短距離

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男子中長距離

5カ国が金メダルを勝ち取った男子中長距離。各種目で多くの次世代注目選手が台頭する結果となった。

中には2022年のネーションズカップなどの国際大会でメダルを獲得するなど、既にエリートカテゴリーの舞台で活躍している選手も存在する。

個人パシュート

選手名 国名 タイム
優勝 ニコラス・ハインリッヒ Nicolas Heinrich ドイツ 4:13.524
2位 トビアス・バック Tobias Buck-Gramcko ドイツ 4:14.784
3位 マンリオ・モロ Manlio Moro イタリア 4:13.239

金・銀メダルを獲得したのはドイツの2人。

ニコラス・ハインリッヒとトビアス・バックはともに、6月に開催されたドイツ国内選手権(エリート)のチームパシュートで金メダルを獲得している選手。2022年のネーションズカップ第2戦(ミルトン)のチームパシュートでも銅メダル獲得に貢献した。また、ニコラス・ハインリッヒは同大会個人パシュートでの優勝も果たしている。

エリートカテゴリーでも国内外での活躍を見せており、今後の走りにも要注目の選手たちだ。

(左から)ニコラス・ハインリッヒ、コランタン・エルメノー、チャーリー・タンフィールド

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チームパシュート

国名 選手名 タイム
優勝 イタリア ダビデ・ボスカーロ
マッティア・ピナッツィ
マンリオ・モロ
ニッコーロ・ガリ
Davide Boscaro
Mattia Pinazzi
Manlio Moro
Niccolo’ Galli
3:55.294
2位 ベルギー ジャンルカ・ポルフリート
ノア・ヴァンデンブレンデン
ティボー・ベルナルド
ツーア・デンス
Gianluca Pollefliet
Noah Vandenbranden
Thibaut Bernard
Tuur Dens
DNF
3位 フランス クリモン・プティ
ニコラ・アモン
エディー・ルイトゥーズ
クリモン・コルデノン
Clement Petit
Nicolas Hamon
Eddy Le Huitouze
Clement Cordenos
3:55.647

チームパシュートを制したのはイタリア。現世界チャンピオンの男子エリートチームに続き、層の厚い強さを見せつけた。

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スクラッチ

選手名 国名
優勝 ウィリアム・ティドボール William Tidball イギリス
2位 ティム・ウェフラー Tim Wafler オーストリア
3位 キリオ・ツサレンコ Kyrylo Tsarenko ウクライナ

金メダルを獲得したウィリアム・ティドボール(イギリス)は、2022年5月に開催されたイギリス国内選手権(エリート)のスクラッチを優勝した選手。2022年で22歳を迎え、来シーズンからエリートデビューを果たす。

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エリミネーション

選手名 国名
優勝 ダビデ・ボスカーロ Davide Boscaro イタリア
2位 ティム トーン・トウデンベルク Tim Torn Teutenberg ドイツ
3位 フィリップ・プロコピシン Filip Prokopyszyn ポーランド

エリミネーションを制したのはダビデ・ボスカーロ(イタリア)。チームパシュートと合わせ2枚目の金メダルを獲得した。2022年のネーションズカップ第2戦(ミルトン)のチームパシュートでもイタリアの銀メダルに貢献したメンバーの1人だ。

銀メダルのティム トーン・トウデンベルクも2022年のネーションズカップで好成績を残している若手選手。

(左から)ヨエリ・ハビック、エリア・ビビアーニ、ティム トーン・トウデンベルク

第1戦(グラスゴー)ではエリミネーションで銅メダル、第2戦(ミルトン)ではマディソンで銅メダルを獲得している。

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ポイントレース

選手名 国名 ポイント
優勝 マキシミリアン・シュミッドバウアー Maximilian Schmidbauer オーストリア 64ポイント
2位 ジオゴ・ナイシーゾ Diogo Narciso ポルトガル 63ポイント
3位 グレゴリー・プブロー Gregory Pouvreault フランス 53ポイント

表彰台に並んだ3人は、総距離40kmの男子ポイントレースのなかでラップ*を2回達成。各スプリント周回でのポイントも積み上げていき、高得点でのメダル獲得となった。

※ラップ:集団グループに1周差をつける行為

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オムニアム

選手名 国名 ポイント
優勝 オスカー・ニルソン ジュリアン Oscar Nilsson-Julien イギリス 165ポイント
2位 ティム トーン・トウデンベルク Tim Torn Teutenberg ドイツ 163ポイント
3位 フィリップ・ハイネン Philip Heijnen オランダ 156ポイント

