チリ・サンティアゴを舞台に、熱戦となった『2025世界選手権トラック』女子スプリント。
現地10月24日に準決勝、決勝が行われ、佐藤が活躍し会場を大いに盛り上げるレースを披露した。佐藤の走りをお届けする。
前日の準々決勝までを経て、この日まで勝ち進んだのは日本の佐藤水菜(予選5位)をはじめ、チームスプリントの金メダリストであるヘッティ・ファンデヴォウ(オランダ 予選2位)、ヤナ・ブルラコヴァ(AIN/個人中立選手 予選6位)、アリナ・リシェンコ(AIN 予選8位)の4人。
準決勝は佐藤水菜 vs アリナ・リシェンコ、そしてヘッティ・ファンデヴォウ vs ヤナ・ブルラコヴァという組み合わせ。
準決勝 相手を寄せ付けないレースを展開
1本目は佐藤が後ろ、リシェンコが前でゆっくりとレースは進む。
一周を過ぎてもスピードが上がらなく睨みあう両者だが、2コーナーで佐藤が仕掛ける素振りを見せてリシェンコをけん制すると、一気に前へ出る。一瞬でレースは逃げる佐藤を追うリシェンコとなった。
最終周回に入るところでバンクを駆け上がり、更にスピードを付けてスプリントしていく佐藤。フィニッシュラインまでリシェンコを寄せ付けずに先着した。
2本目は先行する佐藤をリシェンコが追うが、佐藤が自転車一つほどの差を保って先着。ついに決勝進出を決めた。
決勝 僅差の戦い どちらが勝っても新チャンピオン
頂点を決めるカードには、どちらもストレートで勝ち上がりを決めた佐藤vsヘッティ・ファンデヴォウ(オランダ)。この種目、佐藤は世界選手権で2024年の銅メダルが最高位、ファンデヴォウも2024年の銀メダルが最高位となり、どちらが勝っても新チャンピオンの誕生となる。
1本目。緊張感を伴いながらゆっくりとレースが進む。前にファンデヴォウ、後ろに佐藤。半周を過ぎてスタンディング状態でお互いが止まり、にらみ合う両者。
動き出しても走路ではなく傾斜のほとんど無いブルーバンドをゆっくりと進みながら1周が終わる。
レースを動かし始めたのはファンデヴォウ。残り1周半を前に少しずつ加速していくと、佐藤との距離を2車身ほど開けて、スプリント体制へと入っていく。
追う佐藤は距離間を保ちつつ加速していくが、相手が先に仕掛けたために後手に回る展開となった。
最終周回に入り、佐藤がフル加速していくと徐々に前との差が詰まっていく。勝負は最終ストレートに入り、佐藤が並びかけ、最後はお互いがハンドルを投げながらフィニッシュラインを駆け抜ける。
勝負は車輪半分ほどの差でファンデヴォウが先着。
後が無い2本目。
佐藤が前、ファンデヴォウが後ろとなってレースがスタートする。
1本目とは展開が大きく異なり、佐藤が前でスピードを上げていき、1周があっという間に過ぎていく。残り1周半でも位置関係は変わらず、佐藤が前でスプリント体制に入っていく。
最終周回。バンクの上部へ動き、傾斜を使って加速してきたのはファンデヴォウ。前で逃げる佐藤に迫ると、残り半周で両者が並走状態となる。
3コーナーで粘る佐藤だったが、最終コーナーを立ち上がると僅かにファンデヴォウが前に出てくる。最後まで先着争いをする両者だったが、先にフィニッシュラインに届いたのはファンデヴォウ。
佐藤は2本目も僅差で届かず、決勝戦はファンデヴォウに軍配が上がる結果となった。
新スプリント世界チャンピオンはファンデヴォウ。去年3位だった佐藤は成長を見せての2位、銀メダルを獲得。3位には3本目までもつれ込んだ勝負をリシェンコが制して銅メダルを獲得した。
| 選手名 | チーム | ||
| 1位 | ヘッティ・ファンデヴォウ | van de WOUW Hetty | オランダ |
| 2位 | 佐藤水菜 | 日本 | |
| 3位 | アリナ・リシェンコ | LYSENKO Alina | AIN |

















