佐藤水菜選手 インタビュー
Q:銀メダルおめでとうございます。まずは率直な感想を聞かせてください。
決勝は、力負けだと思います。ヘッティ・ファンデヴォウ選手は、チームスプリントの2走として13秒1、トルコでも12秒9を出すなど早いタイムを持っていて、自分が目指すべき、目標となっている存在です。その選手と決勝で戦えたというのはすごく光栄でした。
Q:悔しさというよりは、やり切ったという気持ちですか?
ぶつかった時にひるんでしまったり、気持ちの面では悔しい想いもあります。強い相手と対峙して、ある程度割り切って楽しんで走れた部分もありますが、あとちょっとでタイトルに届いたということを考えると……もちろん全力だったのですが、もっと頑張れたのかなと思います。成長につながる悔しさですね。
Q:2日間にわたる戦いでしたが、全体を振り返っていかがですか?
準々決勝でのカナダのジェネスト選手との対戦が、ポイントだったように感じます。ネーションズカップなどでは準々決勝がひとつの壁になっているという意識もありましたし、1本ずつ獲って3本目の勝負という展開だったので。
それから、今日の準決勝で当たったアリナ・リシェンコ選手には、トルコ(『2025ネーションズカップ』準々決勝)でも日本(『2025ジャパントラックカップ II』決勝)でも差されて負けていたので、越えなければいけない壁だと感じていました。その壁を越えて、次のレベルに行けたのは良かったです。
ただ正直、決勝は難しい戦いになるとは考えていました。そのなかで良い勝負ができたので、次に繋がるレースだったとは思っています。
Q:決勝は、戦略的にはどのようなイメージだったのでしょうか?
作戦はあまり公にできませんが、力の差がある分、新しい戦略を試みました。コーチから今回の作戦を聞いた時は、わくわくしましたね。今後に向けての課題も見つかったので、練習に専念して、来年もこの決勝の舞台に立てるように頑張りたいです。
Q:アップ時の様子を見ていても、過度なプレッシャーはなく、いい状態で競技に臨めているように感じました。
去年ケイリンで世界チャンピオンになることができてから、この1年は楽しみながら強くなれているように感じています。レース前も緊張することが少なく、やりたいことをやる、やらなきゃいけないことをしっかりやる、という大事なところは押さえながら、レースを楽しめていると思います。
Q:最終日は、ディフェンディングチャンピオンとして迎えるケイリンが待っています。
期待も大きいので少し不安もあります(笑)。でも、会場の皆さんが、自分が負けても楽しんでくれるし応援してくれています。アウェー感はまったくなくてホームバンクのような雰囲気なので、1戦1戦大事にしながら、良い結果を残せたらと思います。
Q:佐藤選手自身、観客を盛り上げるのが楽しくなってきているように感じます。
すごく盛り上がってくれるので(笑)。日本語も聞こえますし、日本をすごく好きな国なんだろうなというのは感じます。楽しい国です。
