7月28日(木)から31日(日)にかけて伊豆ベロドロームにて開催される『2022ジャパントラックカップ I / II』。国内で開催される、2022年シーズン初の国際大会だ。

本大会は有観客での実施となり、無料で現地観戦可能。さらに大会全4日間の生中継も、More CADENCEの公式YouTubeチャンネルにて視聴可能となっている。

新型コロナウイルス感染症の影響により2020・2021年大会は実施されなかったこの大会。今回は前回大会となる『2019ジャパントラックカップ 』の様子をご紹介する。

コロナ以前、でも無観客開催

女子マディソン / 2019ジャパントラックカップⅠ

2019年8月に開催された前回大会の『2019ジャパントラックカップ』。その開催地となったのは、当時完成したばかりの「JKA250」。

「JKA250」とは日本競輪選手養成所(JIK)のために建てられた日本で2つ目の板張り250mバンク。

伊豆ベロドロームのすぐ近くにある日本競輪選手養成所内に建てられ、2019年7月には当時のナショナルチームを招いた落成式が実施された。

JKA250落成式

一方伊豆ベロドロームは当時、翌年2020年に開催が予定されていた東京2020オリンピックに向けて改修工事中となっていたため、日本でもう1つの板張りベロドロームである「JKA250」がジャパントラックカップ2019年大会の開催地となった。

しかし「JKA250」はトレーニングに特化した施設であり、観客席を擁さないベロドローム。故に本大会は無観客での実施となった。

それから3年が経った『2022ジャパントラックカップ』は伊豆ベロドロームにて有観客(無料)で開催される。

日本で2つ目の板張り250mバンク『JKA250』落成式、日本代表が語る新バンクの感触

強豪スター選手も参戦

男子スプリント / 2019ジャパントラックカップⅠ

3年前の2019年に開催されたジャパントラックカップにはどんな選手が出場していたのだろうか。

当時のレースレポート記事を読み返してみると、強豪スター選手など多くの選手が出場していたことが伺える。というのもこの「2019年」は2020年に予定されていたオリンピック直前。オリンピックに向けて(バンクは違えど)オリンピック会場である伊豆、そして日本の「夏」を経験しておきたいという思惑があり、多くの選手が参加していたのだ。ここでは何人かの選手をピックアップしてご紹介する。

唯一の金メダル3枚獲得 世界王者が圧倒

女子スプリント / 2019ジャパントラックカップⅠ

(左から)ステファニー・モートン、リー・ワイジー、シモーナ・クルペツカイテ

『2019ジャパントラックカップ』にて金メダルを最も多く獲得したのは、リー・ワイジー(李慧詩、香港)。当時の女子スプリント・ケイリン世界チャンピオンで、ジャパントラックカップ2019年大会では、両種目とも世界王者の証であるアルカンシェルを纏って出場した。

2022年大会同様、2大会が連続して実施された中で出場したスプリント×2、ケイリン×1の全てで優勝し金メダル3枚を勝ち取った。

リー・ワイジー(李慧詩)が2日連続でスプリントを制す/2019ジャパントラックカップⅡ・女子スプリント

外国人”競輪”選手も多く出場?

男子スプリント / 2019ジャパントラックカップⅠ

デニス・ドミトリエフ

『2019ジャパントラックカップ』の短距離種目には、多くの「外国人”競輪”選手」も出場していた。

2019年当時、公営競技の競輪では「短期登録制度」を実施中であった。

「短期登録制度」とは、トラック競技の一流選手が競輪選手として短期間登録し、日本の競輪でレースに出場するための制度。競輪を通した国際親善と競技力向上を目的とし、2009年より始まったものだ。

ジャパントラックカップ2019年大会には、短期登録2019として来日した選手たちも多数出場していた。

男子ケイリン / 2019ジャパントラックカップⅠ

テオ・ボス

2022年現在すでに現役を引退している選手で言えば、シェーン・パーキンスや、中国ナショナルチームのコーチを務めているテオ・ボス。

現役で活躍している選手では、2022年のオセアニア選手権でも3冠を達成した元世界王者マシュー・グレーツァーや、2019年の世界選手権・男子ケイリンで銅メダルを獲得したシュテファン・ボティシャーなど。競輪ファンにもお馴染みの顔ぶれが走るということで注目が集まった。

「短期登録制度」「国際競輪」とは?かつて日本の競輪で走った、トラック競技のレジェンドたち

 

3年前と何が違う?

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