7年ぶりに海外からの選手たちが参戦している「競輪ワールドシリーズ2026」。今年の6月に復活を果たし、いよいよ後半戦を迎えている中、和歌山競輪場で8月6日~9日の間、G3「ワールドサイクリスト支援競輪」として第7ラウンドが実施された。
今開催、男子のレースにはハリー・ラブレイセン(オランダ)&ジョセフ・トゥルーマン(イギリス)が出走。本来は3人のはずであったが、第6ラウンドでマシュー・リチャードソン(イギリス)が落車し、第7シリーズからのレース出走が全てキャンセルとなった。
レース前のトゥルーマン
ラブレイセン
女子は最終日の一発決勝のみ。このレースに今シリーズでは3人での出走が初となるエレセ・アンドルーズ(ニュージーランド)、ヘティ・ファンデルワウ(オランダ)、マチルド・グロ(フランス)の短期登録の3人が名を連ねた。
アンドルーズ
ファンデルワウ
グロ
【男子】決勝までの道のり 怪物ラブレイセンの本領発揮
ハリー・ラブレイセンの“怪物”ぶりが今シリーズを含めて初めて発揮された、そう思える勝ち上がりを見せてラブレイセンが最終日までの3日間は全て大差の勝利を収めてきた。この開催が始まる前は「9車でのレースは初めてなので苦戦するのでは?」などの声も聞こえてきたが、蓋を開けてみると圧勝劇の連続。レースの模様は以下の連日のハイライト動画を確認していただきたい。
後ろから仕掛けて全員を置き去りにして駆け抜けていく、戦術を全て吹き飛ばしてしまう圧巻のレースが続いている。3日目には残り200mのタイムが10秒7と、バンクレコードにあとコンマ1と迫る走りを見せた。最終日にバンクレコードの更新もあるのか、その点にも注目が集まった。
【初日ハイライト👇】
【2日目ハイライト👇】
【3日目ハイライト👇】
一方、ジョセフ・トゥルーマン(イギリス)は3日間で1着-3着-1着とラインを組んで先行しながら勝ち上がってきた。
【決勝】
| 車番 | 選手名 | 所属 |
| 1 | 佐藤礼文 | 茨城 |
| 2 | 五日市誠 | 青森 |
| 3 | ハリー・ラブレイセン | オランダ |
| 4 | 川津悠揮 | 北海道 |
| 5 | ジョセフ・トゥルーマン | イギリス |
| 6 | 佐藤和也 | 青森 |
| 7 | 大森慶一 | 北海道 |
| 8 | 竹村勇祐 | 秋田 |
| 9 | 松崎広太 | 茨城 |
並び予想:
松崎‐佐藤礼‐大森‐川津
ラブレイセン‐トゥルーマン‐五日市‐竹村‐佐藤和
ラブレイセンの強烈なスプリント
レースがスタートし、白の佐藤礼が誘導員の広後方を確保すると、松崎‐佐藤礼‐大森‐川津の隊列が組まれ、そして後ろにラブレイセン‐トゥルーマン‐五日市‐竹村‐佐藤和が続く。
残り2周を切って前の川津(青)との間を空けて、攻撃に備えるラブレイセン(赤)。2コーナーを過ぎた辺りから加速していき、一気に位置を上げていく。そしてこの動きに先頭の松崎(紫)もスピードを上げていくが、ラブレイセンがトゥルーマン(黄)を引き連れて先頭を奪って残り1周へ。
↑残り1周
ラインは崩壊 トゥルーマンが実力を発揮、そして松崎が粘りを見せる
しかしラブレイセン‐トゥルーマンの後にラインが続かず、3番手に収まったのは別線の先頭だった松崎(紫)。ラブレイセン‐トゥルーマン‐五日市‐竹村‐佐藤和のラインは完全に崩壊してしまったものの、それでも短期登録の2人が快速を見せて先行していく。
↑ラブレイセン(赤)、トゥルーマン(黄)、松崎(紫)
残り半周、トゥルーマンが後ろの松崎をけん制しながらも更に加速していき、最終コーナーではラブレイセンをかわしていく。完全に自転車一つ抜け出したトゥルーマンが、ラブレイセンを下して今シリーズ7戦目にして初めての優勝を飾る結果となった。
遂に優勝したトゥルーマン(黄)、そして遂に敗れたラブレイセン(赤)
そして2着には別線ラインの先頭を走っていた松崎。最終周回で上手く3番手になったところから加速していき、最後にはラブレイセンを僅かながらもかわして2着。直後にラブレイセンが3着という最終結果となった。1着は今シリーズ「初」の優勝となったトゥルーマン、2着は今シリーズ「初」のラブレイセンを上回る結果を得た松崎、3着に今シリーズ「初」の3着となったラブレイセン。3者3様の「初」づくしの結果になった。
優勝:トゥルーマン選手 コメント
Q:本日はどのようなプランで走りましたか?
ラブレイセン選手が“スーパー先行”選手だということを知っていたので、彼の後輪につけて、彼を守りつつチャンスを狙う、そのことを考えていました。過去3日間のレースでも前に出てしまえばとても強いということは分かっていたので、後ろについていけるように集中していました。
Q:残り半周でラブレイセン選手との間を空けて上手く走れていたと思います。その点についての評価は?
そう言われて嬉しいです。様々なレースを見て研究をしてきましたし、上手く走れて良かったです。
Q:7年ぶりの優勝となりましたが、嬉しいですか?
和歌山は僕の“ラッキートラック”ですね!
Q:残りのレース(あと2開催の予定)へのモチベーションはどうでしょう?
もちろん勝てるようにモチベーションを上げていこうと思います。
Q:コモンウェルスゲームズからの疲れは無いですか?
日本に帰ってくる際に飛行機の座席をアップグレードしたんです。それが良い投資になったと思います(笑)
【結果一覧】アワンが16年越しの男子ケイリン金メダル/『2026 コモンウェルスゲームズ』7月30日(木)〜8月2日(日) イギリス・グラスゴー
2着:松崎広太選手 コメント
いっぱいいっぱいでした。情けない……とんでもないスピードでした。
Q:1番強烈にそのスピードを感じたのはどの場面でしょうか?
残り1周半の鐘のところですね。日本の他の選手だったら合わせられると思うくらい(ペダル)を踏んでいたのですが、“フォンッ”って感じで一瞬で行かれました。しかも余裕があるようにも見えました……。後ろがどうなっているのかも全く分からず、(追っている間は)後ろを向けなかったです。世界って広いです。同じ人間とは思えないです。
3着:ラブレイセン選手 コメント
Q:遂に連勝(12)が止まってしまいました。結果論ではありますが、今日は少し早い仕掛けとなったのでしょうか?
まず、トゥルーマン選手とはラインを組んでいましたので、もちろん自分が勝ちたかった気持ちはありましたが、彼が勝ってくれたので、僕も嬉しいです。連勝が止まってしまったことは残念ではありますが、いつかは止まると思っていたことです。今日は外の風が強かったため、昨日までとは状況が異なっていました。ただ、あのタイミングが最も前に出易い機会でした。
Q:今日はそもそも5番手、他のラインの後ろから攻めていくことを考えていましたか?
はい。後ろから攻める形を考えていました。早めに仕掛けないとブロックされる可能性があるため、早めに仕掛けていった形です。
