静岡県・伊豆ベロドロームで幕を開けた『2025全日本選手権トラック』も終盤。大会3日目に行われた男子ケイリン、太田海也と中野慎詞のデッドヒートとなったレースの模様をお伝えする。
ケイリンとは?
日本発祥のオリンピック種目であるケイリン。
今大会は、1回戦(上位2人勝ち上がり)→(敗者復活)→準決勝(上位3人が勝ち上がり)→決勝という勝ち上がりで行われた。
決勝
注目を集めた現世界チャンピオンの山﨑賢人は準決勝で降格となり、7-12位決定戦へと回る形となった。決勝へと進んだのは、以下の6人。
太田海也 | チーム楽天Kドリームス |
中野慎詞 | チーム楽天Kドリームス |
尾野翔一 | JPCA |
中石湊 | チーム楽天Kドリームス |
伊藤京介 | JIK |
高橋奏多 | JIK |
日本一を懸けた、そしてその先に10月にチリで行われる世界選手権も見据える決勝。
スタートが切られると、中野が先頭で直後に太田、伊藤、尾野、三神、中石の順で進む。
ペーサーが退避するところで、最後方から中石、そして伊藤が動く。
伊藤が先頭へと出ると、2番手になった中野が後ろの動きを警戒する中、残り2周に入るところで仕掛けたのは3番手だった太田。そして中野の反応がやや遅れる形となる。
一気に加速していくと、残り1周半で後続を突き放して太田が先頭へ。
快速を見せて入る太田を少し離れて中野が追走、その直後を尾野が追って残り1周。
レースは太田を中野が捕まえるか否かとなった。
3コーナーで太田の後輪まで追いついた中野が外から更にスピードを上げていく。
勝負のホームストレートでは、内で粘る太田。外から中野となってほぼ同時にフィニッシュ。
当人同士も勝負の行方が分からず喜んで良いのか分からない最後となったが、場内アナウンスにより勝者に決まったのは太田海也。
スロー映像でもどちらが前かわからないほどの勝負を制し、長い距離を先行しながら見事に粘りきってスプリントに続く2冠を達成した。
2着に中野。3着に入ったのは、競技歴半年足らずの尾野。ナショナルチーム“同年代トリオ”による表彰台となった。
順位 | 所属 | 選手名 |
1位 | 太田海也 | チーム楽天Kドリームス |
2位 | 中野慎詞 | チーム楽天Kドリームス |
3位 | 尾野翔一 | JPCA |
順位決定戦は山﨑が制す
7-12決定戦は、アルカンシェルライダーの山﨑が力を見せて1着。
『ジャパントラックカップ』に続き残念な結果となったが、レース後は「これまでも、誰よりも負けてきたことが世界チャンピオンにつながったと思っています。今年、結果は出せていないですが、世界選手権はまた別物。来年も(アルカンシェルが)着られるよう頑張ります」と語った。