決勝 太田vs中野 日本チーム内での頂点争い
両者共にアジア選手権 個人種目での金メダル獲得経験はなし。
どちらが勝っても自身初の個人種目金メダルとなる、決勝1本目。中野が前、太田が後ろとなって始まる。
太田の位置を確認しながら走る中野、そして太田は2~3車身程度の差を保って中野の後ろで仕掛け時を伺う。
前の中野がペースを上げていくと、最終周回に突入。太田をバンクの上部にけん制しつつ、2コーナーから全開でペダルを踏みこんでいく。
しかし太田が後ろから勢いをつけて追っていき、最終コーナーで並ぶと車輪1つ抜け出して太田が先着。
太田が追い込んで1本目を得る形となった。
2本目。今度は太田が前、中野が後ろでスタート。最初の1周はバンクの上部をゆっくり走り進んだ両者。
残り2周を切って中野がスピードを上げていくと、前方で同じように加速した太田が、バンクの中段で構える。
太田の加速力 一瞬で発生した両者のギャップ
最終周回直前の4コーナーで、レースは大きく動く。
後ろから徐々にスピードを上げてくる中野に対し、太田は中段からではあるが、傾斜を利用して一気に加速していく。
あっという間に4~5車身ほどの大きなギャップができた両者は、太田が逃げ切りの体制へ。
中野は太田を追いかけなければならない状況になり、完全に後手を踏む展開となった。
最終周回に入り前でフル加速した太田。中野に並びかけることを許さず、大差の先着。上がりタイム(最後の200mのタイム)は9秒732で、この日一番のタイムとなった。
この結果、日本人同士の頂上決戦をストレートで太田が制し、アジア選手権で自身初となる個人タイトルを獲得。2025年のアジアトップスプリンターの証を得た。
中野は銀メダルを獲得。そして3位はムハマド シャー・シャローム。
兄弟対決を兄が制する形で銅メダルを獲得した。
順位 | 選手名 | 所属 | |
1位 | 太田海也 | 日本 | |
2位 | 中野慎詞 | 日本 | |
3位 | ムハマド シャー・シャローム | Muhammad Shah Firdaus Sahrom | マレーシア |