7月28日(木)から31日(日)にかけて伊豆ベロドロームにて開催される『2022ジャパントラックカップ I / II』。国内で開催される、2022年シーズン初の国際大会だ。

本大会は有観客での実施となり、現地で観戦することができる。さらに大会全4日間の生中継も、More CADENCEの公式YouTubeチャンネルにて視聴可能だ。

そこでより大会を楽しむための注目ポイントをご紹介。今回は「新記録」についてフォーカスしていく。

日本記録や世界記録など、『2022ジャパントラックカップ I / II』での日本人選手による新記録樹立の可能性について、2022年の好タイムなどを参考に考察してみる。

記録更新の対象となる種目は?

ポーリン・グラボッシュ GRABOSCH Pauline Sophie, エマ・ヒンツェ HINZE Emma, リー ソフィー・フリードリッヒ FRIEDRICH Lea Sophie, GER - Germany, Finals for gold, Women's Team Sprint, 2022 Track Nations Cup, Milton, Canada

まずは、どの種目において記録を更新できるのか、対象種目についておさらい。

UCIの公式種目*のうち、現在更新可能な種目は以下の7種目。

種目 計測を実施する種目
個人種目 200mFTT スプリント(予選のみ)
500mTT 500mTT(女子種目)
1kmTT 1kmTT(男子種目)
3kmTT 個人パシュート(女子種目)
4kmTT 個人パシュート(男子種目)
団体種目 750mTT チームスプリント
4kmTT チームパシュート

*2022年7月現在、UCIランキングの対象となる種目。2人制の女子チームスプリント(500m)などの廃止となった種目や、UCIの公認大会として実施されず、UCIランキングの対象外となっているアワーレコードは含まない。

『2022ジャパントラックカップ I / II』実施種目

決勝 / 男子ケイリン / 2019ジャパントラックカップⅠ

(左から)脇本雄太、河端朋之、ジャイ・アングスタサウィット(2019年大会)

『2022ジャパントラックカップ I』と『2022ジャパントラックカップ II』がそれぞれ2日間ずつ開催される。

「ジャパントラックカップ I」と「ジャパントラックカップ II」は連続して開催される2つの異なる大会。エリートカテゴリーにおいては両大会とも、以下の種目が男女それぞれで実施される。

短距離:スプリント・ケイリン
中長距離:オムニアム・マディソン

以上の実施種目のうち、記録更新の対象となるのは「スプリント」のみ。しかし、ジャパントラックカップ Iとジャパントラックカップ IIは異なる大会であり、同種目がそれぞれ実施される。

つまり、両大会のスプリントに出場する選手にとっては、記録更新のチャンスが2回あるということだ。

スプリントの各記録をチェック

では、スプリント(200m FTT)の現在の最速記録を確認しよう。

男子エリート

Men's Sprint Qualifying / 2021 Track Cycling World Championships, Roubaix, PAUL Nicholas(TTO)ニコラス・ポール
選手名(国名) タイム 更新日 更新地
世界記録 ニコラス・ポール
(トリニダード・トバゴ)
9.100 2019年9月4日 コチャバンバ
(ボリビア)
オリンピック記録 ジェフリー・ホーフラント
(オランダ)
9.215 2021年8月4日 伊豆ベロドローム
日本記録 脇本雄太 9.518 2021年8月4日 伊豆ベロドローム

女子エリート

Final / Women's Sprint / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP III, Hong Kong, Kelsey MITCHELL ケルシー・ミシェル
選手名(国名) タイム 更新日 更新地
世界記録 ケルシー・ミシェル
(カナダ)
10.154 2019年9月4日 コチャバンバ
(ボリビア)
オリンピック記録 リー ソフィー・フリードリッヒ
(ドイツ)
10.310 2021年8月6日 伊豆ベロドローム
日本記録 小林優香 10.711 2021年8月6日 伊豆ベロドローム

2022年7月現在の世界記録は、男子がニコラス・ポールの「9.100秒」、女子がケルシー・ミシェルの「10.154」。どちらもコンチャバンバ(ボリビア)にて開催された『2019パン・アメリカ選手権トラック』で樹立した記録。

参照:UCI , JCF , 2019パン・アメリカ選手権トラック

一方の日本記録は、男子が脇本雄太の「9.518秒」で世界記録まで「0.418秒」差。

女子が小林優香の「10.711秒」で世界記録まで「0.557秒」差となっている。

新生ナショナルチームの好タイムは?

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