オムニアムを制したオスカー・ニルソン ジュリアン(イギリス)は、イギリス国内選手権(エリート)のオムニアムでも優勝している現チャンピオン。2022年で20歳を迎え、エリートデビューまでまだ数年ある期待の若手選手だ。

マディソン・オムニアムのイギリス国内選手権が開催 トップの座を守るスターと狙う若手の戦い

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マディソン

国名 選手名 ポイント
優勝 オランダ ヤネ・ドレンボス
フィリップ・ハイネン
Yanne Dorenbos
Philip Hejinen
54ポイント
2位 イギリス ウィリアム・ティドボール
サミュエル・ワトソン
William Tidball
Samuel Watson
37ポイント
3位 ドイツ マルタ・マシュケ
ティム トーン・トウデンベルク
Malte Maschke
Tim Torn Teutenberg
26ポイント

以上でも紹介してきたウィリアム・ティドボール率いるイギリスペア、ティム トーン・トウデンベルク擁するドイツペアを下し、男子マディソンを制したのはヤネ・ドレンボスとフィリップ・ハイネンのオランダペア。オランダにとって男子中長距離唯一の金メダル獲得となった。

ヤネ・ドレンボスフィリップ・ハイネンの2人は、トラック種目とともにロード種目でも積極的に活動している選手。自転車競技強豪国のオランダでどんな選手に成長していくのか要注目だ。

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女子中長距離

4種目で金メダルを勝ち取ったイタリアの強さが目立つ女子中長距離。全体的には、イギリスがこれに続くかたち。

2022年のネーションズカップでメダルを獲得した選手や、ウィメンズワールドチームのメンバーとしてロードのトップクラスのレースにも出場経験のある選手が活躍した。

個人パシュート

選手名 国名 タイム
優勝 ヴィットーリア・グアッツィーニ Vittoria Guazzini イタリア 3:27.22
2位 エラ・バーンウェル Ella Barnwell イギリス OVL
3位 シルビア・ザナルディ Silvia Zanardi イタリア 3:29.598

個人パシュートを制したのはヴィットーリア・グアッツィーニ。2022年のネーションズカップ第1戦(グラスゴー)のチームパシュートで銅メダル、マディソンで銀メダルを獲得している選手。

(左)エリサ・バルサモ(右)ヴィットーリア・グアッツィーニ

さらにロードではウィメンズワールドチームの「FDJ – SUEZ Futuroscope」に所属し、世界トップのレースにも出場している。トラック・ロードどちらも注目の選手だ。

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チームパシュート

国名 選手名 タイム
優勝 イタリア シルビア・ザナルディ
ヴィットーリア・グアッツィーニ
カミーラ・ガッパリーニ
マチルデ・ヴィティッロ
Silvia Zanardi
Vittoria Guazzini
Eleonora camilla Gasparrini
Matilde Vitillo
4:18.521
2位 イギリス エルナド・キング
エラ・バーンウェル
ケイト・リチャードソン
ソフィー・ルウィス
Eluned King
Ella Barnwell
Kate Richardson
Sophie Lewis
4:25.943
3位 ドイツ ファビアンヌ・ヤリッヒ
ラナ・イバール
レナ シャーロット・ライスナー
ハナ・ドプハンス
Fabienne Jahrig
Lana Eberle
Lena Charlotte Reissner
Hanna Dopjans
4:27.731

個人パシュートの金・銅メダルを獲得したヴィットーリア・グアッツィーニ、シルビア・ザナルディ擁するイタリアチームが優勝。男子U23ともにパシュート種目での強さを見せつけた。

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スクラッチ

選手名 国名
優勝 ペトラ・セフチーコヴァ Petra Sevcikova チェコ
2位 エラ・バーンウェル Ella Barnwell イギリス
3位 ダニエラ・カンポス Daniela Campos ボルトガル

スクラッチの金メダルを勝ち取ったのはチェコのペトラ・セフチーコヴァ。2022年のネーションズカップ第2戦(ミルトン)にも出場しており、同大会女子オムニアムではメダル獲得こそならなかったものの、序盤から先行するなど世界チャンピオンらがいる中で存在感を示す走りをみせた。

2022年のイギリス国内選手権スクラッチの王者であるエラ・バーンウェルは個人・チームパシュートに続き、大会3枚目の銀メダル獲得となった。

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エリミネーション

選手名 国名
優勝 シャリ・ボスイット Shari Bossuyt ベルギー
2位 ソフィー・ルウィス Sophie Lewis イギリス
3位 クリスティーナ・ネナドビック Kristina Nenadovic フランス

