2017-18シーズンのトラックワールドカップ第1戦がポーランドのクルシュクフで行われ、マンチェスターで行われる第2戦が今週末に迫った。第1戦の日本人選手の結果を中心に振り返り、第2戦の行く末を占おう。

第1戦は短距離チーム、ブノワジャパンが参加

トラックワールドカップ第1戦は日本から短距離選手だけが参加した。

短距離チームはここ数年で、雰囲気とコンディションが最も良い状態に見える。ブノワ・べトゥ監督の新体制になってから、およそ1年。選手たちからも自信がみられ、第1戦では結果こそ振るわなかったものの、あとは歯車さえ噛み合えば上手く回り始めのではないか?と期待させる状態だ。

男子

ケイリン

特に個人種目、ケイリンへ出場した新田祐大選手、脇本雄太選手、渡邉一成選手、そしてスプリントに出場した河端朋之選手。この4人はケイリンで表彰台へ上がる実力は十分にある。第2戦こそ、表彰台に上がる姿を期待したい。

因みに第1戦の敗者復活戦で強豪相手に見事な走りを見せた渡邉一成選手だが、大事をとって第2戦への出場をキャンセルして帰国している。

男子ケイリンはブフリが優勝。新田11位、脇本12位、渡邉落車で救急搬送/2017-2018トラックワールドカップ第1戦男子ケイリン

スプリント

第1戦のスプリント予選タイムは、1位のHarrie Lavreysen選手 (オランダ)が9秒649。10位のEthan Mitchel選手(ニュージーランド)で9.821。対する日本勢は9秒9~10秒1と、トップスピードだけで考えるともう一歩成長の必要がある。

とは言え、今回スプリントに参加した3選手(新田、河端、脇本)とも、200mタイムトライアルの自己ベストは9秒台であり、昨シーズンまでを考えると大きな進歩を遂げた状態だ。ブノワ体制になり、着実にレベルアップしている状態だからこそ、第2戦では1歩突き抜ける結果を期待したい。

男子ケイリンはブフリが優勝。新田11位、脇本12位、渡邉落車で救急搬送/2017-2018トラックワールドカップ第1戦男子ケイリン

チームスプリント

日本代表のチームスプリントはまだまだ手探り状態といったところ。第1戦でドリームシーカーの第1走を走った長迫吉拓選手と、JPCの第1走を走った雨谷一樹選手はは自己ベストを公式試合で更新し、良い結果を出している。2人のタイムはほぼ同じ17秒5台なので、これがあとコンマ2~3上がればトップチームと戦える。

第2走、第3走については今後のチーム編成が鍵となりそうだ。第1戦はドリームシーカー(長迫/新田/深谷)、JPC(雨谷/渡邉/河端)という布陣であった。チームスプリントは誰がどこを走るかでタイムが大きく変わる種目のため、ブノワ監督も編成に悩むところだろう。

今後、日本ナショナルチームに加わったばかりの深谷知広選手が、どこまで伸びるのか?第1戦でチームスプリントへ出場していない脇本雄太選手は3走としてどうか?2走は新田選手と渡邉選手、どちらが適しているか?など、試合の中ではトレーニング時と異なる部分が浮き彫りになるため、ブノワ監督の最終的な狙いが見えるまで、テスト要素を含むレースとして追っていきたい。

前田佳代乃・太田りゆ日本新記録も予選通過ならず/2017-2018トラックワールドカップ第1戦1日目チームスプリント

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