ミシェル MITCHELL Kelsey, CAN, マーサ・バヨナ BAYONA PINEDA Martha, COL, Women's Sprint, 2022 Track Nations Cup, Milton, Canada

(左から)ケルシー・ミシェル、エマ・ヒンツェ、マーサ・バヨナ

1995年8月生まれ、26歳の短距離選手。

10代の頃には既に、パン・アメリカ大陸選手権チームスプリントにて優勝しており、その後も国内選手権、パン・アメリカ大陸選手権やトラックワールドカップで表彰台を獲得してきた。

2021年のネーションズカップでは6枚の金メダルを獲得。そのうち、自国開催(カリ)では短距離種目で4冠を達成した。同年の国内選手権でも短距離個人3種目を制覇。

トラックチャンピオンズリーグにも招待され、世界最高峰の選手が集結するなか優勝(1位)こそできなかったものの、3位以内に複数回入る活躍を見せた。

そして挑んだ2022年ネーションズカップ。第1戦では短距離個人3種目に出場し、金を含むメダル3枚を獲得(金銀銅1枚ずつ)。続く第2戦でもスプリントにて3位の結果を残した。

そんなマーサ・バヨナは日本ナショナルチームの小林優香が、過去のインタビューにて「印象に残った選手」として名前を挙げた1人でもある。2人は1歳違いで同世代と呼べる選手同士だ。

自国開催となる第3戦ではどんな走りを見せてくれるのか、要注目だ。

直近の成績

2021年 ネーションズカップ(サンクトペテルブルク) ケイリン 優勝
500mTT 優勝
ネーションズカップ(カリ) スプリント 優勝
ケイリン 優勝
500mTT 優勝
チームスプリント 優勝
パン・アメリカ大陸選手権 スプリント 優勝
ケイリン 2位
500mTT 優勝
チームスプリント 2位
国内選手権 スプリント 優勝
ケイリン 優勝
500mTT 優勝
チャンピオンズリーグ(マヨルカ) ケイリン 3位
チャンピオンズリーグ(ロンドン) ケイリン 2位
チャンピオンズリーグ(ロンドン) ケイリン 3位
2022年 ネーションズカップ(グラスゴー) スプリント 3位
ケイリン 2位
500mTT 優勝
ネーションズカップ(ミルトン) スプリント 3位

参照:UCI Ranking

実は自転車競技大国!?コロンビア

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