きっかけは弱虫ペダル(無料試読)

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目標は「豪邸と良い車」

Q:当時24歳、競技を変えるには覚悟が必要だったと思います。他の道は考えなかったですか?

スポーツ以外は考えられなかったです。バイトもいろいろやってきて、それなりに働けていたとは思うのですが、刺激がないというか……。あとはやっぱり、大金を稼ぎたいという思いが大きかったです。

Q:ストレートですね。大金を稼いで叶えたい夢は?

豪邸と良い車です(即答)。

Q:良いですね(笑)。憧れの車は?

これというのはないですけど、スポーツカーが良いですね。中野慎詞選手が乗っているGT-Rとかすごくカッコいいです。ラグジュアリーカーとの2台持ちが理想です。

「才能あるな」って思います

Q:自転車の魅力に取り憑かれた部分もありますか?

自転車自体にもすごくハマっていますね。ただ、「強いから、勝てるから楽しい」と感じている部分が大きいかもしれません。自分で言うのもなんですが……「才能あるな」って思います(笑)。

昔から身体能力には自信があったのですが、自転車に乗っても速かったので「これは天職かも」と思いました。

Q:野球選手時代は脚力が武器のひとつだったと伺っていますが、だいぶ体型も変わったのではないでしょうか?

脚も太くなって、体重は88kgまで増えました。
走るのはだいぶ遅くなったと思いますが、昔から“ゴツいのに速い”というタイプだったので、1ヶ月もあれば戻せると思います。

Q:体重について、ジェイソン・ニブレットコーチから減量の指示は出ていないですか?

体重は増えましたが、体脂肪率は12%くらいなんです。インボディ測定(体組成の状態を点数化する検査)でも99点とかなので、フィジカル面では問題ないですね。

Q:食事も気をつけていますか?

養成所に入ってから意識するようになりました。それまでは練習量が多すぎて、1食で米3合とか普通に食べてました。今は、ご飯400グラム(1.5合弱)、肉150〜200グラムなど、河村(美樹/HPCJCのスポーツ栄養士)さんから受けた指示を守っています。

Q:そういった厳しい管理は、辛くないですか?

練習と私生活を頑張れば、勝てるし稼げる。良いことしか待っていないと思っています(笑)

ターニングポイントは2024年全日本選手権トラック

Q:養成所時代からHPD教場でトレーニングを積んでいましたが、卒業するタイミングで、中野浩一さんから「世界を目指す気はあるか?」と聞かれて、ナショナルチーム入りとなったそうですね。

はい。じつは、最初はHPD教場も断っていたんです。でも、瀧澤所長に「それはもったいない。ナショナルチームに入るかどうかは別としても、強い人と練習して自分の引き出しを増やすべき」と背中を押されました。

ただ、師匠からは「中途半端にやるのは失礼に当たる」と言われて悩んでいたのですが、去年の『全日本選手権トラック』で三神や市田の走りを見て、「負けたくない」と思ったんです。そこで、「本気でやろう」と決めました。

Q:競技との二足の草鞋は、リスクも伴うとは思いますが、気にはなりませんでしたか?

良くも悪くも鈍感で、カーボンでも鉄でも気にならないんです。両方速くなれば、と思ってます。

強い選手が周りにいることで強くなれる

Q:現在の練習環境はいかがでしょうか?

すごく嬉しいです。地元ではずっと自分がアマチュアの中で1番だったのですが、養成所に入った時に“上には上がいる”と感じました。そこから卒業の頃には自分が一番になれたと思えましたが、またナショナルチームで強い選手と練習することができている。さらに上を目指せる環境は、本当にありがたいです。

海也とか慎詞とか、良い刺激になっています。

2025アジア選手権では中野と太田の2人が表彰台に上がった

Q:太田海也選手、中野慎詞選手とは同年代なんですね。

同い年です。でも、本当に強い。強い選手が周りいたほうが強くなれると思っているので、ナショナルチームに来てよかったです。

“運の要素が少ない”ケイリンで、下剋上

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