「諦めなくてよかった」43歳初優勝、佐藤慎太郎

まず全力で先頭を取りました。それがひとつめの仕事でしたね。何本もGⅠを取っている新田の後ろを走れば良いということで、気持ち的に楽な部分もありました。

ゴール直後は勝ったかどうかすぐには分からなかったです。ファンの方が「慎太郎だ!」と言ってくれていて、ビジョンを見たら僕が写っていたので、僕が勝ったんだ、と。以前確かめずにヘルメットを投げて恥をかいたことがあったので、今回はしっかり確かめてからガッツポーズしました(笑)

KEIRINグランプリ2019

今回は13年ぶりのグランプリでした。

当時のようなギラつきや、ガツガツした感じがなく、落ち着いて過ごせたのは良かったと思います。

「もうダメだ」と思ったことはこれまで1度もありませんでした。「いつかまたグランプリに出られる、そしてGⅠも獲れる」と思ってやってきました。それを支えてくれた人たち、ファンの皆様に少し恩返しができたかなと思います。

KEIRINグランプリ2019

レースジャージを観客へ投げ込むファンサービスも

優勝したことで来年1年間、1番車になります。

1番車は位置どりが大変ですよね。「1番車の重圧」というよりは、レースの中での1番車の責任を感じています。

この優勝で賞金王となりました。

競輪王、ダービー王、夜王・・・何か「王」をつけたいなと自分で思ってました。その中でも最高の賞金王になれて嬉しいです。

1億円の賞金、使い道はどうしますか?

いえ、現実的な話になるんですが、・・・・税金が大変なので(笑)。そこに備えて油断せずに、財布の紐を引き締めたいと思います。

来年1年間をどのように走りたいですか?

過去には「やっと1番車のユニフォームが脱げる〜!」と言って引退した人もいますが(笑)、そうではなく、僕は生涯競輪選手でいたいと思っています。また来年も再来年もこのグランプリの場に来られるよう、諦めることなく、デビューからここまでずっとやってきたことを、一つ一つやっていくだけです。一戦一戦、一日一日、一本一本、一歩一歩、ですね。

最後に、ファンの皆さんにメッセージを。

強い時だけじゃなく、ちょっと調子が悪い時や「もう慎太郎は終わりなんじゃないか」と言われた時期もありました。諦めずに応援を続けてくれた皆さんと喜びを分かち合えて、本当に嬉しいです。それが本当に、1番嬉しいです。また引き続きよろしくお願いします。

脇本雄太「っあ”〜!」、新田祐大「本当に嬉しい」