ここからは、2025年5月29日から6月1日にかけて静岡県・伊豆ベロドロームで開催された『2025ジャパントラックカップ I / II』の様子をもとに、プッシュアワードのポイントと注目選手をご紹介していく。
佐々木龍也コーチ

まずは2021年に「特別功労賞」を受賞した佐々木龍也コーチ。全日本トラックでは毎度、チーム楽天Kドリームスのヘッドコーチとして参加。長い時を経ても愚直に力一杯選手を送り出すスタイルが魅力だ。
佐々木コーチのプッシュにかける意気込みも相当で、日頃からプッシュのために筋トレをしているとかしていないとか。CGなしで空に浮く、その迫力あるポージングに、「芸術点」がどの程度加算されるかも見どころ……だが、残念ながら今大会にはエントリーをしていない。

ジェイソン・ニブレット短距離ヘッドコーチ
続いては短距離チームを率いる、ヘッドコーチ:ジェイソン・ニブレット。
なお、全日本選手権はナショナルチームとしての出場が無いため、ジェイソンヘッドコーチはプッシュを行わない。ただし世界最高峰の一端を担うジェイソンコーチのプッシュも参考までに紹介する。

ジェイソンコーチのプッシュの魅力は「スマートさ」だ。

この「ふわっと」感、お分かりいただけるだろうか。実際は筋肉ダルマの巨体をドスンドスンと揺らして走っているのだが、プッシュのモーションに入った瞬間から突然軽やかになる。写真で撮ったときにフォームがとても綺麗に写るのが、ジェイソンコーチのプッシュの特徴だ。
ここまでスマートに見せられるのは筋肉があるからこそ。「マッチョだからこそできるスマートプッシュ」が世界最高峰たる所以だ。

マッチョ先生
ロバート・ハンソン・心

そしてニューカマーとして注目したいのがナショナルチームの通訳 兼 お笑い担当のロバート・ハンソン・心 氏。トライアスロンやアイアンマンレースへ出場するなど身体能力は折り紙つき。通訳者でありながら、2025年の香港インターナショナルカップで何故かプッシュ国際デビューを飾った。
ロバート氏のプッシュの特徴は、何とも言えない表情と、気が抜けるフォーム。
このフォームが美しさか無駄な動きにとられるかは判断に迷うところだが、一際目をひくフォームであることには変わりない。ネットミームで使いたくなるこの絶妙なプッシュフォームにより、一躍世界の耳目を集める存在になっている(らしい)。
なお海外選手からコーチだと勘違いされていたので、『全日本選手権トラック』ではチーム楽天Kドリームスが本当にコーチとして起用。そういうのアリなんだ。
審査員には脇本雄太、新田祐大らが!
第94回全日本自転車競技選手権大会トラックレースは8月22日〜25日に開催。
スプリントは大会2日目(8月23日)を予定しており、予選は午前中に開催される見込み。審査対象種目は男女エリートとなる。
気になる審査員は、脇本雄太、新田祐大、鈴木奈央という元ナショナルチームメンバーを含む5名!

美しいプッシュを受ける脇本雄太
プッシュ“されていた側”の、貴重な意見が審査に反映されることとなりそうだ。
なお、表彰は大会2日目の大トリ(20:00)として実施される予定とのこと。なんと「チャンピオンジャージ」が授与されるほか、副賞も用意されているという情報もある。謎に力が入っている。
なお、今回紹介した3人の“注目選手”はナショナルチーム(日本代表)関係者だが、本大会には学生や競輪選手など、さまざまな選手が出場する予定。したがってプッシュアワードを受賞するのも、上記3人には限らない。
スプリントはぜひ、現地・配信で『予選から』見てください!選手たちの熱戦とコーチ陣の熱戦(???)をお見逃しなく。

いよいよ開催が目前に迫った『全日本選手権トラック』。日本一を決めるレースはもちろんのこと、プッシュアワードを含め、さまざまなイベントが予定されているので、ぜひ現地での観戦を!
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