2月21日に幕を開けた『アジア選手権トラック2025』は3日目。2月23日に行なわれた男子スプリントで太田海也と中野慎詞の日本人対決が実現。日本が誇る2人スプリンターの対決を太田が制し、自身初となるアジア選手権、個人種目での金メダルを獲得した。
準決勝 日本vsマレーシア
前日の結果を受け、準決勝は日本勢VS地元マレーシア勢の構図。
第1組:太田海也(予選1位)vsムハマド リトワン・シャローム(マレーシア:予選5位)
第2組:中野慎詞(予選2位)vsムハマド シャー・シャローム(マレーシア:予選3位)
どちらも2本先取すると決勝へ、敗者は3位決定戦へと回ることとなる。
相手の巧みさを上回る太田のスピード
1本目は太田が前で逃げ切って先着してからの2本目。前に相手を見据えて太田が後ろでレースは進んでいく。
残り1周半を切って後ろの太田が加速しながら攻める様子を見せると、太田の進路を巧妙に阻んでいくリトワン・シャローム。
最終周回に入り、最終バックを前に太田がバンクの上部から下降しつつ加速していくと、リトワン・シャロームが前を許さずピタっと横につけて両者が並ぶ。
太田にとっては我慢勝負となった最終盤。しかし力強いなスプリントを見せた太田が最後にリトワン・シャロームをかわし、先着。
ストレートでこの勝負を制して決勝進出を決めた。
隙を逃さなかった中野 オリンピックの雪辱を果たす勝利の咆哮
シャー・シャロームと中野はパリ2024オリンピック ケイリン決勝の際に接触し、お互い落車した因縁の相手。種目は異なれど中野にとっては負けられないレースとなった。
1本目は中野が前で相手を寄せ付けずに先着。
2本目、シャー・シャロームが前、中野が後ろでレースは進む。
開始直後からスピードを上げていく両者となったが、残り2周の時点で後ろの中野が早目に攻める姿勢を見せて、前のシャー・シャロームのスピードを上げさせていく。
後方でバンクを上下に行き来してタイミングを計る中野は最終周回の2コーナー、相手が内側を空けた瞬間を逃さずにフル加速するとインサイドから前へ。
残り半周のスプリント勝負となったが、最終ストレートでは相手が諦めて中野が先着。直後には中野からは珍しい勝利の咆哮も聞こえた。
強敵相手にストレートで勝利し、一足先に勝ち抜けを決めた太田が待つ決勝の舞台へと駒を進めた。