2025年5月29日より、静岡県・伊豆ベロドロームで開幕した『2025ジャパントラックカップ』。
大会2日目に行われた、男子オムニアム、および男子マディソンのレポートをお伝えする。
男子オムニアム
スクラッチ、テンポレース、エリミネーション、ポイントレースの4種目で総合成績を競うオムニアム。
窪木一茂、橋本英也、兒島直樹、梅澤幹太ほか総勢11人の日本ナショナルチームメンバーのほか、海外勢からはリアム・ウォルシュ(オーストラリア)らがエントリー。予選を経て、24人が本戦へと進んだ。
スクラッチ
残り7周付近、いったんペースが落ち着くかという絶妙のタイミングで集団から抜け出した橋本英也が大きくリードを広げ、そのまま1位でフィニッシュ。2位にトム・セクストン(ニュージーランド)、3位に兒島直樹となった。
テンポレース
終盤に2度目のラップを決めたトム・セクストンと兒島直樹がそれぞれ1位と2位。続いてコーナー・リーヒー(オーストラリア)が3位。
エリミネーション
序盤で窪木がエリミネートされると、残り5人でポイント上位のセクストン、続けて兒島が除外。
最後まで残ったのは橋本英也。巧みなレース運びで1位となった。
ポイントレース
3種目を終えての暫定順位は
トム・セクストン | 115 |
兒島直樹 | 111 |
リアム・ウォルシュ | 102 |
コーナー・リーヒー | 100 |
の順。
最終種目のポイントレース、序盤に積極的に動いたのは橋本英也。
ポイント周回で2回の1着を獲得、そしてラップ(1周追い抜き)による20ポイントも加算し、一気に暫定111ポイントとして、兒島に並ぶ。
超ラップ合戦
中盤から後半にかけては、梅澤幹太と窪木一茂が躍動する。
梅澤は2度のラップ成功により40ポイントを獲得し、一度は暫定ながらもトップに躍り出る。そして窪木も2度のラップを成功させる。
残り20周のスプリント周回を終え、梅澤(132ポイント)、セクストン(121ポイント)、兒島・橋本(111ポイント)の暫定順位で迎えた最終盤。
止まることを知らない窪木。なんとここで3度目のラップを成功されると128ポイントとなり、電光掲示板には暫定2位として表示される。しかし、同じくアタックしていたセクストンも20ポイントを獲得。
この20ポイント獲得が勝負の鍵となり、最終的に146ポイントまで積み上げたセクストンが優勝。梅澤幹太が2位、そして3位となったのは窪木。エリミネーションでの窪木の早期除外が最後に響く結果となった。
順位 | 選手名 | 所属 | ポイント | |
1位 | トム・セクストン | SEXTON Tom | ニュージーランド | 146 |
2位 | 梅澤幹太 | 日本/チームブリヂストンサイクリング | 134 | |
3位 | 窪木一茂 | 日本 | 132 |
優勝:トム・セクストン
Q:優勝、おめでとうございます。
日本の各選手をはじめ、たくさんの強い選手がいるなかでの優勝というのはすごく嬉しいです。世界選手権やネーションズカップよりも厳しいのではないかと感じるほどハードなレースでした。
Q:暫定1位で迎えた最終のポイントレース。どのような戦略で臨みましたか?
ポイント上、かなりの人数が圏内となる展開だったので、誰をフォローすればいいのかというのは正直なところわかっていませんでした(笑)。最後の20周あたりでは梅澤幹太選手をターゲットとして、タイミング良く逃げられました。ラッキーもあったと思います。
Q:勝因をあげるとすると?
まずひとつは、普段からしっかりとトレーニングをしてきたことが活きたと思います。
それから、最終種目を暫定トップで迎えられたことで、冷静に走ることができました。自分の持ち味である安定性を発揮して、3種目目まで良い順位をしっかりと続けられたことが勝因だと思います。