秋から始まる新シーズンは2020年東京オリンピックへ向けた出場枠争い。その重要なシーズンを前に渡邉一成選手が昨シーズンを振り返る。オリンピックへ4回目の出場を目指すストイックなアスリート、その男が考える“世界と戦うために必要なこと”とは。
落車で始まってしまった2017-18シーズン
昨シーズンを通し、得た事や気づいた事、手応えはありましたか?
昨シーズンの初めは順調にトレーニングを重ねて、結果もそろそろ出るかって時に、ポーランドのトラックワールドカップ第1戦、ケイリンでの落車から始まりましたね。僕の中ではちょっと棒に振ってしまったシーズンとなってしまいました。
ただ、チリのトラックワールドカップ第4戦でケイリンでは決勝に乗れました。チームスプリントとケイリンが一緒の日だったので、本当にタフなレースでしたね・・・・。決勝に乗ったのはいいけど、本当にギリギリの状態で走ってたんです。体は動かなかったけど、気持ち的に「ここだ!」っていうところで、僕の後ろからワッキー(脇本雄太選手)が行って、金メダルを獲りました。
タラレバですけど、体調が良ければチャンスがあったのかな?と、すごく悔しい思いをしました。ケイリンの決勝は第4戦しか走れることができなかったし、世界選手権ではケイリンには出場できませんでしたから。
1年間を通しブノワコーチ(ブノワ・ベトゥ短距離ヘッドコーチ)のトレーニングを受けて、マイアミ合宿にも参加したんですが・・・なんて言うんですかね。脚力と気持ちのバランスが、脚力に付いてこなかったのかな?っていう部分はあります。
というと気持ちに問題があったということでしょうか?
今まで負け癖じゃないですけど、どんな相手と戦っても「こいつ俺より強いのかな?」「何してくるのかな?」って気持ちで負けている部分がありました。そこをブノワコーチから口酸っぱく言われていたのですが、注意されていた部分がモロに出たシーズンだった様に感じます。