7月28日(木)から31日(日)にかけて伊豆ベロドロームにて開催される『2022ジャパントラックカップ I / II』。国内で開催される、2022年シーズン初の国際大会。
本大会は有観客での実施となり、現地にて無料で観戦することができる。さらに大会全4日間の生中継も、More CADENCEの公式YouTubeチャンネルにて視聴可能となる。
そこでより大会を楽しむために注目ポイントをご紹介。
今回は、2種目が実施される中長距離種目のうち「オムニアム」にフォーカスする。
東京オリンピック銀メダリストがスイスから凱旋
東京2020オリンピックにて女子オムニアムの日本代表を務め、見事銀メダルを獲得した梶原悠未が、『2022ジャパントラックカップ』でオムニアムに出場する。
梶原は東京オリンピックの前に開催された『2020世界選手権トラック』にてオムニアムに出場し、見事優勝を果たし世界チャンピオンとなった選手。
この優勝は日本人史上初の快挙であり、梶原はその後1年間、世界チャンピオンの証であるアルカンシェル(レインボージャージ)を纏い数々のレースに出場してきた。
そして東京オリンピックに出場した梶原は、ローラ・ケニー(イギリス)やキルステン・ウィルト(オランダ)、エリサ・バルサモ(イタリア)などの世界屈指のスター選手が集結するなか、途中落車のアクシデントに巻き込まれたものの最終的にオムニアムを2位でフィニッシュ。
伊豆ベロドロームにて堂々の銀メダルを獲得し、種目終了後のバンクでは日本代表のチームバイクを大きく掲げ観客の声援に応えた。
2020年の世界選手権で金メダル、東京オリンピックで銀メダルを獲得した梶原は、その活躍から2021年に初開催となった『UCIトラックチャンピオンズリーグ』への招待を受け、世界最高峰の選手が集う本大会に出場。1着でフィニッシュするレースもあり、スター選手らとともに大会を盛り上げた。
一方で、2021年12月に伊豆ベロドロームで開催された『2021全日本選手権トラック』には、トラックチャンピオンズリーグと日程が被ってしまい出場することができなかった。
2021年の全日本タイトルをかけた戦いには参戦できなかった梶原だが、2022年に出場した全3大会では以下のような好成績を残している。
開催月 | 大会名(開催地) | 出場種目 | 結果 |
4月 | ベルギー国際トラックミーティング (ベルギー・ヘント) |
スクラッチ | 2位 |
エリミネーション | 2位 | ||
ポイントレース | 優勝 | ||
オムニアム | 3位 | ||
ネーションズカップ第1戦 (イギリス・グラスゴー) |
エリミネーション | 優勝 | |
オムニアム | 優勝 | ||
5月 | ネーションズカップ第2戦 (カナダ・ミルトン) |
スクラッチ | 4位 |
オムニアム | 4位 | ||
マディソン | 4位 |
直近の出場となるネーションズカップ第2戦(ミルトン)こそメダル獲得まであと1歩の結果となったが、その他の全レースでは表彰台入りを果たし計6枚のメダルを掴む活躍をみせた。
また、梶原は2022年よりUCIウィメンズコンチネンタルチームの「WCC Team」に所属しており、ロード種目にも積極的に出場している。
「WCC Team」とは、スイス・エーグルにあるUCI本部に併設されたWCC(World Cycling Center)のロードレースチームだ。世界基準の設備や環境の下で、各国から集まった選手たちと共にトレーニングを積み、トップチームがひしめくヨーロッパのロードレースに頻繁に出場している。
※7月中旬にも梶原はWCCの選手としてロードレースの大会に出場した※
5週間のトレーニング期間を終え、今日からスイス🇨🇭でロードレース3つ、7月31日には日本🇯🇵でジャパントラックカップに出場します!
最高の景色の中でトレーニングに集中できたのも #光英科学研究所 #石心会 #TEAMYumi のサポートのおかげさまです。#TikTok ぜひ見てください https://t.co/u60MOfQUTp
— 梶原 悠未 Yumi Kajihara (@Yumi_Kajihara) July 16, 2022
そんな梶原がついに、伊豆ベロドロームのバンクへ東京オリンピックぶりに凱旋する。『2022ジャパントラックカップ』は、さらなる経験と実績を世界各地で積み上げた梶原の走りを、2022年では国内で初めて見ることができる大会ということになる。
梶原とともにナショナルチームメンバーとして活躍する内野艶和や古山稀絵らも出場する女子オムニアムで、どんなレースが繰り広げられるのか、注目したい。