アジア選手権トラック2024。初日から出場種目全てで金メダルを獲得した日本代表。中長距離種目のチームパシュートでは男子が追い抜き優勝、女子が日本新&アジア新を樹立するなど、目覚ましい活躍を見せた。
今回は男子はメンバーの組み換え、並び順の変更など、これまでの入りを大きく変えてきての優勝。女子は日本記録を大幅に4秒も上回る記録での優勝となったが、その理由は何なのか。
現地で指揮するダニエル・ギジガーヘッドコーチに話を伺った。
ダニエル・ギジガーの戦略
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Q:男子はいろいろ組み替えてのレースでしたが、どういった狙いでしたか?
今回の男子の組み替えは、この先のレースに対しての準備です。交代のタイミングを変えることで1人1人の走りの長さを変えたりして、戦術の幅を広げようとしています。
このアジア選手権では、様々なことを試すチャンスだと思っていました。実際にいろいろ試した結果が金メダルとなりましたね。
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今回は今村が加わることによって、決勝に向けて力を温存することが出来ました。
Q:女子についてはいかがでしょう。予選は明らかに抑えていたように感じます(※ベストタイムから20秒ほどの遅れ)。
女子については男子とは状況が異なり、今は4人のメンバーから動かせません。今シーズンから水谷彩奈が加わっていますが、今の4人と走るにはまだ時間が掛かります。
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水谷彩奈
今回は1日で3本を走ることになり、1日中ベロドロームにいることになりました。エネルギーをセーブするためにも、予選は2位か3位で問題ないと考えていました。
Q:オリンピックの出場枠を争う中国を意識していましたか?順位にこだわりはなかったでしたか?
※2月20日現在、日本はオリンピックランキング10位:4850ポイント、11位:中国4510ポイントと接戦
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4位にならなければ中国と戦うことはないと分かっていたので、2位か3位かは関係ありませんでした。決勝に全てを持っていく作戦です。オリンピックポイントでは中国と切磋しているので、今回勝つことが大事でしたね。
Q:決勝での結果は日本新&アジア新でしたが、期待通りでしたか?
レース前は、今回は4分20秒を切れれば良いと思っていました。14秒を出せたということは、このチームの可能性を示した形かと思います。チームに自信のつく勝利とタイムになりましたね。
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スイスの名将に率いられる日本チームは、着実に世界最高峰の舞台に向けて歩みを進めている。