2023年5月12日からスタートした『2023全日本選手権トラック』。大会初日となる12日、男女チームパシュートの予選〜決勝が実施された。

チームパシュートのルール

4人1組で構成されたチームが4kmを走り、3番目の選手がゴールしたタイムを競う。

日本記録
男子 3分52秒956(沢田桂太郎、今村駿介、窪木一茂、近谷涼/2020年)
女子 4分18秒510(池田瑞紀、梶原悠未、内野艶和、垣田真穂/2023年)

男子チームパシュート

TEAM BRIDGESTONE Cyclingから2チーム(A、B)、CIEL BLEU KANOYAのほか、大学チームが5チームの計8チームがエントリー。予選の後に順位決定戦が実施された。決勝進出となったのは以下のチーム。

予選順位 チーム名 メンバー タイム
1 TEAM BRIDGESTONE Cycling A 窪木一茂
兒島直樹
今村駿介
松田祥位
3:58.259
2 TEAM BRIDGESTONE Cycling B 山本哲央
河野翔輝
岡本勝哉
山下虎ノ亮
4:05.372
3 CIEL BLEU KANOYA 原田裕成
冨尾大地
古谷田貴斗
津留崚
4:09.495
4 朝日大学 安達光伸
長谷川大悟
西條玲緒
山本大智
4:11.748

予選1-2位が決勝戦、3−4位が3位決定戦へ進む。予選2位のTEAM BRIDGESTONE Cycling Bは2023年からチームに加入した注目の若手・岡本勝哉と山下虎ノ亮を含むメンバーで挑んだものの、4分を切るところまでは及ばず。唯一の4分切りはTEAM BRIDGESTONE Cycling Aだが、同じメンバーで挑んだ昨年(2022)の記録(3分53秒877)と比べると調子の悪さを感じさせるタイムとなった。

余談だが、昨年に短距離の新山響平がメンバーとなったチームブリヂストンサイクリング2(山本哲央/河野翔輝/橋本英也/新山響平)は決勝タイムが3分59秒998。新山って頑張ったんだな……と感じさせられた。

予選リザルトPDF

決勝戦

迎えた決勝戦、予選1位のTEAM BRIDGESTONE Cycling Aはメンバーを入れ替えて出走(兒島直樹→橋本英也)。

両チームとも予選よりも速いペースでレースが進む。その中でもAチームはじわじわとリードを広げ、半分の2kmを超える頃にはBチームの姿が見えるくらいまで迫る。Aチーム1走の松田が離脱すると、もう追い抜き目前に。3kmを超えたあたりでBチームへの追い抜きに成功した。

追い抜かれたBチームはここでレースを終えたが、記録に挑むAチームはレースを続行。3分52秒532でフィニッシュし、2020年にドイツ・ベルリンで樹立した日本記録を更新した。

3位決定戦では2秒弱の差をつけてCIEL BLEU KANOYAが勝利している。

決勝リザルトPDF

選手コメント

兒島直樹「日本チャンピオンジャージを着られて嬉しいです。自分は予選での出走でしたが、いつも練習して切磋琢磨しているメンバーが日本記録を出せたということは誇らしいこと。これからアジア選手権へと続いていくので、そこでも『4人』の中に入れるよう頑張っていきます」

窪木一茂「タイムが出ると思っていませんでした。予選の走りが良くなかったので『今日は厳しいのかな』と思って端です。決勝を走り終える頃には体力が0で、チームメイトに引きずられるようにフィニッシュしたんですが、日本記録を3年ぶりに更新することができて良かったです。

来月のアジア選手権に向けて良いはずみになったと思いますし、パリオリンピックにチームパシュートで出場することを目標にしていますが、走れるのは『4人』だけ。あえてそれを言葉にすることで切磋琢磨していきたいと思います」

橋本英也「レース前に朧げながら、『52秒』という数字が浮かんできたんです……!(笑)日本記録が更新することができて、本当に良かったです。パリオリンピックに向けて良いスタートだと思いますので、アジア選手権でしっかり勝って、オリンピックの枠を取って、日本チームとして初めてオリンピックでチームパシュートを走れるよう、チーム一丸となって頑張りたいと思います」

松田祥位「コーチを介入せず自分たちで考えて走るのは、実は今回が初めて。だから最初はちょっと意見が交錯して、予選は思うように走れなかったんです。でも気持ちを切り替えて、決勝では自分の走りとしては良い走りができました。1走として走る上では、今より重いギアでもっと速く走ることが必要だと思います。仕事を終えて途中で離脱するんですが、4kmフルで走るよりキツいです(笑)出し切れるよう頑張ります」

今村駿介「52秒では世界と戦うことができません。50秒を切るところを狙って、ようやくトップ8が見えてきます。今はギリギリの争いをしているので、もうひとつ上の段階で勝負できるようにこれから強化を続けていきたいと思います」

女子チームパシュート

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