山本哲夫がラップ合戦の末、遂に表彰台のトップへと輝いた。『2024ジャパントラックカップII』男子ポイントレースのレポートをお伝えする。
2024年5月9日(木)より伊豆ベロドロームで開催されている自転車トラック競技の国際レース『2024ジャパントラックカップ』。大会4日目はジャパントラックカップ「Ⅱ」として男子ポイントレース種目が実施された。
男子ポイントレース
10周ごとのスプリント周回で、1着に5ポイント、2着に3ポイント、3着に2ポイント、4着に1ポイントが与えられ、ラップによる20ポイント加算も可能。120周30km、12回のスプリント周回で行われる。
オープニングアタックはジョシュ・ダフィー(Ccache x Par Küp)。序盤から高速レースが始まる。ダフィーは追走グループに吸収されると、兒島直樹がまず最初のポイントを獲得する。続く2回目のポイント周回も兒島が1着5ポイントを獲得し、調子の良さを見せていく。
3回目のポイント周回を前にアタックを仕掛けたのは日本大学の新井敬太。山本哲央が追いかけると、山本、新井、2人に合流した今村駿介が逃げ集団を形成し、今村が3回目のポイント周回を1着で通過する。次のポイント周回でも再び今村が1着5ポイントを獲得し、これによって今村と兒島が同点(10ポイント)のポイントリーダーとなる。
直後に先行していた8人の選手(ミン・キョンホ、モウ・チンイン、グレアム・フリズリー、ジェームス・モリアティー、ヤン・ヤン、今村、山本、新井)が+1ラップ(※メイン集団を追い抜くこと)を成功させ20ポイントを獲得。ここからラップ合戦の幕が上がった。
ラップとタイミングを同じくして窪木一茂とコーナー・リーヒー(Ccache x Par Küp)がアタック。兒島もこれに合流し、5回目のポイント周回後に+1ラップを成功させる。さらにこの3人を追走していた山本、今村が6回目のポイント周回後に+1ラップ。続いて7回目のポイント周回後にリーヒー、モリアティー、窪木が+1ラップ。
ラップ合戦が一旦落ち着いたと見えたが、今度は兒島がアタック。8回目のポイント周回を1位で通過し、その勢いのまま+1ラップを成功させ、一気に25ポイントを加算して暫定2位まで順位を上げる。
残り40周を切って、暫定順位は以下の通り:
今村駿介 | 64 |
兒島直樹 | 61 |
山本哲央 | 55 |
しかし!
窪木、今村、山本の3人が抜け出すと三たび+1ラップ。兒島は順位を落とすこととなる。目まぐるしく先頭が入れ替わり、いよいよ難解なレースとなってきてしまった(筆者はこの辺りで訳がわからなくなり、リアルタイム観戦での記事作成は諦め、後でレース動画を一時停止しながら記事を作ることにした)。
今村駿介 | 89 |
山本哲央 | 75 |
窪木一茂 | 64 |
11回目のポイント周回では窪木が単独で飛び出し、1着5ポイントを獲得。最終スプリントを前にしたポイント上位は以下の3人。
今村駿介 | 92 |
山本哲央 | 76 |
窪木一茂 | 69 |
今村が他勢を突き放すポイント数を稼いでいたため、(普通に考えれば)ゴールスプリントの倍点(1着が10ポイントとなる)を踏まえてもなかなか逆転は難しいところ。しかしこのレースの恐ろしいところは、あと10周という局面でさらにラップが起こっている点だった。
残り3周でモリアティーが+1ラップ、そして残り1周の鐘が鳴った後に逃げていた山本と河野翔輝が+1ラップに成功。さらに山本には最終着順1着で+10ポイントも認められ、一気に30ポイントを獲得。最終着順5着だった今村にはポイント追加がなかったため、山本が最後の1周でスーパー大逆転を見せる結果となった。
順位 | 選手名 | 所属 | ポイント | |
1位 | 山本哲央 | BGT | 106 | |
2位 | 今村駿介 | JPN | 92 | |
3位 | 窪木一茂 | JPN | 71 |