『2022世界選手権トラック』が2022年10月12日〜16日にフランスで開催される。
……で、「そりゃあ世界選手権だからすごいんだろうけど、何がそんなにすごいの?」という方のために、この記事では「世界選手権とはなんぞや」を3つのポイントに絞ってお伝えしていく。
ポイント1:1年で一番大きな大会
自転車トラック競技において、日本ナショナルチーム(日本代表チーム)が参加する主要な大会は以下の通り。
4月〜7月 | ネーションズカップ | 全3戦で実施、世界中の選手が出場 |
6月 | アジア選手権 | アジアの選手のみ出場 |
8月 | 全日本選手権 | 日本人のみ出場 |
10月 | 世界選手権 | 世界中の選手が出場 |
11月〜12月 | チャンピオンズリーグ | 全5戦で実施、2022シーズンに活躍した選手が招待される |
※日程は2022年のもの
ネーションズカップは世界中から選手が集まる大会だが、全3戦のシリーズ戦ということもあり、世界選手権に比べると重要度は多少下がる。
アジア選手権はアジア内だけ、全日本選手権は日本国内だけ……と、大会の規模感の違いは自ずと理解いただけるだろう。
チャンピオンズリーグは「イベント」の側面が強く、スター選手たちが共演する「ボーナスステージ」のようなものだと捉えていただきたい。世界選手権の結果をもって出場選手が最終決定される大会でもある。
このように自転車トラック競技における「1年のピーク」は世界選手権に設定されており、選手たちの気合も、得られる成果も、世界選手権が一番大きいのだ。
ポイント2:一番多くのUCIポイントがもらえる大会
では「得られる成果」とはなんなのか?
「世界チャンピオン」という称号、その証となる「アルカンシェル」(世界チャンピオンに与えられる虹色デザインのジャージ)などももちろんだが、現実的なところでいえば「UCIポイント」もまた大きい。
UCIポイントとは?
UCI(国際自転車競技連盟)が選手やチーム、国に対して加算していく「成績を数字(ポイント)として示したもの」。
大会の格とそこでの成績ごとにポイント数は異なり、より多くのポイントを持つことで、より上の大会に出場することが可能となる。
そして世界選手権は「一番多くのUCIポイントが獲得できる大会」なのだ。
各大会で獲得できるUCIポイント(個人種目の場合)
世界選手権 オリンピック |
ネーションズカップ | 大陸選手権 | |
1位 | 1000 | 800 | 600 |
2位 | 900 | 720 | 540 |
3位 | 800 | 640 | 480 |
UCIポイントが、オリンピックへつながる
上記の通り、優勝すれば1000ポイント獲得できる世界選手権。こうして獲得したポイントがゆくゆくはオリンピック出場枠の獲得に繋がってゆく。
まず枠を取らなくては、オリンピックに出ることすら叶わない。「選手人生の一番の目標」として掲げられることも多いオリンピック、そのための大事なステップの一つとなる大会だ。