『2026年UCIグランフォンド世界選手権』が北海道・ニセコで開催。日本の選手としては女子76km・50-54歳クラスで仲村陽子が優勝し、アルカンシェルを獲得した。

本記事では大会概要のほか、この大会が日本で行われたことが今後にどう繋がるのかについてご紹介する。

グランフォンドとは

グランフォンドとはイタリア語で「大きな移動」の意味。自転車の用語としては、山岳を含んだコースでの長距離レースを指す。

美味しい補給食や景色を楽しみつつ、自分のペースでの完走を目指すような大会もあるものの、トップレベルの大会になればロードレースと変わらないような勝負が繰り広げられる。

中でもUCIが管轄するグランフォンドレースは、プロ選手の参加を禁止しているのが特徴。「アマチュア最高峰のレース」としてのステータスを持っている。

参考:【Roppongi Express 高岡さん】 グランフォンド世界選手権への挑戦 | ビオレーサー

『2026グランフォンド世界選手権』

2026年のグランフォンド世界選手権は、8月27日から30日にかけ、北海道・ニセコで開催された。アジアでのグランフォンド世界選手権の開催はこれが初めて。

大会ではタイムトライアル、チームリレー、グランフォンド(140kmロードレース)、メディオフォンド(76kmロードレース)が実施。ロードレース種目では19歳から50歳以上の部まで年齢と性別ごとに細かくカテゴリが分けられ、各カテゴリの「アマチュア世界一」が決定される。

日本の選手としては男子は60歳以上、女子は50歳以上が出場するメディオフォンドの女子50-54歳クラスで仲村陽子が優勝し、アルカンシェルを獲得した。

https://x.com/Bioracer_japan/status/2093926287807246376

参考:2026グランフォンド世界選手権テクニカルガイド(PDF)
2026 UCI Gran Fondo World Champions awarded in 22 categories

10年以上の大会開催実績があるニセコ

アジア圏で初めてグランフォンドの世界選手権が開催された北海道・ニセコ。ニセコでは2014年以来グランフォンド・ワールドシリーズイベントである『ニセコクラシック』が開催されてきた。北海道の雄大な景観の中で走るこのイベントは、国内外のサイクリストを魅了し続けている。

世界選手権は2026年8月の開催だったが、この開催日程が発表されたのは2024年6月。大会を開催するということは、警察と連携した交通規制、近隣住民の理解、運営のための適切なスタッフ配置など、さまざまな要素が必要となる。ニセコクラシックを10年にわたって開催してきた実績があってこその開催決定だっただろう。

参考:The UCI publishes the 2025 UCI Women’s WorldTour and UCI WorldTour calendars | UCI
アマチュア自転車競技の最高峰、UCI グランフォンド・ワールドチャンピオンシップ2026年に北海道ニセコで開催決定!| 一般社団法人HOKKAIDO EVENTS

『スーパー世界選手権』の布石になりうるか?

今回のニセコでのグランフォンド世界選手権の価値は、単なる「初開催成功」だけにとどまらない。

本大会の最終日と同日の2026年8月30日、日本自転車競技連盟(JCF)が『2035年世界自転車競技選手権』の日本招致に意欲を示していることが明らかとなった。

日本自転車競技連盟が『スーパー世界選手権』招致に意欲

 

『世界自転車競技選手権』とは、4年に1度、オリンピックの前年に開催される「あらゆる自転車競技の世界選手権を一挙に行う」大会。日本の自転車業界では『スーパー世界選手権』とも呼ばれる。

2023年に初開催され、第2回となる2027年大会には下記の20競技が開催予定となっている。

『2027 UCI自転車競技世界選手権』実施競技

2023年大会でも実施された競技
(全13の自転車競技)
トラック
ロード
パラサイクリング・トラック
パラサイクリング・ロード
BMXフリースタイル・フラットランド
BMXフリースタイル・パーク
BMXレーシング
トライアル
マウンテンバイク・クロスカントリー
マウンテンバイク・クロスカントリー マラソン
マウンテンバイク・ダウンヒル
インドアサイクリング
グランフォンド
2027年大会で追加される競技
(+7の自転車競技)
マウンテンバイク・エンデューロ
パンプトラック
トラック(ジュニア)
グラベル
サイクリングeスポーツ
★インドア・サイクルスピードウェイ
★バイクポロ

ご覧いただいてわかるように、グランフォンドも開催対象だ。

そんな『スーパー世界選手権』の2035年に開催される第4回大会を、日本に招致しようという動きが起こっているのだ。

自転車競技の本場というと、どうしてもヨーロッパになりがちで日本は大規模な大会開催実績が少ない。2021年にオリンピックを開催したことでトラック、ロード、BMX、MTBに関しては経験があるものの、非オリンピック種目となると大会を開催した経験で劣ってしまう。スーパー世界選手権招致を目指す中で、実績に乏しいことは弱点となりうる。

そんな中、無事の開催&閉幕を迎えた『2026グランフォンド世界選手権』は、大会招致のための手堅い実績となりうる。また、2026年9月末に開催を控える『アジア競技大会』も「今後の大会実績」として挙げることができるだろう。

アジア競技大会(前回大会)の様子

今回のグランフォンド世界選手権、そして日本でこれから控える大会が、スーパー世界選手権への布石になっていくのだろうか。そんなことも頭の端に置きつつ、自転車競技を広く楽しんでみるのも面白いだろう。

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