3月16日に幕を閉じたUCIネーションズカップ、トルコ・コンヤ大会。日本は銀メダル1、銅メダル4つと、LAオリンピックに向けて新たなスタートを切った。
この大会をコーチ陣はどう見ていたのか。
短距離ヘッドコーチのジェイソン・ニブレット氏と中長距離ヘッドコーチのダニエル・ギジガー氏に大会の感想をうかがった。
ジェイソンコーチ:全体的にはOKな結果

Q:ジェイソンコーチへ。まずは今大会の全体的な感想をお願いします。
今大会は2024世界選手権からの休養が明け、トレーニングが始まり、アジア選手権を経ての大会ということもあり、どうなるか分からない大会でした。モチベーションと言いますか、どんなマインドセットで行くかが難しい大会でしたが、結果はOKといったところです。
もちろんいくつかの種目ではもっと良い色のメダルを獲ることもできたと思いますし、最後の詰めが甘かった部分もあります。そういった部分も合わせてチームに刺激が入れられたと思います。

JAPAN TRACK CUPはレベルが高いレースになる
Q:次の大会は、香港インターナショナルトラックカップI / IIの予定ですね?
はい。アカデミー(Bチーム)の選手を連れていく予定です。
どれだけの活躍をするのか、レースの時にどんな反応を見せるのか、選手たちにとって良い経験になるはずです。また、私がアカデミーの選手たちを去年は見ることができていなかったので、私にとっても良い機会となります。

Bチーム(アカデミー)所属の高橋奏多
その後はJAPAN TRACK CUP、全日本選手権と続きます。特にJAPAN TRACK CUPはオーストラリアやニュージーランドのAチームが来るため、とてもレベルの高い大会になる予定です。国内でハイレベルなレースができることはとても楽しみですね。
誰にでも扉は開いている。私にアピールしてもらいたい
Q:その後は世界選手権です。世界選手権には男子ケイリンに4人が出場可能だと思いますが、どういったメンバーの想定でしょう?
世界チャンプ、アジアチャンプの枠は獲った人しか使えないので、山﨑賢人と中野慎詞はスポットを得ていると言えます。

その他は全員にチャンスがあります。チームスプリントの3走がどうなるのか、その部分も決まっていません。小原と中野、どちらも課題の残る走りをしました。加えて市田はアジア選手権で1㎞を1分0秒で走っています。他のアカデミーの選手たちももちろん余っている枠を狙っています。

コーチとしては頭を悩ませる選考になるかもしれませんが、それは嬉しいことでもあります。ですので、誰にでもチャンスがある、そういった状態だと言えますね。
誰が出場することになるのか、私にアピールしてもらいたいです。
新田祐大の存在

アカデミーの話と言えば、新田祐大選手が若手の成長に大きな役割を担っていることは加えさせて下さい。競技ではオリンピックに出場し、競輪ではGI優勝の経験が多くある新田選手が皆にアドバイスをくれています。そういった背景があって若手が育ってきているので、新田選手にはとても感謝しています。