27日からいよいよ始まる世界選手権大会。オリンピック出場のために重要な年に一度の大会だということは、以前から様々な形でお伝えしてきた。そして、今年はSPEEDチャンネルで生中継も行われる。

・・・えっ?どこに注目して観ると良いかって?

確かに5日間、男女合わせて全16種目もあるとなると、何に注目すべきかは難しいところ。ということで、More CADENCE編集長お勧めの観戦ポイントを紹介しよう。これを読めば事前調査を行ったも同然だ!

※日付などは全てポーランド現地時間で表記

初日(2月27日):男子チームスプリント

注目種目

① 男子チームスプリント
② 男女チームパシュート

① 男子チームスプリント

初日には男女のチームスプリントが決勝まで行われる。日本からは男子のみが出場。

Final / Men's Team Sprint / Track Cycling World Cup VI / Hong-Kong

43秒台を出せるか

日本チームの出場メンバーは、これまでのワールドカップ成績から予想すると、雨谷一樹新田祐大深谷知広の3人。

チームとしての目標は43秒台のタイムを出すこと、そして8位までに入ることだろう。

優勝タイムは42秒前半が予想される。正直このタイムは日本チームにとって、まだまだ厳しい。ただし、来シーズンの戦いを少しでも楽にするために、この世界選手権を1つでも上の順位で終え、ポイントを稼いでおくことが必要だ。

2019年に入ってから、アジア選手権の優勝、そしてワールドカップ第6戦の2位で日本男子のオリンピックランキングは25位→6位と上位へ大きくジャンプアップを遂げた。このランキング上位を死守することが出来るかどうか、が今回の見所になるだろう。

チームスプリントはお得な特典付き

またこの種目でオリンピック出場権を獲得すると、もれなく個人種目のケイリンスプリントでオリンピックの出場2枠ずつを得ることができる“特典”もあり、その点でも重要な種目となる。

オランダ1強時代

そしてオランダチームがどこまでタイムを伸ばしてくるのかも見所。テオ・ボスが先日記事内で語ってくれたように、現在はオランダの1強時代。42秒台の前半・・・いや、もしかしたら41秒台が出るかも?

② 男女チームパシュート

Qualifying / Women's Team Pursuit / Track Cycling World Cup VI / Hong-Kong

1枠で2種目分!

チームパシュートは、中長距離にとって本当に大事!

それは何故か?チームスプリントと同じく“特典”が付いてくるからだ。

チームパシュートでオリンピック出場枠を得ると、もれなくマディソンの出場枠が1つ付いてくる。

短距離はどちらかと言えば個人種目に力を入れているが、これまで中長距離で日本が最も力を入れてきた種目はチームパシュート。ここまで日本の世界ランキングは男子が25位、女子13位と、昨シーズンのメダルラッシュを考えると寂しい状態ではある。

世界への逆襲

しかし昨シーズン記録した男女の日本記録は男子が3分57秒801、女子が4分22秒138。持ちタイムではワールドカップでも上位5チームに入ることは可能なタイムであり、その実力を持っているのが日本チームだ。

今シーズンはその実力を発揮できていないのも事実。『最初のスピードを上げていく』という試みをしている上で、チームがなかなか上手く走れていない印象を受ける。だが、繰り返しになるが、選手たちは上記の日本記録を走る実力はある。その実力を発揮すれば8位以内に入る(1回戦に上がる)ことは問題ないはずだ。

初日に行われる男子のチームパシュートは1回戦まで、女子は予選のみ(勝ちあがりは予選→1回戦→メダル決定戦の順)が行われる。今シーズン悔しい想いをしてきた選手やイアン・メルビンヘッドコーチによる世界への逆襲の狼煙が上がるのかどうか。それが見所となる。

イギリス&オーストラリアに注目

そして世界に目を向けるとイギリス・オーストラリア、この2チームがタイムをどこまで伸ばしてくるのかに注目。年々タイムが伸びていくこの種目では、コンディションを完全に仕上げてくる世界選手権で、男女ともに世界記録を更新してきた歴史がある。今大会ではどうなるのか。

2日目(2月28日)