パリオリンピックが終わり、自転車トラック競技の強化もひと段落となった。しかし息つく暇なく、次は2028年ロサンゼルスオリンピックに向けた強化が始まる。

この記事では、2024年8月時点で登録されている育成対象選手である「ナショナルチーム強化指定B」の選手たちを紹介していく。この先の4年の間でさらに加入する者、チームを去る者もいるだろうが、この中からロサンゼルスの地を踏む選手が出る可能性は高いと言える。

【短距離】

中石湊

なかいし・みなと

2004年生まれ、大阪出身、北海道所属の競輪選手。ジュニア時代からトラック日本代表として活躍し、1kmTTが得意。なお競輪選手デビュー後は山﨑賢人リスペクトでアフロヘアになっている。

阿部英斗

あべ・あやと

2004年生まれ、福岡県所属の競輪選手。ジュニア時代から日本代表として活躍していたものの、日本競輪選手養成所在所中は「競輪が大好きだから、トラック競技は考え中」としていた。しかし卒業時には改めてナショナルチームで活動することを決意、競輪と競技の二足のわらじに邁進する。

森田一郎

もりた・いちろう

2001年生まれ、埼玉所属の競輪選手。高校から大学まで自転車競技を行い、日本競輪選手養成所に入所。卒業記念レースで優勝し、ナショナルチーム入りも果たした。

なお中石・阿部・森田は日本競輪選手養成所の125回生で同期となる。

三神遼矢

みかみ・りょうや

2002年生まれ、福島県所属。高校・大学と自転車競技で活躍し、ジュニア日本代表としても活動。2024年現在競輪選手養成所に在所中(127回生)で、2025年春にプロ競輪選手としてデビュー予定。

高橋奏多

左:高橋奏多

たかはし・かなた

2006年生まれ。小学生からBMXレーシングをやってきたが、2023年にトラックに転向。2024世界選手権(ジュニア)にてケイリン銀メダルを獲得した。

BMX出身の長迫吉拓、酒井亜樹などと同じくスタートダッシュの速さに期待がかかる。

酒井亜樹

さかい・あき

2001年生まれ、大阪出身。BMXレーシング出身で、元日本チャンピオンでもある。BMX仕込みのスタートダッシュ力が強みで、トラック競技に転向後、たった3ヶ月で日本記録を4回塗り替えた。2024年現在は日本競輪選手養成所に在所中。2025年春にプロ競輪選手としてデビュー予定。

なお三神遼矢・酒井亜樹は日本競輪選手養成所の同期(127・128回生)。酒井は第1回記録会でゴールデンキャップを獲得している。

小原乃亜

右:小原乃亜

おばら・のあ

2002年生まれ、八戸学院大所属(2004年現在4年生)。高校・大学と自転車競技で活動し、2024年にナショナルチームに選出された。5月に行われたジャパントラックカップでは太田りゆを破ってスプリント3位に入ったことも。

【中長距離】

河野翔輝

かわの・しょうき

2000年生まれ、チームブリヂストンサイクリング所属。高校・大学と自転車競技で活動し、大学卒業とほぼ同じタイミングでブリヂストン、そしてナショナルチームに加入した。2022年にはスクラッチで全日本チャンピオンになっている。

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山本哲央

やまもと・てつお

2000年生まれ、チームブリヂストンサイクリング所属。高校時代に登下校にロードバイクを使ったことをきっかけに自力で自転車部を立ち上げて高校選抜ロードレースで優勝した「リアル弱ペダ男」。2024年ジャパントラックカップでは残り1周でラップしてポイントレースを制するなど、力をつけつつある。

「徐々にサイボーグ化している」とまことしやかに囁かれている。

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水谷彩奈

みずたに・あやな

2005年生まれ。ジュニア時代から日本代表として国際レースに参加し、2023ジュニア世界選手権エリミネーション銅メダリスト。主軸は中長距離種目だが、エリートとして初参加した2024アジア選手権ではケイリンにも出走している。

岡本美咲

おかもと・みさき

2005年生まれ。ジュニア時代から日本代表として活躍し、2023ジュニアアジア選手権ではスクラッチ、エリミネーション、ポイントレースで3冠を達成。同年のジュニア世界選手権ではオムニアムで銅メダル獲得と、安定した強さを見せている。

JCF強化指定選手一覧(2024年4月1日更新)に基づく