2021年の8月2日から8月8日の7日間に渡り、東京2020オリンピックのトラック競技が行われた。世界新記録が次々と塗り替えられたこの数日間、会場や放送等で観戦していた人々はそのスピード感に驚いたことだろう。
それにしても、なぜこんなにたくさんの世界新記録が出たのか?
もちろん、各国が尽力して用意した最高水準の機材を使用したこと、選手たちがオリンピックに照準を合わせコンディションを最高に仕上げたことなどが理由に挙げられるが、今回は会場となった「ベロドローム」に焦点を合わせ、世界新記録ラッシュの背景と理由を考察していく。
ベロドロームとは
ベロはフランス語で「自転車」、ドロームはラテン語で「競技場」を意味する。2021年現在のUCIルールでは、オリンピックや世界選手権自転車競技大会の開催は、250m走路を使用することが定められている。
伊豆ベロドローム
東京2020オリンピック トラック競技の会場となったのは、静岡県伊豆市・修善寺に位置する、日本初の常設屋内型木製トラック競技場である「伊豆ベロドローム」。
2000年のシドニーオリンピック以降、国際大会でのトラック競技は室内の木製トラック250mで行われることになった。当時日本には国際規格の施設がなかったことがきっかけで建築が始まり、2011年10月に「伊豆ベロドローム」が完成。設計は、ラルフ・シューマンが担当した。
競技面にはシベリア松が使用されており、湿度による変形を防ぐための徹底した管理が行われ、落車等で傷付いた面はカンナやノミなどを使用して日々手作業で修復されている。
伊豆ベロドロームではシベリア松を使用しているため、湿度管理をしており、45%〜65%に収まるように設定しております。
湿度によって木が曲がったり変形するなど走行選手にとって危険な事になるので徹底してます。
伊豆ベロドロームを走行する際はサングラスが必要ですね。😎😎😎😎😎😎😎😎😎😎😎😎😎😎 pic.twitter.com/KPZzKvVN8y— izu velodrome (@Izu_Velodrome) September 18, 2020
参考:伊豆市観光情報サイト