短距離種目
2022年に日本から国際大会に出場した短距離選手は2人。
どちらも男子2004年生まれの男子選手であり、2人とも2023年からは日本競輪選手養成所での訓練を開始する予定となっている。
中石湊
2004年生まれ、北海道函館大谷高校に所属する男子短距離選手。
アジア選手権では個人全3種目にて表彰台を獲得し、スプリントでは大陸チャンピオンに輝いた。
伊豆ベロドロームで開催された国際大会『ジャパントラックカップ I/ II』にも、エリート選手に混じり出場。メダル獲得こそならなかったものの、200mFTTにおける男子ジュニア日本新記録を2度も更新した。
新たな男子ジュニア日本新記録でもある自己ベストは「10秒121」となっている。
また本大会ではトラック競技ナショナルチームの「ジュニア短距離アドバイザー」を務める新田祐大が、中石をワンツーマンでサポートしていた。
「こんな良い機会はそうそうないと思っています。しっかり吸収して、この大会を通じて成長していきたいです」と語った中石は、続くジュニア世界選手権にて1kmTTの銅メダルを獲得。早速その成長ぶりを証明してみせた。
2023年に19歳を迎えエリートデビューを果たす中石だが、日本競輪選手養成所の第125回生に合格している。国内で開催されるトラック競技大会への出場機会はあるかもしれないが、競輪選手デビューにむけた訓練に主軸を置く1年となるだろう。
種目 | 大会 | 順位 |
スプリント | 世界選手権トラック | 7位 |
アジア選手権トラック | 1位 | |
ジャパントラックカップ I | 14位 | |
ジャパントラックカップ II | 13位 | |
ケイリン | 世界選手権トラック | 5位 |
アジア選手権トラック | 2位 | |
ジャパントラックカップ I | 11位 | |
ジャパントラックカップ II | 17位 | |
1kmTT | 世界選手権トラック | 3位 |
アジア選手権トラック | 3位 |
阿部英斗
2004年生まれ、愛媛県松山学院高校に所属する男子短距離選手。
2022年にはインターハイのスプリント、全国高校選抜自転車競技大会のケイリンで優勝。中石とともに出場したジュニア世界選手権では、ケイリンで見事銅メダルを獲得した。
そして阿部も日本競輪選手養成所・第125回生の技能試験に合格。トラック競技ナショナルチームの強化指定選手に所属しながらも、競輪選手デビューを目指す。
種目 | 大会 | 順位 |
スプリント | 世界選手権トラック | 26位 |
ケイリン | 世界選手権トラック | 3位 |
1kmTT | 世界選手権トラック | 19位 |
日本チームがメダル3枚を獲得!世界で存在感を示した次世代選手たち/『UCI 2022ジュニア世界選手権トラック』イスラエル・テルアビブ
中長距離種目
2022年に日本から国際大会に出場した中長距離選手は4人。全員が女子選手だ。
なかにはロードでも好成績を残している選手や、2023年からトラック競技ナショナルチームのエリート強化指定に所属する選手もいる。
池田瑞紀
2004年生まれ、福岡県祐誠高校に所属する女子中長距離選手。
2022年3月に開催された全国高校選抜自転車競技大会(全国高校選抜)の個人パシュートでは、2日連続で大会記録を更新し優勝。8月のインターハイでも個人パシュートにて優勝を飾っている。
その後日本代表として出場したアジア選手権でも、同種目で優勝し大陸チャンピオンに輝いた。
続く世界選手権では惜しくも個人パシュート・チームパシュートのメダルにはあと一歩届かなかったものの、マディソンにて表彰台を獲得。銀メダルを日本に持ち帰った。
2023年からはトラック競技ナショナルチームのエリート強化指定選手として選抜されている池田。ジャカルタで開催される2023年のネーションズカップ第1戦にて国際戦デビュー(エリート)を果たす。
2024パリオリンピックへの出場を目指し、今後どんな走りを見せてくれるのか要注目だ。
種目 | 大会 | 順位 |
個人パシュート | 世界選手権トラック | 6位 |
アジア選手権トラック | 1位 | |
チームパシュート | 世界選手権トラック | 4位 |
スクラッチ | アジア選手権トラック | 2位 |
マディソン | 世界選手権トラック | 2位 |
垣田真穂
2004年生まれ、愛媛県松山学院高校に所属する女子中長距離選手。
