男子ポイントレース
大会最後の種目として実施されたポイントレース。
男子は30km、120周で実施され、最終的に「ポイント」を最も多く獲得した選手が勝利となる。
ポイントは、10周ごとのスプリント周回で1着に5ポイント、2着に3ポイント、3着に2ポイント、4着に1ポイントが与えられ、最終スプリントはポイントが2倍。また、1周追い抜き(ラップ)が成功すれば20ポイントを獲得できる。
序盤はそれぞれ異なる選手たちがポイントを取り合う形の混戦で始まったレース。
レースを活性化させたのは、3回目のポイント周回で1位(5ポイント)を取った梅澤幹太(チームブリヂストンサイクリング)。アタックして集団から抜け出していく。
梅澤がラップ(1周追い抜き)を成功させ20ポイントを得ると、矢萩悠也(チームブリヂストンサイクリング)やベルナルド・ファンアールト(インドネシア)らも次々にラップ。梅澤のアタックからは目まぐるしい展開となった。
終盤に動き出したのは鉄人・窪木
梅澤とファンアールトが暫定上位の中、残り40周のポイント周回で窪木が初のポイントを獲得。
そして、ここまで息を潜めていた窪木が反撃を開始していく。猛スピードで単独で集団から抜け出し、ラップを成功させる。
残り20周となるポイント周回を終えての暫定順位は、梅澤(41ポイント)、ファンアールト(32ポイント)、キム・ヒョンセオ(韓国/30ポイント)の順。窪木は27ポイントで5位。
残り10周のポイント周回で梅澤が貴重な1位(5ポイント)を獲得し通算46ポイントまで伸ばし
スクラッチに続く金メダルに大きく近づくが、そこから鉄人・窪木による最後のアタックが始まった。
残り3周で2度目のラップを成功させ、通算50ポイントとして窪木が順位で逆転。
梅澤は、最終周回でのポイントを目指し逃げに出るが、最後に後続につかまりポイント獲得はならず。
底なしの体力で最終盤に大逆転を決めた窪木が、エリミネーションに続くこの日2つめの金メダルを手にした。梅澤は惜しくも2位、ファンアールトが3位となった。
順位 | 選手名 | 所属 | ポイント | |
1位 | 窪木一茂 | 日本 | 50 | |
2位 | 梅澤幹太 | チームブリヂストンサイクリング | 46 | |
3位 | ベルナルド・ファンアールト | Bernard benyamin van Aert | インドネシア | 41 |
エリミネーション・ポイントレース優勝:窪木一茂
Q:最終日に2つの金メダル獲得、おめでとうございます。
ハードな日程でしたが、4日間走り切ることができて良かったです。
Q:ポイントレースは終盤で大逆転となりました。前半戦はどのような心境でしたか?
疲れもあったので中盤過ぎくらいまでは回復に努め、後半に攻めに転じよう、と考えていました。結果的に、他の選手が消耗したところで、タイミング良くポイントを得られたと思います。
Q:思惑通り、ですか?
いえいえ(笑)。最後、梅澤くんがポイントを取ることができなかったことで、たまたま優勝という結果となっただけです。
Q:エリミネーションについてはいかがですか?終盤、観客を煽るパフォーマンスも見せていました。
うまく走ることができたと思います。
(パフォーマンスは)勝っても負けても、会場を盛り上げたかった。優勝して喜んでいただけたので良かったです。
Q:特に最終日は多くの観客が訪れ、大きな歓声が寄せられました。大会を振り返ってみいかがでしょうか?
これまでにないくらい盛り上がっていたと感じます。大会のレベルも上がって来ていますし、次のオリンピックに向けて、大成功の大会となったと思います。
Q:今後はどのような予定でしょうか?
過密日程だったので、さすがに少し休もうと思います(笑)。
そのあとは、全日本選手権個人タイムトライアルを狙っています。最近ロードのイメージも薄れていると思うので、得意なロードで強いところを見せたいですね。
スクラッチ優勝:梅澤幹太
Q:スクラッチでは、世界王者を退けての優勝となりました。
窪木選手をはじめ、強い選手が多い中で優勝できて本当に嬉しいです。
スプリント力はそこまでないと思っているので、逃げに持ち込んで勝負しようと考えていました。想定通りに組み立てられたと思います。
Q:一方で、ポイントレースは最後に窪木選手に大逆転を許す、という結果でした。
最後のポイント周回では、行くしかないとがむしゃらに走っていました。悔しいですが……良い経験になったと思います。
Q:非常に充実した大会になったと思いますが、今後に向けてはいかがですか?
まずは目の前の全日本選手権トラックで良い成績を残せるように。そして世界の舞台でも結果を残せるように頑張っていきます。
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