では2022年3月3日、『日本競輪選手養成所(JIK)』の卒業式が行われた。2021年度に在所していた第121・122回生たちの、約1年間の寮・訓練生活の締めくくりとなった。

More CADENCEではこれまで、第121回生のうち自転車競技ナショナルチームで活動していた村田祐樹、荒川仁、一丸尚伍、近谷涼に折に触れインタビューを行ってきた。

卒業式を終えた彼らは、養成所の締めくくりとしてどんなことを語ってくれるのか。

▶︎入所式(2021年5月)
未来の競輪界を担う、W杯メダリスト近谷涼ら90人が入所

▶︎第1回記録会(2021年6月)
村田祐樹ゴールデンキャップ獲得 トラック選手たちへのインタビュー

▶︎第2回記録会(2021年9月)
【史上最多】中野慎詞、太田海也ら8人がゴールデンキャップ獲得

▶︎第1回トーナメント競走(2021年11月)
【候補生インタビュー】2日間にわたる勝ち上がり戦の結果、どう捉える?

▶︎第3回記録会(2022年1月)
【インタビュー】8人がゴールデンキャップ獲得!

近谷涼

Q:卒業おめでとうございます。今のお気持ちは?

卒業式が終わったばかりでまだ実感がないのですが、プロの競輪選手としてのスタートラインに立った気持ちです。

Q:外に出たらまず何がしたいですか?

地域のお世話になっている方々に顔を見せて、挨拶回りをしたいなと思っています。三島に住んでいるのですが、普段からお惣菜屋さんとかマッサージ屋さんとかにお世話になっていますので。

Q:養成所で印象に残るエピソードをひとつ教えてください。

ワットバイク大会です。ロードトレーニングが雨で中止になって、その代わりに実施されたものでした。

組対抗で行われたんですが、その時の僕たち7組が、かなりガチで挑んだんです。

全力で走って、1人あたり5〜7分で交代していくのですけれど、終わって崩れ落ちたり、他のメンバーに足のバンドを外してもらって担がれて降りたり……吐く一歩手前くらいまで追い込みました。他のどの記録会よりも全力で応援しましたね。

あの時の組のみんなの熱意と言いますか……それが一番印象的です。

Q:それはなぜそこまで……?

「みんなで絶対勝とうぜ」って感じになっていましたね。そういう熱意のあるメンバーが7組に多かったんです。本気の戦いでした。

Q:養成所生活を一言で表すとすると、何になりますか?

「成長できる場所」ですかね。いろんな面でそんな感じでした。

喜怒哀楽をすごく味わえたな、と感じます。集団生活ですから、やっぱり喧嘩もしますし、でも良きライバルでもあります。食事やお風呂場では楽しく過ごして……記録会でタイムが出せなくて悔しかったり、競走訓練で負けて悔しかったり。本当にいろんな感情を味わった場所でした。

Q:なんか、青春ですね。

ほんと青春です。いろんなことがありました。

Q:競輪選手になるにあたって、まず叶えたい目標は?

短期的な目標でいうなら、S級に早く上がることです。長期的な目標は、G1のタイトルを獲ること。

とにかくひとつでも上のステージで走っていきたいです。A級3班からスタートしますけれど、どんどん上がっていきたいなと思っています。

Q:では最後に、近谷さんのことを知らない競輪ファンの方々に、自分がどんな選手かPRしていただけますか。

自分は中長距離メインで、競技を長くやってきました。地脚があることが強みです。それを活かしたレースをしていきたいと思っていますので、ご注目いただけたら嬉しいです。

一丸尚伍

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