限界を作りたくはない

Ian Melvin

団体追い抜き、オムニアム、マディソンとありますが、現状可能性が最も高いのは?

難しい質問ですね。

このチームはまだまだ成長の余地があります。有り過ぎますね。なので何か1つをピックアップするのは、現状では難しいです。

特に女子団体追い抜きは潜在能力、能力向上の余地が大きいと思います。オムニアムの男女も同じくですね。

女子マディソン

1年毎に同じ質問をしてみてください。もっと確実なことが言えると思いますよ。今はまだ始まったばかりなので、何かの種目に照準を合わせて他に目を向けないということは行いたくないですね。とにかく全ての種目でどこまでいけるのか、限界を作りたくはないので、いけるところまでいってみたいです。

まだ日本チームにきて日が浅いことは重々承知の上なのですが、ワールドカップで何を達成、目標としていますか?

選手たちに期待しているのは、今持っている力を全部出し切ってもらうことです。

ワールドカップはあまり関係ないとは言いませんが、もっと大事なのはパフォーマンスや結果に至るまでのプロセスですね。直前の合宿では良い練習ができました。男女共に全てがうまくいけば現状で結果もついてくるかもしれませんね。

日本のアドバンテージはオリンピック会場が本拠地

では、シーズン、世界選手権での目標は?

同じような答えになってしまいますが、今年は限界までプッシュする期間です。今シーズンやれることは限られていますからね。

オランダの世界選手権のあと、それからが真の始まりと言えます。今はシステムを作ったり、全ての基盤を作る期間です。3月からスタートを切れるように準備しているところです。

では日本に住み、びったり指導していくと?

試合などの間隔、場所を考えると、国際的なレースがとても多いので、スタッフも選手もどこかにずっと居るというのは難しいと思います。

私に関して語れば、家族はオーストラリアに住むことになっています。子供が2人いるのですが、オーストラリアで高校に入る予定です。

伊豆ベロドローム

伊豆ベロドローム

私は伊豆にいることが多くなるでしょう。日本チームの大きなアドバンテージはオリンピック本番で使われるトラックが本拠地ということです。

ほとんどの国の選手たちは1年前とか6ヶ月前にしか伊豆のトラックを経験することはないでしょう。なので、我々に必要なことは伊豆のトラックでできる限り長い時間練習することです。ですから日本は私の第2の故郷になるでしょうね。ホームトラックが本番で使われるのは大きなアドバンテージですよ。

「現実的」これがキーワードです

では、スケジュールというか理想の3年間の1年ごとのゴールなどありますか?例えば2019年には絶対に表彰台に上がってなければならないなど

現実的にならなければいけません。「現実的」これがキーワードです。我々が頑張ってレベルを上げるように他の国も同じようにレベルアップしていきます。

少し前までは頭に「この時期までにこんなパフォーマンスが必要」「こんな結果が必要」と考えていましたが、おそらくその理想を語るには1年くらい掛かるのではないかと思っています。

同じことを言いますが、それが判るまでは全力で選手たちをプッシュしていくのみです。

ナショナルチームへの扉はいつでも開いている