個人パシュート(2km)では2022年3月の全国高校選抜・8月のインターハイの2大会にて池田に次ぐ銀メダルとなったが、長距離種目ではスクラッチとロードレース(選抜)、ポイントレースとロードレース(インターハイ)の2冠を各大会で達成した。
アジア選手権でもポイントレースとオムニアムの2冠を達成。世界選手権では「経験が足りなかった」と語りながらも、池田とともにマディソンの銀メダルを持ち帰った。
さらに池田はロード種目でも世界選手権に出場しており、2022年大会ではU23・エリートを含めた日本人選手の中では最高順位の5位(ジュニア・個人ロードレース)という結果を残している。
2023年からは池田とともにトラック競技ナショナルチームのエリート強化指定選手として、2024パリオリンピックへの出場を目指し、ジャカルタでのネーションズカップ第1戦にて国際戦デビュー(エリート)を果たす。
トラック
種目 | 大会 | 順位 |
チームパシュート | 世界選手権トラック | 4位 |
ポイントレース | アジア選手権トラック | 1位 |
エリミネーション | 世界選手権トラック | 19位 |
オムニアム | 世界選手権トラック | 13位 |
アジア選手権トラック | 1位 | |
マディソン | 世界選手権トラック | 2位 |
ロード
種目 | 大会 | 順位 |
個人タイムトライアル | 世界選手権ロード(ジュニア) | 13位 |
個人ロードレース | 世界選手権ロード(ジュニア) | 5位 |
水谷彩奈
2005年生まれ、愛媛県松山学院高校に所属する女子中長距離選手。
2022年3月の全国高校選抜・8月のインターハイでは両大会ともロードレースにて垣田に次ぐ銀メダルを獲得。その他インターハイでは個人パシュート・ポイントレースで3位入賞を果たしている。
世界選手権トラックではチームパシュートで4位、個人種目のポイントレースで5位と表彰台にあと一歩まで迫る走りを見せた。
ロード種目にも出場しており、全日本選手権ではジュニアチャンピオンに輝いている。
トラック
種目 | 大会 | 順位 |
チームパシュート | 世界選手権トラック | 4位 |
ポイントレース | 世界選手権トラック | 5位 |
ロード
種目 | 大会 | 順位 |
個人ロードレース | 世界選手権ロード(ジュニア) | DNF |
ジュニア全日本選手権ロード | 1位 |
岡本美咲
2005年生まれ、京都府北桑田高校に所属する女子中長距離選手。
2022年3月の全国高校選抜では個人パシュートで銅、スクラッチで銀メダルを獲得。8月のインターハイではポイントレースにて2位入賞を果たした。
世界選手権トラックのスクラッチでは11位だったが、これまでに紹介した女子3選手と出走したチームパシュートではジュニア日本新記録の樹立に貢献。アジア唯一のエントリー国としてメダル獲得に迫る走りを見せた。
垣田・水谷同様ロードにも出場しており、全日本選手権(ジュニア)では水谷との接戦の末、銀メダルに輝いている。
トラック
種目 | 大会 | 順位 |
チームパシュート | 世界選手権トラック | 4位 |
スクラッチ | 世界選手権トラック | 11位 |
ロード
種目 | 大会 | 順位 |
個人ロードレース | ジュニア全日本選手権ロード | 2位 |
「2022年主要大会」リザルト記事リンク
『ジュニア世界選手権トラック』
『アジア選手権トラック・ジュニアカテゴリー』
『全日本選手権トラック・ジュニアカテゴリー』
『ロード世界選手権・ジュニアカテゴリー』
ジュニア2023年主要大会スケジュール
以上本記事では2022年の主要大会に出場した「日本トラック競技ジュニア強化指定選手」たちの成績を振り返ってきた。
2023年となり、ある選手はエリートカテゴリーへとデビューを果たし、ある選手はジュニアカテゴリーにてもう1年経験を積む。そして新たな17歳(2006年生まれ)が新たなジュニア選手として国内外の大会に出場していく。
将来の日本トップチームを担う次世代選手たちの走りに、ぜひ今後もご注目いただきたい。
日程 | 大会 | 開催地 |
5月12日〜15日 | 全日本選手権トラック | 伊豆ベロドローム |
6月14日〜19日 | アジア選手権トラック | ニライ(マレーシア) |
6月22日〜25日 | 全日本選手権ロード | 未定 |
8月5日〜13日 | UCI自転車競技世界選手権 (ジュニア・ロード) |
グラスゴー (イギリス) |
8月23日〜27日 | ジュニア世界選手権トラック | カリ(コロンビア) |
エリートカテゴリーの主要大会スケジュールはコチラ