6月3日から防府競輪場を皮切りについに始まる『競輪ワールドシリーズ2026』。More CADENCEではこれまでに選手たちのプロフィールやインタビュー、そして競走訓練の様子を紹介してきたが、この記事では日本の競輪ならではの“鉄フレーム”に乗った後の男子選手3人のコメントを紹介する。
※オリンピックなどの自転車競技は「カーボンフレーム」が採用され、日本の競輪では鉄フレーム(男子のみ)が採用されている。選手に聞くと、両者は同じように見えても全くの別物という※
ジョセフ・トゥルーマン(イギリス)「古性選手ともう1度組みたい」
Q:競走訓練はどうでした?
本当に楽しみにしていたレースだったので、とても楽しかったです。1本目は人生でも最も長い先行を試してみました。2本目は勝てましたし、3本目は古性優作選手(大阪支部所属)が後ろに付いてくれたのですが、他のことを試してみたところ、上手くいきませんでした。少しずつ7年前の体験を思い出している感じです。
Q:古性選手からはレース前に何か言われましたか?
「自分のレースをしてくれ」と言われました。もっと良いレースができたらよかったですが、競輪のレジェンドである選手が自分を追ってくることは、すごく嬉しかったです。古性選手が自分を信頼してくれたのは本当にうれしいことでした。
Q:じゃあ、もし本格的に日本語を勉強して日本の競輪を走るとしたら、登録は大阪になりそうですね。
また彼と一緒に走りたいです。あっ!この部分はちゃんと記載してくださいね(笑)

遠くない未来で古性選手とラインを組み、走る姿が見れるかも…?
Q:わかりました(笑)もう1つ質問です。鉄製の自転車とカーボン製の自転車で違いを感じましたか?
もちろんです。カーボンバイクとは確かに感じが違いますね。
Q:どの辺りでしょう?全力を出しきるのは難しいですか?
鉄のフレームの特徴としては一気に出力をかけないことでしょうか。スムーズに踏むことだと思うんです。85%くらいで徐々に上げていきます。0から100じゃなく、0→50→70そして100%という感じで踏んでいきます。
また自分は背が高いので自転車もかなり大きくなります。だから他の自転車よりもフレームに柔軟性があるように感じます。もっと小さい自転車に乗らないと比べようはありませんが…。

手前がトゥルーマン選手の自転車
マシュー・リチャードソン(イギリス)「変化は経験済」
Q:何本目かには、かなり「競輪」をする内容のレースがありましたね。
すごいカオスなレースがありましたよね。自分が経験するべきレースの1つですから、それはそれで良かったです。今回の競走訓練で実際の競輪に少しでも近い状況を経験できて良かったです。ここで経験しておいて、大きなレースでどう対応すべきかを知っておくほうが、何も経験せずに臨むよりずっと良いですから。
Q:気になった点などはありましたか?
自分の走行ラインを守ろうとしたレースがあったのですが、他の選手が私を押しのけようとしてきた時がありました。なので自分の位置をしっかりキープしようとしましたね。それなりに上手くできたと思います。
Q:競られて何か恐怖や不安を感じましたか?
特に普段のスピードでは感じませんでしたが、トップスピードで走っている時は、少し怖さを感じます。でもとにかく注意深く、できるだけ早めに仕掛けて選手たちをかわしていくように意識しています。
Q:「先攻」も試していましたね?
かなり厳しかったです。でも、やる必要がありました。どんな感じか実際に体験してみたくて…結果的に良かったと思います。僕の先行によってラブレイセンが勝ちましたからね。
Q:早速日本人の競輪選手のようなコメントですね(笑)もう鉄のバイクにも慣れてきましたか?
まだちょっと難しいですね。思ったより反応が大きいと言いますか。訓練中にちょっとふらっと動いてしまうこともあり…その点には気をつけないといけません。もっと乗り込めれば慣れてくると思います。
以前オーストラリアのアルゴンバイクから、イギリスのホープバイクに乗り換えた時に似たような経験があったんです。乗り換える前よりずっと神経質な感じがして。トレーニングで約2週間かけてようやく慣れてきました。慣れるまでは200mフライングタイムトライアルをやっている最中に、トラックから落ちそうになったこともあります。だから、このバイクも似たようなものだと思いますが、いずれ慣れると思います。
ハリー・ラブレイセン(オランダ)「80~90%の力でロングスプリント」
Q:競走訓練の感想はどうでした?
とても楽しかったですが予想していた以上に、僕が普段慣れ親しんでいるものとはあまりにも違いました。だから、こうしたトレーニングレースをやれて本当に嬉しいです。ギアや自転車の関係で、戦術的な要素がUCIのレースよりもずっと多くなると思います。UCIのレースでは、ただ全力を出して前に出るだけですが、競輪の条件では正しいタイミングで動く必要がありそうですね。
Q:実際に感じた違いは具体的にどういった点でしょう?
まずトップスピードに到達するまでに時間が掛かるので、スプリントの時間が長いです。訓練中のあるレースではかなり早めに仕掛けてしまって、2着になってしまいました。もう少し待つべきでしたね。
Q:鉄のフレームはどうですか?
他のみんなが同じ物に乗っていることが条件という中だと面白いです。あとは力の入れ方に気を付けないといけないですね。100%で行くというよりは80%から90%で長めにスプリントしていくイメージです。
Q:何本か走ってみて感覚を得た形でしょうか?
そうですね。何本も走って全てが異なるシナリオの中ではありましたが、いろいろと試すことができました。最後の1本は楽しく走れたと思います。
各選手のプロフィールや、ロングインタビュー記事などはこちらから
「競輪ワールドシリーズ」とは?
1982年より「国際競輪」としてスタート、2009年より「短期登録制度」として行われていた外国人選手招聘レース。新型コロナウイルス感染症の影響などもあり2020年度以降中断されていたが、7年の時を経て復活する。
2026年6月より実施
「競輪ワールドシリーズ」として、2026年6月から8月にかけて10節が実施される予定の外国人選手招聘レース。男女それぞれ3名ずつが招聘され、男子は「G3又はF1」、女子は「F1」に出場することとなる。
2026年8月6日(木)〜9日(日)にかけては和歌山競輪場にて「ワールドサイクリスト支援競輪」が開催。女子選手はこの開催内で単発レースが行われる予定。
招聘選手一覧:
ハリー・ラブレイセン
マシュー・リチャードソン
ジョセフ・トルーマン
ヘティ・ファンデルワウ
マチルド・グロ
エレセ・アンドルーズ




