オリンピックのロードレースのコースの一部となっている富士スピードウェイ。自動車サーキットを利用して行われている今年の全日本選手権ロードレースの大一番、男子エリートロードが行われた。

男子の参加は計152人。レースは計227km(10.8kmX21周)で行われた。出場選手には新城幸也(BAHRAIN MERIDA)、別府史之(Trek – Segafredo)のベテランを始め、去年の王者・山本元喜(KINAN Cycling Team)など、日本一を決めるに相応しい選手が揃った。またトラックナショナルチームの中長距離からは窪木一茂近谷涼橋本英也(ここまで3人はTEAM BRIDGESTONE Cycling)、一丸尚伍(シマノレーシング)、新村穣(CS Slinger)が参戦した。

序盤から積極的な展開

レースは4周目から先頭でアタック合戦が始まり、どんどんと集団の数が減っていき、序盤から積極的な展開となる。7周目で一旦落ち着くと、そこからは徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)が一人で逃げて、それを追う60人ほどの大集団となる。

逃げる徳田は15周目で吸収され、再び集団は1つとなって。次の展開を待つ。
ここからメイン集団のペースが上がり、16周目では、ここまで集団に付いていった橋本英也も遅れてしまう。

17周目で4人の選手が集団から抜け出すと、その後もアタックが散発。18周目に入ると小石祐馬(Team UKYO)のアタックに付いていった新城幸也と数人が集団から抜け出すも、再び集団に追いつかれてしまう。

2019全日本選手権ロードレース

小石祐馬(Team UKYO)

迎えた19周目、新城幸也、入部正太朗(シマノレーシング)、横塚浩平(Team UKYO)が一気に加速し集団から抜け出すと、今度は集団との差がどんどんと広がっていく。残り2周となる20周目に入ると、後ろのメイン集団との差はおよそ1分まで開き、前の3人が逃げ切りを目指す形に。

最後までスピードを落とさない3人の先頭集団

最終周回に入るまでにその差は縮まらず、逆に追いかけるメイン集団は散り散りとなり、先頭を追うのは1分12秒遅れで5人、その30秒後ろに2人、その30秒後ろに更なる集団という形になった。

2019全日本選手権ロードレース

新城幸也を中心に最後までスピードを落とさない3人の先頭集団。残り5km付近の登りで新城幸也がアタックすると、横塚が付いていけずに距離を開けられてしまう。

そして新城幸也と入部の一騎打ちとなったレース。最後の1kmで新城幸也が仕掛けるが、入部は後ろに付き、前に新城幸也、後ろに入部となってゴールスプリント勝負へ。

少しずつスピードを上げていく両者だが、ラスト150m付近で入部が一気にスプリント勝負に出ると、新城幸也は追いつけず。最後は1車身程度の差で入部がフィニッシュラインを先に切ることに成功した。

男子エリートロードレース、優勝は入部正太朗(シマノレーシング)、2位に新城幸也(BAHRAIN MERIDA)、3位に横塚浩平(Team UKYO)。

リザルト

「最高の気分」「悔しい」「悔いはない」三者三様のドラマ/男子エリートロード・2019全日本選手権ロードレース