チリ・サンティアゴを舞台に、10月22日より開幕した『2025世界選手権トラック』。
初日には男子チームスプリントが実施され、オランダが3年連続となる金メダルを獲得した。
日本チームの走りはどうだったのか。日の丸を背負う選手たちの走りを中心にレポートする。
世界最強と称されるハリー・ラブレイセンらによるオランダ、そのラブレイセンと互角の戦いを繰り広げるマシュー・リチャードソンを擁するイギリスなど、全15チームがエントリー。日本は長迫吉拓、太田海也、小原佑太という布陣で2024年の世界選手権で得た銅メダル越えを狙う。
予選⇒1回戦⇒メダル決定戦という勝ち上がりで実施された。
予選 長迫が全体トップの好走
現時点のランキングが低いチームから高いチームの出走順となり、日本は15チーム中14番目となった。予選はタイムトライアル、上位8チームに入れば次の1回戦へと駒を進める。
レースは第1走の長迫が17秒223を記録し、全チームの中で予選トップのタイムで入るが、2走の太田から3走の小原が遅れてしまう。
残り2周。太田が全開で走り抜けていくが、後方の小原は追いつけずに苦しい展開となった。小原がフィニッシュラインに到達したタイムは42秒991。予選を6位として1回戦進出を決めた。

※走り終えた時は暫定5位
1回戦 届かなかった決定戦
予選6位の日本vs予選3位のオーストラリア(42秒691)の対戦形式となった1回戦。対戦相手に先着し、なおかつ全組の勝利チームの中でタイムが良ければメダル決定戦に進出できる大事なレース。
カウントダウンが「0」になると両チームが勢いよく加速していく。長迫は予選よりややタイムを落としたが(17秒309)、相手をコンマ1秒上回る形で太田へと繋ぐ。太田もさらにリードを広げるが、予選と同様に小原が太田の後輪に付くことができず、苦しい形で勝敗は最終走者の小原の手に託される。
逃げ切りたい日本チームだったが、オーストラリアが最後に追い上げを見せて逆転。42秒261でオーストラリアが先着し、一方の日本のタイムは42秒714となった。
前回大会の銅メダル以上を狙った日本のトリオはメダル決定戦に進むことができず、最終成績を5位としてこの種目を終える結果となった。
決勝 最強トリオのオランダvs進化中のイギリス
決勝は、ここまで41秒台を記録しているオランダvsイギリスのレース。2023年から、出場した際は必ず勝ってきたオランダの布陣はロイ・バンデンバーク、ハリー・ラブレイセン、ジェフリー・ホーフラントの3人。イギリスは日本の短期登録競輪でも活躍したジョセフ・トルーマン、マシュー・リチャードソン、ハーミッシュ・タンブル。
最後のどんでん返し
大盛り上がりの中のレースは、イギリスのトルーマンがオランダを突き放す形でコンマ3秒ほどリードし、注目は第2走のリチャードソンとラブレイセンの戦いへ。これまでは圧倒的な差を見せてきたラブレイセンだったが、第2走の戦いはほぼ追い上げることができずに、勝負はアンカーへと持ち越される。
コンマ2秒の差をもってイギリスのタンブルが走っていくが、驚くほどの力の差を見せたのはオランダ。最終走者のホーフラントが一気に差を詰めていき、タイムは41秒691でフィニッシュ。最後にはイギリスをコンマ3秒突き放してしまう強烈な走りを見せて、3年連続となるチームスプリントの王座を守ることに成功した。
3位決定戦はオーストラリア対フランスで、1回戦で日本を下したオーストラリアが42秒611のタイムで先着。銅メダルを獲得した。
チーム | 選手名 | 決勝タイム | ||
1位 | オランダ | ジェフリー・ホーフラント ハリー・ラブレイセン ロイ・バンデンバーグ |
HOOGLAND Jeffrey LAVREYSEN Harrie van den BERG Roy |
41.691 |
2位 | イギリス | マシュー・リチャードソン ジョセフ・トルーマン ハーミッシュ・タンブル |
RICHARDSON Matthew TRUMAN Joseph TURNBULL Hamish LEDINGHAM-HORN Harry |
42.060 |
3位 | オーストラリア | ダニエル・バーバー ライアン・エリオット レイ・ホフマン |
BARBER Daniel ELLIOTT Ryan HOFFMAN Leigh |
42.611 |
5位 | 日本 | 長迫吉拓 太田海也 小原佑太 |
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