エリミネーションで優勝を果たしたのはシャリ・ボスイット、ベルギーの22歳。2022年のベルギー国内選手権でも同じくエリミネーションのナショナルチャンピオンに輝いた選手だ。自身最後のU23ヨーロッパ選手権でオムニアムとの2冠達成となった。

また、ベルギーの女子中長距離種目を牽引するロッテ・コペツキーと同じく、ロードでも活躍するシャリ・ボスイット。クロエ・ダイガートらも所属するウィメンズワールドチーム「CANYON//SRAM Racing」のメンバーとしてレースに出場している。

(左から)シルビア・ザナルディ、ジェニファー・バレンテ、ソフィー・ルウィス

2位のソフィー・ルウィスはチームパシュート・マディソンと合わせ本大会銀メダル3枚を獲得。2022年のイギリス国内選手権でオムニアムを制したソフィー・ルウィスは、2022年のネーションズカップ第2戦にも出場し、エリミネーションで3位の好成績を残している。エラ・バーンウェルとともに注目のイギリス若手選手だ。

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ポイントレース

選手名 国名 ポイント
優勝 シルビア・ザナルディ Silvia Zanardi イタリア 63ポイント(2ラップ)
2位 ダニエック・ヘンゲフェルト Daniek Hengeveld オランダ 57ポイント(2ラップ)
3位 クリスティーナ・ネナドビック Kristina Nenadovic フランス 38ポイント(1ラップ)

個人パシュートで銅メダルを獲得したシルビア・ザナルディ(イタリア)がポイントレースで優勝。チームパシュート・マディソンと合わせ大会3冠、メダル4枚を獲得することとなった。

シルビア・ザナルディは2022年のネーションズカップ第2戦(ミルトン)にも出場しており、エリミネーションで銀メダル、個人・チームパシュートでもそれぞれ銅・金メダルを獲得する活躍をみせている。チーム種目だけでなく個人種目でもすでに世界トップレベルの舞台で好成績を残している選手だ。

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オムニアム

選手名 国名 ポイント
優勝 シャリ・ボスイット Shari Bossuyt ベルギー 129ポイント
2位 ダニエック・ヘンゲフェルト Daniek Hengeveld オランダ 121ポイント
3位 ジャドゥ・ラバスタグ Jade Labastugue フランス 115ポイント(1ラップ)

エリミネーション覇者のシャリ・ボスイットが制したオムニアム。

ポイントレースでも準優勝を果たしたダニエック・ヘンゲフェルト(オランダ)が大会2枚目の銀メダルを獲得。2022年に20歳を迎え、U23としてのキャリアがまだ数年続く選手。

シャリ・ボスイットなど、一足先にエリートデビューを果たす選手が不在となる次回大会で、悲願の優勝を掴むことができるか注目していきたい。

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マディソン

国名 選手名 ポイント
優勝 イタリア マチルデ・ヴィティッロ
シルビア・ザナルディ
Matilde Vittllo
Silvia Zanardi
36ポイント
2位 イギリス エルナド・キング
ソフィー・ルウィス
Eluned King
Sophie Lewis
31ポイント
3位 ベルギー シャリ・ボスイット
カトリン・デ クラーク
Shari Bossuyt
Katrijn de Clercq
28ポイント

シャリ・ボスイット率いるベルギーペア、ソフィー・ルウィス擁するイギリスペアを下し、マディソン優勝を果たしたのはシルビア・ザナルディとマチルデ・ヴィティッロのイタリアペア。

このペアはチームパシュートでも金メダルを獲得した2人。マチルデ・ヴィティッロはシルビア・ザナルディと異なりエリートカテゴリーでの目立った実績はまだ残せていないが、強豪選手を多く擁するイタリア女子中長距離チームで、今後どんな走りを見せてくれるのか注目していきたい。

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リザルト一覧
写真出典 UEC facebook

次世代選手の活躍にも要注目

以上本記事では、ポルトガル・アナディアにて開催された『2022UECヨーロッパ選手権トラック U23・ ジュニア』からU23カテゴリーのリザルトをご紹介してきた。

なかには複数種目でメダルを獲得する選手も見ることができた今大会。過去の大会でもそういった選手たちが、エリートカテゴリーに移行した後も新たなスターとして活躍してきた。

ぜひ、次世代を担うであろう若手選手たちの走りにも注目してほしい。

フリードリッヒが女子短距離種目を総ナメ ドイツがメダル獲得数トップで閉幕/UECジュニア・U23トラックヨーロッパ選手権