世界選手権のための「必須項目」

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とはいえ、島国にわざわざ来てくれる国は…

このようなのっぴきならぬ理由で開催しているジャパントラックカップだが、とはいえ日本は島国。立地の悪条件もあり、参加国を募るのはなかなか難しい。

そこで「参加するとお得ですよ!ぜひ参加してください!」とアピールするために、ジャパントラックカップは例年「2大会連続+1大会」の形式を取っている。

2大会連続

ジャパントラックカップは例年、「ジャパントラックカップⅠ」「ジャパントラックカップⅡ」の2つの大会を連続して実施している。2022大会の場合は7月28・29日に「ジャパントラックカップⅠ」、30・31日に「ジャパントラックカップⅡ」を開催した。

7月28・29日 ジャパントラックカップⅠ
7月30・31日 ジャパントラックカップⅡ

このように、短い期間で2つの大会が実施される。

※2023大会は、3日間をどのように振り分けるかまだ発表されていない

同じような形式で行われている大会としては、2023年1月にニュージーランドで開催された『ケンブリッジGP』などがある(前半2日間は「クラス1」、最終日3日目は「クラス2」の大会として実施)。

ジャパントラックカップは5カ国以上が参加する「クラス1」の大会として分類されており、3〜4カ国参加が条件の「クラス2」に比べ、多くのUCIポイントが獲得できる。海外からの参加選手にとっても「4日間(ないしは3日間)で一気にポイントを獲得できる、お得なチャンス」というわけだ。

+1大会

そしてジャパントラックカップの約1週間後には、JICF(日本学生自転車競技連盟)による「INTERNATIONAL TRACK CUP」と「日本学生選手権 オムニアム大会」が合同で実施される。

この大会は「日本学生自転車競技連盟」とあるように大学生が参加するほか、海外からの選手も参加が可能。クラス2大会なので獲得できるUCIポイントは少し落ちるが、ここでもポイントを獲得することができる。

お得です!3大会連続実施

つまり、ジャパントラックカップ+JICF大会は、約2週間の日本滞在で合計3つの大会に参加できるチャンスなのだ。

東京オリンピック前のジャパントラックカップには短期登録制度で日本の競輪に参加していた選手たちをはじめ、「オリンピック開催地となる、伊豆の下見」も目的に、世界各国からたくさんの選手たちが参加していた。

“祝”男たちの激闘マシュー・グレーツァーが自身の誕生日を優勝で飾る/2019ジャパントラックカップⅡ・男子スプリント

昨年(2022)などはアジア圏の選手が多かったが、ヨーロッパ圏に比べて実戦経験が劣りがちなアジア圏の選手からすれば、比較的安価な旅費で自国以外の選手と対戦できる機会として魅力的に映るだろう。もちろん、UCIポイントも獲得できる。

『ジャパントラックカップ』は11月に開催

2023年の『ジャパントラックカップ』は11月16日(木)〜18日(土)、伊豆ベロドロームで開催。

(ちなみにこの翌週の火曜日からは、年内最後の競輪G1レース『競輪祭』がスタートする。参加選手たちは前日の月曜に会場となる小倉に居る必要があるため、その辺りも考慮して土曜終わりの日程となっているようだ)

『ジャパントラックカップ』翌週の25日(土)・26日(日)には『JICF INTERNATIONAL TRACK CUP&全日本学生選手権手権オムニアム大会 UCI CLASS-2』が千葉のTIP STAR DOMEで実施。例年通り、一気に3つのトラック競技大会が実施されるスケジュールとなっている。

『ジャパントラックカップ』のスケジュール、参加選手などはまだ発表されていないが、今後も情報が出次第お伝えしていく。トラック競技の国際大会を国内で観戦する貴重な機会、ぜひご注目を!