2022年10月12日から16日にかけてフランス・サン=カンタン=アン=イブリーヌにて開催される『2022世界選手権トラック』。年に1度の”世界一”を決める大会だ。
しかし2年後に控えた『2024パリオリンピック』でのメダル獲得を最大の目標とした場合、本大会はどれぐらい重要な意味を持つのか。
今回は『2022世界選手権トラック』の重要度について、UCIレギュレーションをもとに解説していく。
「パリへの戦いは始まっている」
2022年8月28日、『2022全日本選手権トラック』開催期間中に、自転車トラック競技日本ナショナルチームのパリオリンピックに向けた戦略記者会見が実施された。
本会見に出席したジェイソン・ニブレット短距離コーチは、『2022世界選手権トラック』について以下のようにコメント。
「10月にパリで実施される世界選手権は、非常に重要な大会です。なぜなら、この大会で成績を残すことが、来年の世界選手権の出場枠に繋がるから。この『来年の世界選手権』がオリンピックポイント(オリンピック出場枠を決めるためのポイント)の対象となりますので、パリオリンピックに向けとても大事になるのです」
具体的にどういうことなのか。その仕組みについて解説していく。
オリンピックの出場枠で基準となるのは?
2024パリオリンピックの出場枠は、以下の特定の大会で残した結果をもとに分配される。(厳密には以下の各大会で獲得したUCIポイントを換算し、そのポイント数が基準となる)
・パリオリンピック開催直近の『大陸選手権』2大会でのベスト順位
・2023年の『UCIトラックネーションズカップ 』におけるベスト順位2つ
・2024年の『UCIトラックネーションズカップ 』におけるベスト順位2つ
・『2023世界選手権トラック(エリート)』でのベスト順位
以上の大会でより良い成績を残した選手や国に対して、パリオリンピックへの出場枠が優先的に分配されていく。どれも2023年以降の大会。しかし2023年以前の成績が影響しない訳ではなく、むしろ2022年の成績も重要となってくる。
なぜなら、以上の大会それぞれに出場するためにも、厳しい基準を突破しなければいけないからだ。そしてその基準とは、2022年の成績が主に影響してくる。
以上の大会のうち、最も出場条件が厳しいのは『2023世界選手権トラック』。しかし最も高いUCIポイントを獲得できるのも本大会。
従って、『2023世界選手権トラック』へ出場できるかどうかが、パリオリンピックの出場枠獲得に向け、非常に重要な鍵となるのだ。
その他、各種目の出場枠数や詳しい分配方法などについては以下記事をご覧いただきたい。