2025年4月29日から5月4日の6日間にわたって名古屋競輪場で開催されている『第79回全日本選手権競輪(G1)』、通称「競輪ダービー」。
賞金は優勝8700万円、2着でも4200万円とG1のなかで最高額。年末の『KEIRINグランプリ』に出場に向けて、非常に重要な1戦といえる。

KEIRINグランプリとは?競輪界最高峰の「一発勝負」

本記事では、直近の成績などをもとに注目選手をピックアップしてご紹介する。

盤石の近畿勢 悲願のG1戴冠を狙う寺崎浩平

2月に行われた今年最初のG1『全日本選抜競輪』には、優勝した脇本雄太を含む近畿6車が決勝に出場。3月の『ウィナーズカップ(G2)』は昨年のグランプリ覇者・古性優作(大阪)が制覇と、今年に入っても勢いが止まらない近畿勢。このダービーでも、話題を引っ張る立場となるだろう。

古性優作, 脇本雄太, KEIRINグランプリ2024, 静岡競輪場

なかでも注目したいのが、寺崎浩平。
先の『全日本選手権競輪』決勝では、残り半周からものすごい勢いで捲りを開始。最後に脇本に差されたものの、その脇本をして「すごい伸びでした。本当に心強い後輩だと思います」と言わせる走りを見せた。

『ウィナーズカップ』決勝も、着順こそ8着ではあるが、残り1周半で捲りを開始した郡司浩平に合わせ前を確保。レース後の古性は、脇本と同じく「これまでで一番、寺崎のレベルアップを感じた」と評価した。

寺崎浩平, 決勝, 全日本選抜競輪(G1), 豊橋競輪場

充実一途の寺崎。今開催2日目の特選では4着となったが、初のG1優勝がこのダービーとなってもまったく不思議ではない。

ダービーを見据えた走りで完全優勝・郡司浩平

直近の開催での好調ぶりでは、郡司浩平。
『桜花賞・海老澤清杯(G3)』(4月19-22日/川崎)3日目の二次予選では、残り1周半から仕掛けると最終周2コーナー過ぎでは後ろを引き離し、2着に大差をつける完勝。脇本雄太・犬伏湧也らが豪華メンバーがそろった決勝も、残り半周で逃げる脇本を力強く捲っていき完全優勝を果たした。

川崎開催は、4戦ともに自力での勝負を選択。ダービーという大舞台での戦い、そして“対近畿”をしっかりと見据えた走りを見せた。
今開催では2日目に出走し2着と調子の良さを見せている。

郡司浩平, 決勝, ウィナーズカップ(G2), 伊東温泉競輪場

南関勢も、前年2着の岩本俊介、今回の舞台である名古屋競輪場で3月に開催された「金鯱賞争奪戦 グランパスカップ(G3)」を制した深谷知広、「桜花賞・海老澤清杯」で郡司に次ぐ2着となった松谷秀幸ほか強力な布陣。打倒・近畿に挑む。

バンクの特徴から見える注目選手

名古屋競輪場の特徴のひとつとして、カントがきつめ(34°1′47″)の走路であることが挙げられる。直線も58.8mと長いため、鋭い差し脚を持つ選手にも注目したい。

清水裕友は、4月の『よさこい賞争覇戦(G3)』(4月3-6日/高知)で優勝。決勝ではゴール前でさすがの差し脚を見せた。

高知競輪場は500mバンクであるため直接的な参考にはならないかもしれないが、清水は昨年の『KEIRINグランプリ』でも2着。今年初めは肺血栓による休養もあったが、ここで本領発揮が期待される。今開催2日目の出走では5着だったが、今後の巻き返しが期待がかかる。

清水裕友, KEIRINグランプリ2024, 静岡競輪場

ナショナル勢も準備万端

また、ナショナルチームからも山﨑賢人、太田海也、中野慎詞、小原佑太、窪木一茂の5人が出場。

なかでも中野慎詞は「桜花賞・海老澤清杯(G3)」最終日・9Rで長い距離を先行して完勝(3着は窪木)。この開催では2日目に車体故障があり決勝には勝ち進めなかったが、改めて強さを見せた。

3月の『ウィナーズカップ(G2)』ではナショナルチーム勢は決勝に残ることができなかったが、『ネーションズカップ』から帰国後すぐの出場、という側面もあった。“癖のないスピードバンク”とも評される名古屋の舞台で、その力を存分に発揮してくれるだろう。
今開催では既に山﨑、太田、中野の3人が強力な走りを見せて二次予選まで勝ち上がっている。

第79回日本選手権競輪(G1), 名古屋競輪場, The 79th Japan Keirin Championship G1

KEIRINグランプリまでの近道

冒頭でも触れたが、この『第79回全日本選手権競輪』はG1のなかでも最高賞金額となるビッグレース。事実、昨年『KEIRINグランプリ』初出場を果たした岩本俊介は、このレースで2着に入ったことが大きなアドバンテージとなった。

『KEIRINグランプリ』出場をかけた上半期の大一番であり、名誉あるダービー王者の称号を得るのは果たして誰になるのか。注目していただきたい。

【放送予定】『第79回日本選手権競輪(競輪ダービー)』4月29日〜5月4日 名古屋競輪場

【イベント情報】佐藤水菜×梅川風子のコラボトークショー、酒井亜樹のBMXレーシングエキシビジョン出場ほか盛り沢山!/『第79回日本選手権競輪(競輪ダービー)』