昨日(6月30日)、静岡県の富士スピードウェイにて開催された、全日本選手権。最終日ロードレースに出場した新城幸也(バーレーン・メリダ)からレース結果・コメントが届いた。
27日の個人タイムトライアルが7位に終わった新城は、コンディションを取り戻すため、一時、都内の自宅に戻り治療を行い、30日の全日本選手権に臨んだ。
すべての展開に自ら対応しなければならない
富士スピードウェイに設定された1周10.8kmのコースを21周する227km。
朝から雨が降り続き、時おり強い風が吹き付け、雨足が弱まると霧が立ち込めるという悪天候の中、152名の選手が出走。
1チーム8名で出場しているような国内チームに対し、単騎での出場となる新城、同じくトレックセガフレードの別府選手らは「すべての展開に自ら対応しなければならない」という、全日本選手権ならではの状況。そんな中で「ワールドツアーライダーの意地」を見せたこの2名の選手が積極的にレースを動かし、完走者25名というサバイバルな展開に持ち込む。
集団が30名程度に絞り込まれた残り30km。新城を含む3名の先頭グループが形成される。新城以外の選手はペースを上げることが出来なかったため、新城は後続との差を広げるために自ら積極的に前を牽きつづけ、その差は1分まで開き、後続集団はけん制が始まる。
新城を含む先頭3名から1名の選手が脱落し、新城と、シマノレーシングの入部選手との一騎打ちとなり、それまで「疲れて先頭を牽けない」とアピールし、新城の後ろでうまく体力を温存していた入部選手がスプリント勝負を制し、新城は2位に終わった。
「ワールドツアー選手としてのプライドを持って走った」
まずは全日本選手権に出場できたことに感謝しかありません。
結果については本当に悔しいという気持ちです。全日本王者らしい勝ち方を目指しましたが、最後は入部選手を千切れなかったことが甘さです。入部選手は三味線を弾いた(体力が残っていないフリをして、前を牽かない)と言っていましたが、そんなことはすぐに分かりました。アタックについてくるわけですから…。
国内のチームは人数を揃えて臨みましたが、僕や別府さんは単騎での戦いを強いられます。
前半から厳しい展開にしてくれたのは別府さんが積極的に動いてくれたからで、僕も別府さんもワールドツアー選手としてのプライドを持って走り、別府さんの動きがこのレースを作りました。
3月の落車での怪我から今回が本当の意味での復帰戦です。事故の当初のコンディションはゼロではなく、もはやマイナスでした。しかし、沈んだ分はさらに上げることができます。これからコンディションを上げていき、この悔しさは今後のシーズンに活かします。
皆さんのサポート、応援ありがとうございました。
『チャンピオンを決めるレースはチャンピオンらしい勝ち方をしなければ。』と言った新城の走りをチームカーから見守り、勝てなかったけど、これが新城幸也の走りだ‼️本当にここまで戻ってこれたんだと涙が出た。
TEAM YUKIYAの皆様、変わらず応援し続けてくださる皆様、本当にありがとうございました。 pic.twitter.com/WBwZBQ21KE— MIWA ARASHIRO 新城美和 (@iimiwa) July 1, 2019
次回レース予定
新城は7月24日~イタリアでのレース『アデリアティコ』へ出場予定。
Text:Miwa IIJIMA
『TEAM ユキヤ通信 2019 №19』
01 July 2019 at Fuji Speed Way JAPAN
―Japan National Championship RR―