タイトルホルダーとして挑むKEIRINグランプリ2022を前にした、古性優作にインタビュー。「データの男」になりつつある最近の練習の様子を伺った前編に続き、後編では先輩・村上義弘のレースと重なった自身のKEIRINグランプリ2021の思い出などを語っていただいた。
インタビュー前編はこちら▼
地区プロで「打倒ワッキー作戦」
Q:地区プロはいかがでしたか?(2022年11月16日に実施 1着:山田久徳、2着:古性優作、3着:脇本雄太)
カーボンの自転車に乗る機会はあまり無くて、毎年地区プロではドタバタしながらセッティングしています。でも今年はカーボンの練習を増やしていたので、いつも通りというか、逆に集中してできたかなと思います。
今年は脇本(雄太)さんとかも参加してましたから「どんなんだろう」と思っていて。同地区なので対戦することがあまりないですから、楽しみでした。
Q:地区プロから全プロに出場し、その成績によって寬仁親王牌のシード権を得るという「競輪的な利点」があります。とはいえS級S班だとそれも関係ないとは思うんですが、古性選手にとって地区プロに出ることはどういう位置付けなんでしょう?
近畿で別線で走ることがほとんどないですし、対戦が楽しみ、というのが大きいです。本気でやりたいなと思っていました。
Q:今年の近畿地区プロのケイリンでは山田久徳選手が1着、2着が古性選手、3着が脇本選手。脇本選手に勝って「してやったり」という気持ちもありましたか?
脇本さんに勝つチャンスを考えた時、脇本さんが踏み出すか踏み出さないかくらいのタイミングで、こっちが先に出ることが必要だと思いました。『ワンテンポずらしてやる』という。直前まで脇本さんの後ろについて、理想通りに出来はしたのですが、(山田)久徳さんがめちゃくちゃ強かったですね。
Q:主導権を渡さなかったレースでしたね。
主導権渡したら一瞬で終わるんで(笑)
Q:先日脇本選手にインタビューした時「みんなが自分を待つから主導権が取れる」と話していました。長く駆けられる脇本選手を、さらに上回るところから仕掛ければ、こういう結果になるんですね。
そうかもしれないですね。レースはワンチャンスしかないので、緊張しました。あれより仕掛けが早くても遅くてもいけなかったし、あのタイミングじゃなきゃダメでした。それで展開が向いてくれれば……と。緊張しました。
練習だって緊張する!
Q:「G1だから、グランプリだから」と頑張るわけではなく、目の前のレースに一生懸命に取り組んだ結果、優勝がついてきたという感覚でしょうか?
そうですね。気を引き締めながら1戦1戦積み上げるものだと思っています。手を抜くと積み上げられないですから。手を抜いたらそこでお終いですし、戻ってこれないと思っています。
Q:とはいえ、G1の決勝となるとやっぱり緊張は大きいですか?
いやいや、毎回全部緊張します!地区プロも緊張しましたし、記念も緊張しますし。緊張するのは本能だと思っています。練習だって緊張するくらいです。
Q:練習で緊張というのは、それだけ緊張感を持たないと質の良い練習にならないということでしょうか?
そうですね。起きてバンクに来るまでの間に緊張しています。その日のベストを出す、一滴残らず力を出し切る、ということを考えると、ドキドキしてきます。出し切れるだろうか、という怖さもあって、それもまた緊張感なのかなと思います。
Q:それはいつまで続くのでしょう?
どうなんでしょう(笑)でもその緊張が嫌じゃないですし、それがなくなったら面白くないやろなあとも思います。
力がもともとあったタイプではないので、ちょっとしたことでも積み上げていかなければ置いていかれると思っています。100%の練習をして、それを100%身につけたい。そんな思いです。