6月3日からついに始まる「競輪ワールドシリーズ2026」。More CADENCEではこれまでに選手たちのプロフィールやインタビューを紹介してきたが、さらなる情報として彼らが短期登録選手資格を得るまでの実際の“トレーニング”の様子をお伝えする。

競走訓練とは

日本競輪選手養成所などで行われた「競走訓練」。この競走訓練とは、実際の競輪のルールに基づいて本番さながらのレースを行い、日本の競輪に出走する際の最低限のマナーやルール、そしてもちろんレースを体感し、普段取り組んでいる自転車競技との異なる部分を確認する場でもある。

深谷知広、古性優作、鈴木奈央、久米詩など競輪界を代表するビッグネームが来訪

競走訓練,競輪ワールドシリーズ2026,伊豆

深谷知広

この競走訓練を行うには人数が必要なため、日本競輪選手会静岡支部からS級1班の深谷知広を筆頭に猛者たちが集まった。

競走訓練,競輪ワールドシリーズ2026,伊豆

古性優作

静岡支部に所属していないが、なぜかその場にいたのは先日のダービーを制したS級S班の古性優作(大阪支部所属)。脇本雄太選手に競走訓練への参加を誘われたものの、結果として1人で来ることになったとのこと。

競走訓練,競輪ワールドシリーズ2026,伊豆

マチルド・グロ、ヘティ・ファンデルワウ、静岡支部所属の杉沢毛伊子、鈴木奈央、久米詩、野寺梓

加えてガールズケイリンで活躍する静岡の久米詩、鈴木奈央らもこの訓練のために集った。

競走訓練は2日間にわたって行われ、その都度にメンバーが変わりながらレースが行われていく。

ラインの組み方、組んだらどう走れば良いのか、競技のカーボンフレームとは異なる鉄フレーム(※これは男子のみだが)での踏み込み、そして位置獲りやブロック(※こちらも男子のみ)などの経験を積んでいく外国人選手たち。

初日は晴天の中でのレース、そして2日目は雨の中でのレースとなった。

打鐘は深谷、スタートの合図は古性 選手たちによる“リアル体験”

競走訓練,競輪ワールドシリーズ2026,伊豆

黒がラブレイセン、緑がリチャードソン

実際のユニフォーム、ヘルメットを身に纏い、完全に競輪使用で訓練に臨む選手たち。“脚見せ”→入場→スタート確認→レース→レース後の同地区の自転車受け取りなど、一連の動作を学ぶ短期登録の選手たち。

レース後には動画を確認しながら審判から動きに対しての良し悪しの講義を受けるなど、競走訓練は数を重ねるごとに熱を帯びていく。

そしてリアルな競走を行うためにはたくさんのスタッフが必要なため、深谷が打鐘係、古性がスタートの号砲を打つなど、この時にしか見れないレアな運営となった。

ラブレイセンが鉄フレームに苦戦

男子はレースで選手たちとラインを組みながらの訓練。印象的だったのは“世界最強のスプリンター”、ハリー・ラブレイセンが苦しんでいたこと。レース前に鉄フレームを体験した感想を聞いたところ「固いカーボンフレームとは異なり、一気にフルパワーで踏み込むとフレームがしなるから加速が難しい」と語っていたラブレイセン。

競走訓練中も普段のパワフルな走りができずに、パワーがあるが故の“出力調整”に難しい表情を見せていた。しかし、慣れない中でも実力の片鱗は見せていたため、これからの乗り込みによって間違いなくモンスターのような走りを披露してくれる期待を抱かせるレースとなった。

一方、過去に経験のあるジョセフ・トゥルーマンはさすがの適応能力を見せ、リチャードソンも競走訓練前に乗り込むなど、鉄の自転車への適応は徐々に進んでいる印象を受けた。

女子選手たちは自転車のメーカーは異なるものの、普段と同じカーボン製に乗車するため、いつも通りのレースを展開。

ヘティ・ファンデルワウとエレセ・アンドルーズが力強さを見せて1着を繰り返して獲得していく。

全員が「短期登録選手資格検定」に合格

外国人選手の中で唯一日本語でコミュニケーションが取れるトゥルーマン。古性とラインを組んで走り、その後に大阪支部にスカウトされるなど、現場は熱を帯びながらも和気あいあいと訓練が実施された。

研修期間を無事に終えた6人の外国人選手たちは、全員が選手資格検定に合格し、6月2日から防府でスタートする『競輪ワールドシリーズ2026』の準備を終えた。

別の記事では男子選手3人を中心とした競走訓練の感想、そして訓練に協力した深谷知広からの目線なども紹介していく。

各選手のプロフィールや、ロングインタビュー記事などはこちらから

「競輪ワールドシリーズ」とは?

1982年より「国際競輪」としてスタート、2009年より「短期登録制度」として行われていた外国人選手招聘レース。新型コロナウイルス感染症の影響などもあり2020年度以降中断されていたが、7年の時を経て復活する。

2026年6月より実施

「競輪ワールドシリーズ」として、2026年6月から8月にかけて10節が実施される予定の外国人選手招聘レース。男女それぞれ3名ずつが招聘され、男子は「G3又はF1」、女子は「F1」に出場することとなる。

2026年8月6日(木)〜9日(日)にかけては和歌山競輪場にて「ワールドサイクリスト支援競輪」が開催。女子選手はこの開催内で単発レースが行われる予定。

招聘選手一覧:

ハリー・ラブレイセン
マシュー・リチャードソン
ジョセフ・トルーマン
ヘティ・ファンデルワウ
マチルド・グロ
エレセ・アンドルーズ

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