2025年8月22日より、静岡県・伊豆ベロドロームで幕を開けた『2025全日本自転車競技選手権大会・トラック』。大会初日に行なわれた男子チームスプリント&エキシビジョンの模様をお伝えする。

チームスプリントとは?

3名でトラック3周のタイムを競う種目。
3人同時にスタートし、縦1列の状態から、1周ごとに先頭選手が離脱。3人目の選手のフィニッシュタイムを競う。

男子チームスプリント 新田祐大の激走

新田祐大がナショナルBチームの三神遼矢、尾野翔一を率いて参加したJPCAをはじめ、全5チームがエントリー。

予選最終組で登場したJPCAは、1走の新田が衰えの見せない走りを見せて、2人を置き去りにして17秒979で入ると、そのスピードを三神、尾野とつなげていき44秒147というタイムをマーク。

予選2位の日本体育大学(小嶋海音/潮崎孔明/池田悠生)に3秒近い差をつける記録で1位となり、決勝へと進む。

決勝 まさかの結末

JPCAと日本体育大学による決勝。
予選の結果から、JPCAのタイムに注目が集まった。

しかし、スタート直後に3走・尾野のクリップバンドが外れてしまうアクシデントが発生。JPCAチームは走り切ることができず破れる形となってしまった。

日本体育大学は、予選からタイムを伸ばし46秒549というタイムで走り抜け、見事に今年の日本一のチームとなる金メダルを獲得した。

3位は、同大学対決を制した鹿屋体育大学Bチーム。

順位 所属 選手名 決勝タイム
1位 日本体育大学 小嶋海音
潮﨑孔明
池田悠生
46.549
2位 JPCA 新田祐大
三神遼矢
尾野翔一
DNF
3位 鹿屋体育大学B 香西玲良
福永隼人
岩谷駿之介
47.281

リザルト

優勝:日本体育大学

小嶋海音

競技を初めて7年間、初めての優勝なのですごく嬉しいです。予選からチームのベストを出すことができ、うまく調整ができていることを実感できたので、決勝でもカマしてやろうと強い気持ちで臨めました。来週にはインカレが控えているので、そこまで、日体大として走り抜いていきます。

潮﨑孔明

日頃、運を貯めるためにゴミ拾いをしていたのが効いたのかなと思います(笑)。決勝は自分たちのベストを尽くすことだけを考えていて、優勝は意識していなかったのですが、結果がついてきて本当に嬉しいです。今後も、チームスプリントという種目で結果を残せるよう頑張っていきます。

池田悠生

全国の舞台での表彰台は初、しかもそれが優勝だなんて信じられないです。強いチームが相手だったので、今持てる力を100パーセント出し切ろうと思って走りました。自分にとっては、次のインカレが自転車競技最後のレースになります。支えてくれた方への恩返しとなるようなレースを見せたいと思います。

髙橋・小原・中石がエキシビジョンで出走

なお、決勝直前には、日本ナショナルチームから髙橋奏多・小原佑太・中石湊がエキシビジョンとして出走(別々のチーム登録の選手が混同して出走しているため、公式に扱うことができず)。

17秒695という好タイムで高橋奏多がスタート切ると、小原佑太、中石湊とそのスピードをつないでいく。

フィニッシュタイムは43秒512。長迫吉拓・中野慎詞・小原佑太のチーム(ドリームシーカー)で2022年に残した大会記録(43秒416)には及ばなかったものの、この日の出走したチームのなかでの最高タイムとなる走りを見せた。

高橋奏多

自分のベストを出したいという思いだったので、(17秒695というタイムは)悔しいです。
大会用のスタートゲートでもしっかりと力を出せるような対応力が今後の課題になってくると思います。体調はどんどん上向いているので、ケイリン、スプリントで良い結果を残せるように頑張ります。

小原佑太

大会記録をクリアしたかったという気持ちはありますが、チーム全体として課題が残る走りでもこのタイムが残せたというのは、良かったと言えると思います。今後Aチームに入ってくるであろう次世代の選手たちと走り、自分としてもいい刺激をもらえました。次の世代がどんどん出てくることで、チームとしての競争力も上がっていくはずです。

中石湊

「3走としての経験を積みたい」という思いで臨みましたが、2周目と3周目は手探りの状態だったこともあり、落ち着きがない走りになってしまいました。大会記録を超すことを目標としていたので、あと少し頑張れなかったのが悔しいです。